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「再開」に忍び寄る同調圧力。本音を言えない選手たち

 プロ野球とJリーグは、コロナ禍の対応で対策連絡会議を設置し、斎藤コミッショナーと村井チェアマンが一緒に会見を開くなど連係を図り、足並みを揃えてきた。しかし、緊急事態宣言解除後の反応には違いが見られた。

 解除の発表を受け、プロ野球が即、6月19日開幕を発表したのに対し、Jリーグはいまのところ発表なし。5月29 日に開かれる会見で明らかになるのではないかと言われる。再開はプロ野球より遅れそうである。

 そもそもJリーグ再開のハードルは、プロ野球より断然高いのだ。

 野球は試合中、選手同士が接触するシーンが少ない。一塁走者と牽制に入る一塁手、それを含めた各塁上でのタッチプレーとか、せいぜいそれぐらいだ。ポジション的には、打者及びアンパイアと常に近距離で接する捕手が最もリスキーになるが、無意識のうちに相手のユニフォームを引っ張っていたりするサッカーに比べれば、数段マシ。接触率という点で両者の間には大きな違いがある。

 野球とサッカーは日本を代表する2大プロスポーツ。これまで連係を図り、足並みを揃えてきた理由も、それぞれがバラバラだと好ましくない、日本のスポーツ界をリードする集団として格好よくないとの判断に基づいていた。どちらかが突出しないように、横並びのスタンスを意識してきたとも言える。

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