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わかってあげなくてごめん

この1週間、家人はすこぶる様子がおかしかった
あ、そもそも体も動かないし、重度の高次脳機能障害なので
いつもおかしいんですが (;^_^A

でも、それでも体調がいい時は表情が違ったり、
身体の緊張が薄れていたり、
会話に参加できたり、笑ったり、
小さいことだけど
「あ、なんかいい調子だね!」
とわかるのである

が、
この1週間は、いつもぼんやりしているし
なんといっても車椅子にちゃんと座れない
特にご飯を食べているときに
背中をそらしてしまうので、
身体がどんどんずれて行ってしまう

車椅子をちょっと大きめのものに変えてから
この状態が顕著になった
それまではこんなことはなかった
正確に言うと、この状態になったことはあったけど
回復して克服したと思っていた
車椅子から落ちるようなこともなかった

とにかく
頭も心もはっきりしない状態なのだ

食事が終わるとすぐに横になりたがるのも
なんだかなーという感じだった
(私的には早く寝てもらった方が楽なんだけど)

だから
私は何かにつけイライラして怒ってしまう

家人はビクビクして悪循環…
というよろしくないスパイラルにはまっていた


家人は時々勘違いした間違いをする
たとえば、私の誕生日を全然別の日として認識して
いつも間違えた日を言ってしまうように、

私が大嫌いな人の名前をなぜか私の名前と
勘違いして、私をその名前で呼ぶことがある

しかも、間違え始めると何度も繰り返す
もう、半端なく腹立たしくなってしまって

「やめてっていってるのになんでやるの?
 そんなこともわからないなんて
 おまえなんか死んでしまえー!」

と大激怒していたのだ

で、そのまま放置して私は仕事部屋に行き
1時間後にまた様子を見に行ったら
なんだか苦しそうな顔をして寝ている

そっと手を取ってみたら
家人はハッと目を覚まして

「ああ、とんすけちゃん、よかった
 僕の手を握っててくれる?」

「べつにいいけど、なんで?」

「僕は自分で自分の首を絞めて
 自殺しちゃうんじゃないかと心配なんだ」

「自分で自分の首絞めたりできないから
 大丈夫だよ」

「そうかなぁ、心配だなぁ」

って、私が「死んじゃえ!」って言ったの
覚えてて夢見たのかな?

*****

私と家人は10才年が離れている
だから、家人は前からよく私に
「とんすけちゃんはもっと僕を頼りにした方がいいよ」
と言っていた

なので
「あなたが元気になってくれないと
 私は一人ぼっちで寂しいよ」
と言ってみたら

「そうだよね、ごめんね
 心配かけているね
 絶対元気になるから!」
とはっきりしゃべる

家人は横になって部屋を暗くすると
頭が落ち着いて比較的話ができる

私もいろいろ家人と話しながら
もしかすると
車椅子が合っていなくてつらいのかもしれない
だから、椅子から落ちたり、
食事の時も身体をそらしてしまったり
食後すぐに横になりたがるのかも

と、ちょっと冷静に分析できた

つらくてこの状態になっているなら
少し考えてあげないといけないなと
久しぶりに私も優しい気持ちになれたのでした

つらいのに怒ってごめん

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