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英語を学び直したくなる!英語講座の手作り風DM

やぁ、DMセンセーじゃ。
クリスマスイブは何をするんじゃ?予定がない?じゃぁ寄って行きなさい、暇つぶしに。

今日はな、「思わず英語を学び直したくなる秀逸なDM」を徹底解剖していくぞ。

フルーツフルイングリッシュという会社を知っておるか?

TOEIC700点以上の英語中上級者のみを対象とした学習サイト、教材、講座を運営しておる個性的な会社なんじゃ。

「比較的高い英語力をお持ちの方が、自然な英語を身につけて頂くための英文添削専用の英語学習サイト」を標榜しておる。

公式サイト

ワシは、この会社の無料お試し添削サービスを利用したことがあるんじゃ。訳は聞くな(笑)

そしたらな、いろんなDMが届くようになったんじゃ。「タンポポ通信」という会報誌が定期的に送られてくる。また、それとは別にちょいちょい面白いDMが来るのよ。

今回は、その中でもなかなか凝っていた「20周年記念DM」をぶった斬っていくことにするぞ。


(1)外封筒

宛名面
裏面
①手書きのメッセージ
②手書きのイラスト
③開封期限を記載

①手書きのメッセージ
手書きはとても大切にしたい。企業発信のDMとはいえ、基本は「お手紙」だという意識を忘れないでもらいたいものじゃ。手紙というのは、大勢に話変えるのではなく、送った相手一人一人に向けてじっくり語りかけるメディアじゃからの。

この封筒は、手作り感に溢れていて好感が持てるのう。大手企業だと、ブランドが〜、トーン&マナーが〜とうるさいのでなかなか実現できない類のクリエイティブじゃ。比較的小さな(でも20年も続いている!)企業で、かつマンツーマンの添削をベースとした英語学習の会社なればこそ、ユーザー(生徒)とのフレンドリーな関係をベースとしたカジュアルなトーンが「らしさ」を醸し出しておる

「20歳になりました✨一緒に祝って!」というメッセージ。シンプルで大変良い。「創立20周年記念のご案内」とかだったらガッカリしとるところじゃったよ。そんなお堅いキャラだった?と訝ってしまう。自分の誕生日(成人?)を祝ってくれなど、お客様によう言うわ、と思いつつ笑みが溢れる。

②手書きのイラスト
「LOOK INSIDE(中を見て!)」以外は何なのかよくわからんイラストが目を引くのう。どう見てもプロが描いたものではないし、「My mum has something for you(ママが渡したいものがあるって)」という文章も、どういうことなのか…実は、この種明かしは開封した人だけが見られるんじゃ。ひとまず封筒は「開けさせること」が最大の目的だから、受取り手が「中身が気になる」状態を作れれば役割を果たしたことになる。

③開封期限を記載
サプライズプレゼントも用意しているから「12/4(日)までに必ず開封して」と、表面だけでなく裏面にも念入りに書いてあるのう。DMの受け取り手はメリットでもない限りなかなか開封しない、ということをよくわかっておる。それに、「時限付き」も効果絶大じゃ。期限を過ぎたらメリットが失効して「損をする」というのだから、一応確認しておきたくなるのが人情ってもの。こういう心理は”損失回避の心理”と呼ばれる。

実は、人は「得をする」と言われるより、「(今ある権利などが)なくなっちゃうよ」と言われた方が行動を起こしやすいんじゃ。ゼロからプラスのメリットよりも、ゼロからマイナスになるリスクを避けたいと本能的に感じるんじゃな。

じゃから、開封期限を明記しておくことは大変有効な”ドアオープナー”(開封促進要素)になるという訳じゃ。わかっとるのう。


(2)レター

これまた素晴らしい。まさにお手紙じゃの。

レター 1/3
レター 2/3
レター 3/3
スタッフのお子さんの絵日記
④手書き
⑤スタッフのリアルエピソード
⑥読みやすいレイアウト

④手書き
レターも完全に手書きじゃ。読みやすい字だし、手作りの温もりがあって好感が持てる。会社によっては制作作業を効率化するため(修正しやすい)「手書き風フォント」を使用するところもあるが、このレターはリアルに手書きされておる。

