見出し画像

X JAPANのHEATHさんのお別れ会に行った

0 注意書き

ものすごく長いし、とても読みにくいです。しかし、HEATHさんやX JAPANへの想いは溢れるばかりで、これでもかなり抑えたほうです。
これは自分の好きなアーティストが亡くなったファンのリアルな嘆きや悲しみ、想いです。
誰しもいつかはこういう日が訪れるのです。

1 はじめに

X JAPANのベーシスト、HEATHさんが令和5年10月29日に大腸がんのため亡くなった。11月28日にお別れ会が開催されることになり、X JAPANのファンとしてお別れ会(HEATH お別れ会-献花式 HEATH Farewell & Flower Offering Ceremony)に行ってきた。

HEATH お別れ会-献花式 HEATH Farewell & Flower Offering Ceremony at Spotify O-EAST

HEATHさんが亡くなったと一部報道で見たとき、最初は一切信じられなかった。HEATHさんはSNSもやらず、私生活も謎に包まれているため、何かの間違いだと本気で思っていた。しかしその後HEATHさんが亡くなったとの公式発表があり、それは現実となってしまった。

2 X JAPANとは

僕は高校生のときにX JAPANに出会い、もう10年以上ファンをやっている。X JAPANには「ENDLESS RAIN」や「Forever Love」といった美しいバラード曲があるが、その一方で「紅」や「Silent Jealousy」といったヘヴィメタルやスラッシュメタル等の派手で凶暴で激しい楽曲もある。しかし、どんなに派手で凶暴で激しい楽曲もノリと勢いだけで押し通すのではなく、メロディアスで繊細な面もあるのがX JAPANの楽曲の特徴で、とても不思議な感覚を覚えるとともに、ロックを聴いているのにまるでクラシック音楽を聴いているかのように錯覚に陥る。
また、ドラムのYOSHIKIさんのカリスマ性やギターのHIDEさんのセンス、ヴォーカルのToshlさんのハイトーンヴォイス、ギターのPATAさんの速弾き、再結成後に加入したギターのSUGIZOさんのテクニック等メンバー個人にも特徴があるが、バンド自体のストーリーにもとても惹かれるものがある。
結局のところ、楽曲だけでなくバンドの存在そのものが一言では言い表せない、唯一無二のバンドだ。
X JAPANの大半の楽曲はもう25年以上前の曲だが、今聴いてもまったく古臭さを感じないし、今後何十年、何百年と聴かれるクラシックのような楽曲だと思っている。

3 HEATHさんとは

ベースのHEATHさんは寡黙で堅実な演奏が特徴的だった。ドラムのYOSHIKIさんやギターのHIDEさんといったほかのメンバーと比べて決して目立つような存在ではなかったが、まさにベースのように力強くバンドを支える役割を果たしていた。ギターのPATAさんと共に下手側でどしんと構えて演奏をしていたからほかのメンバーが暴れることができたのだ。HEATHさんのソロコーナーやソロ活動では彼独自の世界観が表現されていたが、バンドでは自分の求められている役割に徹するベーシストだった。
なお、HEATHさんのソロ楽曲で最も有名なのは名探偵コナンのエンディングテーマになった「迷宮のラヴァーズ」だろう。ベースの重低音とHEATHさんの低音ヴォイスが目立つロックナンバーで、ダークで不思議な世界観が表現されていてとてもかっこいい。

HEATHさんは1992年に途中加入し、前任のテクニカルで派手なTAIJIさんと比較されて大変だったと思うが、そのテクニカルなフレーズを受け継ぎつつ自分の色も出して演奏していたのは、やはりX JAPANのメンバーが選んだだけの実力があるのだ。それに、初めてのライブが東京ドームで初めてのテレビ出演が紅白歌合戦だなんて並大抵の人ではこなせない。それをクールにやってのけたHEATHさんの図太いメンタル面もメンバーが選んだ一因に違いない。
個人的にX JAPANでHEATHさんのテクニックやセンスが遺憾なく発揮されたと思う楽曲は「SCARS」だと思う。これはHIDEさん作曲の、いい意味でX JAPANらしくないダークで怪しい雰囲気のあるロックンロールナンバーで、HEATHさんは指弾き・ピック弾き・スラップの3つの奏法を平然と使いこなし、ベースソロまである。昔はベースにあまり注目していなかったが、今ではいかにこの曲のベースがクールでかっこいいかがよくわかる。

