Copilotに「GPT」を作れる新機能。ChatGPTとどう違う?【徹底比較】
マイクロソフトのAIツール「Copilot」に、自分だけのオリジナルのGPTを作成・公開できる新機能が追加されました。これは、ChatGPTがすでに提供していた機能ですが、どう違うのでしょうか?
今回は、CopilotとChatGPTの「GPT」を比較し、機能面、料金体系、用途など、様々な角度から分析していきます。
また、私自身も「返信メール下書きボット」をCopilotでも作成してみた経験をもとに、実際の使用感についても言及します。
以下のVoicyの放送の自動文字起こしをもとにAI記事化しています。詳しくはVoicyの放送をご確認下さい。
Copilotに「GPT」作成機能が追加
■CopilotがオリジナルGPT作成機能をリリース
マイクロソフトが提供するAIツールであるCopilotが、自分だけのオリジナルのGPTを作成し公開することができる機能をリリースしました。
この機能を利用すると、例えば「返信メール下書きボット」のような、特定の目的に特化したGPTを作ることができます。
【これ1枚でわかる】比較表を作り、ChatGPTとCopilotのそれぞれの「GPT」を比べてみた
以下が、ChatGPTとCopilotの「GPT」の機能や特徴の比較です。
さっそく「返信メール下書きボット」をCopilotで作ってみた
■ChatGPTで愛用している「返信メール下書きボット」
私は普段からChatGPTで「返信メール下書きボット」を作成し、よく利用しています。メールを投げると、それに対する適切な返信メールを提案し、下書きまで書いてくれるという挙動のGPTです。
このCopilot GPT「返信メール下書きボット」へのアクセス https://bing.com/search?gptId=9d3bc692326e4bcfbe4fe82f8b0bd29f&q=Bing+AI&showconv=1… (無料:Microsoftアカウントが必要です)
■Copilotでも同じ「返信メール下書きボット」を作成
今回、Copilotでも全く同じ設定の「返信メール下書きボット」を作ってみました。実際に動かした動画も撮影し、URLを記事に貼り付けていますので、ぜひご覧いただければと思います。
■ChatGPT版とCopilot版の「返信メール下書きボット」の比較
個人的な感覚では、このような返信メールを下書きさせるボットといった単純なものであれば、ChatGPTで作ったGPTでもCopilotで作ったGPTでも、挙動にはほとんど変わりがないように思います。
若干Copilot版の方が執筆内容が簡潔になってしまう印象はありますし、なぜかbotの名前を名乗ってしまうようなお茶目なエラーもありました。
頭の良さという点ではChatGPTの方が少し上回るかもしれません。しかし、それ以外の点では、単純なGPTの挙動としては、特に装飾なくChatGPTに比べても遜色のない動きをしているのではないでしょうか。
CopilotのGPTにはGPTストア機能がない
■CopilotのGPTにはストア機能が現在のところ存在しない
CopilotのGPTには、公式で4種類のGPTがリリースされているのみで、それ以外は自分で作って共有するか、誰かから作ったものを共有してもらうしかありません。つまり、ストア機能は今のところ存在しないのです。
■ChatGPTのGPTストアには300万種類以上のGPTが公開されている
一方、ChatGPTの方にはGPTストアというストア機能が立ち上げられており、世界中のChatGPTユーザーが作った様々なGPTが利用できるようになっています。その数は300万種類以上にも上るそうです。
GPT共有方法の違い:CopilotとChatGPTの比較
■ChatGPTのGPTは一般公開、URL限定公開、自分のみの3つの共有オプションがある
ChatGPTで作成したGPTには、一般公開、URL限定公開、自分のみの3つの共有オプションがあります。つまり、不特定多数に公開することも、特定のURLを知っている人だけに公開することも、自分だけが使うこともできるのです。
■CopilotのGPTはURL限定公開と自分のみの2つの共有オプションのみ
一方、CopilotのGPTにはURL限定公開と自分のみの2つの共有オプションしかありません。不特定多数に公開するオープンなストアのような場は、現時点では用意されていないようです。
機能比較:コードインタープリターとActionsが無い
■CopilotのGPTとChatGPTのGPTに共通する機能
CopilotのGPTもChatGPTのGPTも、「Knowledge、Web検索、画像生成」といった基本的な機能は共通しています。どちらのGPTでも、外付けの知識としてファイルをアップロードして回答生成時に参照させることができますし、Webで検索して回答を生成することも、画像を生成することもできるのです。
