麻雀界の宿痾

近藤のサイン会開催

令和3年3月7日、Mリーグ「セガサミーフェニックス」で活躍している近藤誠一の著書の即売サイン会が行われた。

冷え込みの厳しい日の屋外イベントにもかかわらず、数百人の動員があったようだから、それ自体は何よりのことだと思う。一昔前までは考えられなかったことだ。

がしかし、その運営については極めていい加減かつ無責任なものであったことは記録しておかねばなるまい。結局のところ、ファン層がどんどん広がっているのにメディアや所属プロ、運営の意識が低いままなのだろう。

まず、イベントの会場として選んだ公園の使用許可も取っておらず、開始後すぐに退去を求められた。そして運営はその事情も説明せずに「中止」をツイートした。

おいおい法人が無許可イベントかよ

公園は税金を原資として運営されている公共物だ。私企業が利益を図って使用するには、当然使用許可がいる。会場となった中野区立四季の森公園も、当然ながら法律(都市公園法)や条例(中野区立公園条例第3条)によって、物品の販売等は区長の許可が無い限り禁止されている。

管理者に退去を求められるのは当たり前の話だ。おそらく動員数を過小に見積もったか、許可など取らなくてもいけるだろうと軽く考えていたかのどちらかだろう。個人が短時間ゲリラ販売するのだって問題があるが、法人が無許可使用を企図するなどあっていいことではあるまい。

前々から告知しておいてその程度のこともできない運営が、麻雀業界の専門誌としてほぼ独占状態にあること自体、憂慮すべきことなのだけれど、問題の根深さはむしろその後にある。

麻雀業界ってホントこれ

なんと、道路に移ってイベントを継続し始めたのだ。

道路も当然公共物だから、占用、使用には許可がいる。むしろ公園よりもその規制は厳しい。戦後の闇市じゃあるまいし、そこらの路上で物品を無断販売し始められたら治安などあっという間に悪化する。

福地先生のNoteでも同趣旨だったから、これはもう麻雀業界にこびりついた宿痾のようなものだと思うんだけど、告知してしまった、ファンが大挙押しかけてしまった、だからそのまま違法行為をゼンツする、というのはいかにも麻雀業界らしい。

でもおそらくその発想はもう古い。ちょっとした落ち度で大炎上する社会で、その甘さは致命的だ。イベンターはそこまで覚悟してイベントを打たねばならない時代であって、それを認識していないイベンターは時に致命傷を負う。ポリコレ棒、コンプラ棒でその手の甘さを叩く時、人は情け容赦なく、全く手加減しないでフルスイングするのだ。

だいたいにおいて、Mリーグや各プロ団体は、麻雀業界のコンプラ意識の甘さとかそういうイメージを払拭しようとして必死になってきたのではなかったか。

近藤誠一はおそらく何も知らされていないだろうし、何も知らないのだろう。イベントに招かれるときに会場の使用権限を適法に取得しているかどうかまで調べる義務はない。近藤の人柄からして、善意で(それもとびきりピュアな善意だろう)集まってくれたファンになんとか報いたいと思ってしたことなのだろうと思う。

では近藤は単なる被害者かというとそれは違う。

(ここからは近藤も含めた当事者への批判です。炎上系ノーターやユーチューバーに餌にされるのも本意ではないので、ここからは高額情報商材みたいなものです。もちろん別に買わなくていいです)

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