また、HEATHさんはスタイルがよく、顔はとても美形で、声も低くて渋い。55歳で亡くなったが、何年経っても年齢を感じさせない容姿を維持してして、ヴィジュアル系バンドの元祖と言われているX JAPANのヴィジュアル面にも大きく貢献していた。
そして、2018年から様々な事情により活動が停滞していたX JAPANにおいて、公の場でライブがしたいと何度も発言し、毎日ベースの練習を欠かさないなど、誰よりもバンドの活動再開を願う、ファン想いの真面目で心優しいベーシストだった。そんな中で今年の6月に進行中の大腸がんが見つかり、10月に急遽亡くなってしまったHEATHさんは本当に無念だったと思う。
なお、X JAPANは1998年にHIDEさんが、2011年にTAIJIさんが亡くなっており、主要なメンバーが若くして亡くなるのはこれで3人目という悲劇的なバンドである。遺されたX JAPANのメンバーのことを考えると本当に胸が痛くなる。

お別れ会で飾られていたHEATHさんの写真

4 HEATHさんの献花式

献花式では、X JAPANのライブでステージに座りながら優しい眼差しを向けるHEATHさんの大きな遺影が中央に置かれ、その左右にHEATHさんのベースが5本ずつ、合計10本置かれていた。参列者は祭壇の前で一列に並んでいたが、ちょうど僕は遺影の目の前にいたので、HEATHさんの下に薔薇の花を献花した。彼の遺影とベースを見渡しながら、これまでの感謝を伝えた。ベースの1本1本がHEATHさんの戦友であり、HEATHさんの魂が宿っており、HEATHさんそのものなのだ。僕はこの目にHEATHさんとベースを目に焼き付けようと、最後まで下を向かずに祭壇を後にした。

HEATHさんの遺影として飾られていた写真

HEATHさんが亡くなったと報道があったときには本当に残念で悲しかったけど、HEATHさんの目の前で直接(ではないけれども)感謝を伝えることができ、これでようやく自分の中で現実を受け入れることができたと思う。
献花式にはたくさんの人が来ていた。喪服の人、黒い服の人、X JAPANのライブTシャツの人、(おそらく手作りの)「I LOVE HEATH」と書かれたTシャツの人、普段着の人。声を上げて泣いている人、静かに泣いている人、ただただうつむいている人、神妙な面持ちの人、笑顔で送り出そうとしている人。様々な人たちがいて、この人たちみんながHEATHさんを想い、それぞれにHEATHさんやX JAPANとの思い出があるのだろうと思うと胸が熱くなった。

5 HEATHさんへ

HEATHさんは亡くなってしまった。もうこの世にはいない。この事実は一生変わることはない。しかし、彼の残した音楽は永遠で、この先も決して失われることはない。彼の残した素晴らしい音楽を聴き続け、後世に伝えていくことが、音楽家のHEATHさんに対してするべき弔い、そして恩返しなのではないかと思う。いつか開催されるであろうHEATHさんの追悼コンサートにも必ず行こうと思う。

真面目で寡黙で心優しい偉大なベーシストのHEATHさん、今まで素晴らしい演奏や楽曲を聴かせてくださり本当にありがとうございました。
どうか安らかに、そして天国にいるギターのHIDEさんやベースのTAIJIさんと仲良くセッションしていつまでも音楽を楽しんでください。僕もまだまだ頑張ります。

#HEATH
#XJAPAN
#ベース
#ベーシスト
#HEATH献花式
#HEATHお別れ会
#献花式
#お別れ会
#restinpeace

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?