■ChatGPTのGPTにはあるがCopilotのGPTにはない機能
一方で、ChatGPTのGPTにはあるのにCopilotのGPTにはない機能もあります。それが、コードインタープリターとActionsという機能です。
コードインタープリターは、ChatGPTに命令するとPythonでコーディングをして実行してくれる高度な処理ができる機能です。
Actionsは、ChatGPT以外の機能を利用して、例えばGmailやGoogleカレンダー、Excelなどの外部アプリケーションと連携して回答を生成する機能です。これらはCopilotのGPTにはありません。
■機能面ではChatGPTのGPTの方ができることが多い
以上の点から、ChatGPTのGPTの方が、できることは多いと言えます。
例えば、私がよく使っているZapierというGmailを含む5000種類以上のアプリとの連携を仲介してくれるサービスとの連携も、ChatGPTのGPTではできますがCopilotのGPTではできません。
このように、現状ではChatGPTのGPTの方が機能面では優れているという印象を受けます。
料金体系の違い
■ChatGPTのGPTは作成も利用も有料プランが必要
ChatGPTのGPTを作成するためにも、利用するためにも、ChatGPT+の20ドルの有料プランに加入しなければなりません。有料アカウントを持っていないと、GPTストアにあるGPTを使うこともできないのです。
■CopilotのGPTは作成には有料プランが必要だが、利用は無料アカウントでも可能
一方、CopilotのGPTは、利用する側は無料アカウントでも問題ありません。ただし、Microsoftアカウントを無料で作成する必要はあります。しかし、自分のカスタムGPTを作る側としては、Copilotプロという個人向けの有料プランに加入しなければなりません。この料金は月額3200円となっています。
■CopilotのGPTは無料ユーザーも利用できる点が大きな特徴
つまり、利用者の立場から見ると、CopilotのGPTは無料で開放されているというのが大きな特徴だと言えます。これはChatGPTのGPTにはなかった点です。作成者側は有料プランに加入する必要がありますが、利用者は無料で使えるというのは、CopilotのGPTの大きなアドバンテージだと考えられます。
Copilotで作れるのは簡単なGPTに限る
■CopilotのGPTでできるのは、プロンプトで可能な命令文だけで実現できる文章生成や画像生成が中心
CopilotのGPTでできるのは、単純なプロンプトや命令文だけで可能な文章生成や、画像生成を少しカスタマイズする程度のことになってしまいます。これでは、わざわざGPTを作るメリットがあまりないように感じられます。ChatGPTのGPTでは、外部連携もできるし、コードインタープリターを使ってPythonを実行することもできるので、ファイル変換からデータ分析まで高度なGPTを作ることができます。しかし、CopilotのGPTではそれらの機能がないため、できることが大きく制限されているのです。
CopilotのGPTは今後、広がっていくか?
■現状ではCopilotのGPTの広がりは難しいかもしれない
現時点では、CopilotのGPTが広く普及していくのは難しいのではないかと私は考えています。
その理由は、ChatGPTのGPTストアには300万種類以上ものGPTが公開されており、GPTを使おうと思えばGPTストアに行くのが一般的だからです。
また、自分でGPTを作る場合でも、ChatGPTの方が機能が豊富なので、多くの人はChatGPTでGPTを作ることを選ぶでしょう。
■作り手側にとってもCopilotのGPTを作るメリットはあまりない
GPTを作る側となった時、様々な機能を使えた方が便利です。コードインタープリターやActionsがあれば、より高度なGPTを作ることができます。
しかし、CopilotのGPTにはそれらの機能がないため、作り手側にとってもCopilotでGPTを作るメリットは限定的だと言えます。
■無料ユーザーも利用できる点はCopilotの大きな利点
ただし、CopilotのGPTが無料ユーザーにも開放されているという点は大きな利点です。ChatGPTのGPTは有料プランに加入している人しか使えませんでしたが、Copilotなら無料ユーザーにも使ってもらえます。
この点は、より多くの人にGPTを紹介しやすいというメリットがあります。例えば、「返信メール下書きボット」のようなGPTを作った場合、ChatGPTでは有料ユーザーにしか使ってもらえませんが、Copilotなら無料ユーザーにも使ってもらえるのです。
そういった形でChatGPTとCopilotの両方でGPTを作る人も出てくるかもしれません。
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