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ムーンライト バリー・ジェンキンス

舞台はマイアミ、リトルという渾名を付けられた主人公のシャロンは大人しくどこか影のある黒人の少年だった。映画は 1. リトル 2. シャロン 3. ブラックの3部構成になっている。少年期、青年期、成人期と言った所だろう。シャロンは麻薬常習者である母ポーラに育てられる。彼女のシャロンに対する態度は暴力的で躾に厳しく時には身勝手な愛情をふりまくといったものだ。薬物の禁断症状の影響で情緒が不安定になっている母親はその後薬物依存に陥り、薬代に困り売春婦として働くようになる。シャロンはそんな母親に嫌悪感を抱き家を離れる。成長するにつれシャロンは自分がゲイだということを自覚する。青年期のある日の夜、シャロンは小さな頃からの唯一の友達であるケヴィンと一緒にマリファナを吸い、キスをする。その後成人し薬の売人になるり、暫く音信不通だったケヴィンから電話がかかってきて2人は再び出会う。そこで男性はおろか、親密な関係になった人物はケヴィン以来、誰もいなかったことをシャロンはカミングアウトする。そしてケヴィンはシャロンを優しく抱きしめ慰める。以上が大まかなストーリーです。私の感想は下記の通りです。

薬物常習者である母親に育ったシャロンだか、ポーラに嫌悪感を抱くものの、彼女に対する態度は冷めてはいるものの優しかった。黒人が住む地区で黒人しかいない学校に通う。狭いコミュニティで悪いウワサは瞬く間に広まる。その様な環境から抜け出す為に行動するが、結局母親の人生を台無しにた薬物の売人になってしまう。金は入り裕福にはなるが心が満たされないシャロンはアイデンティティを見失ったままだ。そんな時に幼き頃からの唯一の友達であったケヴィンと再開し彼に対する恋心を話した。ケヴィンもそんなシャロンをインクルージョンし傷ついた心にそっと寄り添う。お互いにとっても大切な存在だったのだろうと思う。自己肯定感は他人に認めて貰わないと得られない。自分の事を1人でも認めてくれる人間がいるというのはどんなに心強いものだろう。

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