中国史上最速ユニコーン企業のコーヒーチェーンは、顧客がいるあらゆる場所へコーヒーを届ける | Luckin Cofee

2019年10月10日 08:00

【一言で言うと】アプリ注文でのテイクアウトを前提とした高効率なコーヒーチェーン

基本情報

主に展開する国：中国
設立：2017年
店舗数：2963（2019年第2四半期終了時）
ジャンル：カフェ
売上高： 1億2,526万7000ドル（2018年通期実績）

なにが特徴か

Luckin Coffeeはテイクアウトを主としたスタンド型の店舗を中心に中国全土にフランチャイズを展開するナショナルチェーンであり、中国ではスターバックス最大のライバル企業だと称されている。スターバックスがブランド力を背景としたサービスを展開する中、Luckin Coffeeはコーヒーや紅茶など30種類以上のドリンクを安価な値段で提供し、中国市場で大きくシェアを伸ばすことに成功した。その評価額は中国市場最速で10億ドルを突破しており、今年4月には米国のNasdaqに上場したのに加えて、シンガポールの政府系ファンドから資金提供を受けるなど、グローバル市場進出も視野に入れている状況だ。

Luckin Coffeeは潤沢な資金力を武器にモバイルソリューションの開発に注力し、スマホアプリを活用した高効率なオペレーションを確立している。また、デリバリー対応の店舗も数多く展開しており、テイクアウト同様にスマホアプリから注文を確定すれば、最寄りの店舗からオフィスや自宅など指定の住所まで配達してくれる。

1. 注文から決済まで完結するスマホアプリ

自分の番号のコーヒーをテイクアウト／Photo by thebeijinger

一般的なカフェとは異なり、Luckin Coffeeは店舗での注文を受け付けておらず、利用者は全て専用のスマホアプリを介して注文を行わなければならない。このアプリのメニュー画面から任意の商品を選択し、WeChat PayやAlipayなどの決済方法で支払いを済ませれば、商品の引換券となるQRコードが表示される。表示されたQRコードを店舗内に設置されたリーダーにかざすと、番号札が発行され、利用者はその順に店員から商品を受け取ることができる。このスキームは各店舗におけるオペレーションの負担を軽減するだけでなく、利用者の待ち時間を大幅に短縮することが可能となる。

2. 先進的なデリバリーサービス

「場所にこだわらない」をコンセプトに事業を展開しており、実際の店舗に来店しない顧客層にも上手くリーチしている。このようなデリバリーサービスは、往々にして配達時間が問題となっているが、Luckin Coffeeは30分以内に商品が届かない場合、次回に利用可能なクーポンを提供し、顧客ロイヤルティの維持を試みているようだ。また、Luckin Coffeeは自社アプリを通じて顧客データを収集することが可能となっており、将来的にはAIを活用したマーケティングの実施を見据えているのに加え、既にWeChat上ではLBS（Location Based Service /位置情報サービス）を利用した効果的なプロモーションを実現している。

顧客は持ち帰りか配送かをアプリで選んだ上で注文するため、Luckin Coffee店舗はスターバックスのような広さのものからカウンターのみの狭小店舗まで様々。店舗で顧客にくつろいでもらうことよりも、顧客の位置を特定し、そこにコーヒーを届けることに注力している。

Banner Photo by weibo

参考

Luckin Cofee：https://www.luckincoffee.com/

2Q2019 Earnings Highlights：http://investor.luckincoffee.com/static-files/368b0f27-78fa-4b08-8fa8-9cd4c9c32541

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？

中国史上最速ユニコーン企業のコーヒーチェーンは、顧客がいるあらゆる場所へコーヒーを届ける | Luckin Cofee

基本情報

なにが特徴か

関連ニュース

参考