⑤スタッフのリアルエピソード
企業からの手紙というと、この商品やサービスは素晴らしくて…という話になりがちじゃが、この会社を見てみい。直接的には一切そういう自慢めいた話はないのう。代わりにたっぷり書かれているのは、一見サービスとは関係なさそうな話じゃ。スタッフのお子さんが描いた絵日記を引っ張り出して、1年間の成長をわかりやすく示しておる。そして、それが英語学習を継続することの重要性と上手に結び付けられ、最後には英語学習に役立つサプライズプレゼントとしての割引クーポンにうまく落としておるな。これは簡単そうに見えてかなりの上級テクニックじゃ。

⑥読みやすいレイアウト
この手紙、長い。しかし、サクサク読めてしまう。それは文章をある程度のまとまりでパラグラフ(段落)化し、途中途中にイラストを配しているからじゃ。意外かもしれんが、良い手紙は長いのじゃ。ただし誤解しないでくれ。逆は必ずしも真ではない。長ければ良いというわけではない、ということな。良い手紙というのは、読み手を引き込んで、次は何を言うんだろう、次は…と先を気にさせて読み進めさせる魅力がある。読み手が読むことを楽しめて、読み終わってしまいたくない!くらいに思わせるのが最高の手紙。だから、長いことは悪ではない。中身が大事っちゅうことじゃ。

◆ちなみに、封筒の宛名面にあった謎のイラストは、「スタッフのお子さんが描いたイラスト」だったんじゃな〜。

(3)サプライズ特典

⑦あえてチケットにしている
クーポンチケット

⑦あえてチケットにしている
レターの末尾で「全品20%OFF」というサプライズを案内しているが、あえて別刷の「券」を封入している。これはよくやる手だが、目的は「ありがたみを出す」ためなんじゃ。こういうものは金券のように価値高く見えるというのがセオリー。フルーツフルイングリッシュでは少しカジュアルに「らしく」演出しておるのう。

(4)ブローシャー

20%が適用となる4種類のコースを紹介するブローシャーが同封されておる。基本的な構成はいずれも一緒だが、内容はコンパクトかつ魅力的にまとめられておる。ポイントとなる箇所を一挙に解説じゃ。

⑧ターゲットコピーがある
⑨数字で効果を示している
⑩今申し込むべき理由が記載されている

⑧ターゲットコピーがある
「どんな人にオススメ?」と 例示することで、読み手が「あ、これ私だ!」と当てはめやすくなるのう。自分に必要な講座だと思って申し込みを真剣に検討してもらう効果があるぞ。

⑨数字で効果を示している
「ここがスゴイ」では、このコースの受講効果を実際の利用者の英語力向上実績を証拠として示しているな。また、コースの詳細説明や利用者のインタビューをQRコードを介して、WEBで紹介しとる。

⑩今申し込むべき理由が記載されている
「今始めるのがオススメ」は気が利いておる。読み手の頭の中では、「ちょっとやってみたいかな〜、でもな〜」という天使と悪魔のせめぎ合いが起きているかもしれん。そこへ、検討を先延ばしにせず決断を迫るために、「今すぐ申し込むべき理由」を提示して背中を押しているんじゃ。

4種類の講座のブローシャー一覧


まとめ

どうじゃった? 今回見てきた随所の工夫をまとめるぞ。全部で10個も特筆すべきポイントがあった。

<外封筒>
①手書きのメッセージ
②手書きのイラスト
③開封期限を記載

<レター>
④手書き
⑤スタッフのリアルエピソード
⑥読みやすいレイアウト

<サプライズ特典>
⑦あえてチケットにしている

<ブローシャー>
⑧ターゲットコピーがある
⑨数字で効果を示している
⑩今申し込むべき理由が記載されている

他人様のDMをつぶさに分析することは、実に楽しくタメになるノォ。参考になったという場合は、スキをしておいてくれ。そして、また次回、別のDMのおもしろ解剖を見逃さないよう、フォローも忘れずにな


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