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1500円で耳掃除してもらった話

1500円。

ランチにしては高いけど飲みに行くなら足りない(都内勤務私基準)そんな金額。

普段ならそんな大枚はたいて耳掃除はしない。
そう、絶対に。

私はランチは弁当派だ。

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そもそもなんでこんなことになったかお話しよう。
私はお風呂上りの耳掃除が大好きだ。
お風呂上りにさっぱりキレイになった状態で綿棒で耳を多少強めにゴリゴリゴリ。
はあん、気持ちええ。

もう、ぶっちゃっけ週4くらいでゴリゴリしてた。
だって気持ちいいんだもん。
しかも一応、取れるから<ああ、こんな頻度で掃除してるのに汚れって溜まるんだな。これは、、週4で掃除してキレイを保たないと>なんて思ってた。

そしてそんなあるときそれは唐突にいきなり急にやってきた。
この日も私はゴリゴリゴリ。気持ちええ。

至福を味わった後に綿棒を耳から出すと…
こう、、なんだ。
耳に水が入ったような聞こえの悪さ。
右耳のみが聞こえにくいのだ。

お風呂上りだったし、水でも入ったか?
そう思ってプールで水が入ったときのように右耳を下にして頭を揺らしてみる。
.…無。である。
相変わらず右耳は聞こえにくい。

水分なら!
そう思って綿棒をもう1度、突っ込んでみる。
無駄だった。
しかも、こんな時に限って真っ白のまま耳からかえってきた綿棒を眺めてなんだかバカにされているような気持ちになる。

悩んだ末、楽観的な私は、その日、右耳を下にして寝ることにした。
水が入ったなら一晩も下にしておけば、水分も落ちてくるだろう、と。
軽~く思った。
そう、わたしは能天気なのだ。

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翌朝

朝、起きると、なんか聞こえが良くなった気がした。
寝てる間に水分落ちたな。良かった、良かった。
そう、思った。…のだが、違った。

朝、YouTubeをみながらメイクをするのだが明らかに聞こえない。
右耳が。
そして仕事に行くと今度は人との会話が難しい。
通常のボリュームで話してくれてる会社の人たちの声が聞き取りずらいのだ。
たしかに私も若くはない。
耳が聞こえにくくなることもあるかもしれない。
でも、綿棒で耳掃除をしてから明らかに聞こえがわるくなったわけであり老化であるとは考えにくい。
いや、単純にそうは思いたくない。

その日のお昼にスマホで調べてみた。

『耳 聞こえにくい 急に』

『耳掃除 綿棒 詰まった感じ』

色々と検索をかけるとどうやら綿棒で奥底まで突いてると耳垢が奥につまってしまい耳アカが壁になり耳が聞こえにくくなる、という症状が存在するらしい。

その名も 耳垢栓塞

これだ、きっとこれに違いない。

まず、綿棒で奥まで耳掃除をすることが良くないらしい。

とういかサイトによっては耳掃除はしなくても自動で外にゴミが出てくるものだから、したかったら1カ月に1度程度を竹で出来た耳かきで手前のみ優しくすればいいですよ。的なことが書いてあるではないか。

私はお風呂上がりの気持ちよさと引き換えにせっせと耳垢を奥に押し込み、鼓膜を塞ぐ壁を作っていたということになる。

ああ、なんてバカなんだろう。

そんなバカな私は壁が出来てるならとりあえず竹の耳かきで壁を破壊出来ないか試みることにした。
耳垢がつまって聞こえが悪いから病院へ行く。というのは何だか恥ずかしかったし百円で解決できるならそれにこしたことはないと思ったのである。
そう、綿棒がいけなかったのだろうと。
耳かきなら、上手くいけば壁を破壊出来るかもしれない。
そう思った私は帰りに百均によってみる事にした。

自宅最寄りのやや小さめな百均。
小さめではあるが『耳かき』が売っていないわけがない。
そう信じて店内を探すとあった。
ステンレスの耳かきが。
何だか冷たそうだな。なんて思ったけれど背に腹はかえられない。
これしかないのだ。


私は今日1日で一体何度なに言ってるか分からないから笑ってごまかしただろう。
会社の人にアホだと思われたに違いない。
このままではアホが定着してしまう。

ステンレスの耳かきを購入して帰宅した。

私は綿棒で結構奥まで攻めていた自負があった。
だからこそ、詰まってしまったのだろうと。
早速、挑戦してみる。
ステンレスの耳かき片手にゆっくりゆっくり耳の奥へと。

ところがどうだろう。
奥まで攻めたぜ!と思っても全く壁にたどり着く気配がない。
これ以上の奥は未知の世界だ。

…辞めよう。
おとなしく耳鼻科へ行こう。
綿棒で耳かきをして壁が出来てしまいそれを解決するためにステンレスの耳かきを購入し、奥の奥まで攻めて耳を傷める。
完全に恥の上乗りである。

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翌日、私は大人しく耳鼻科へ行った。
問診表を渡され、正直に記載した。
『週4で綿棒で耳掃除をしていました。3日前の耳掃除の後から右耳に水が入ったような感じがして聞こえが悪い』とありのままを記載した。

そしていざ、お医者さんに診てもらうこととなり簡単に状態を説明して耳にカメラを入れられる。

このカメラは目の前のモニターに接続され、お医者さんはもちろん看護婦さんにも耳中をバッチリ見られる仕様である。
耳の中の状態をクリアに拝むこととなった。
そう、耳中にそびえる分厚い耳垢の壁を。

お医者さんは、なんか半笑いで言った。

「耳アカがつまってますねえ」と。

そして、耳中に機械を挿入され、私の耳あかはキレイさっぱりとれて耳聞こえはクリアになった。

ものの3分。

機械は耳あかを吸い取るような感じで最中は何故か若干の痛みは感じたものの聞こえが良くなったことに引き換えると安いものだと感じた。

お風呂上りの至福ゴリゴリと引き換えに私が失ったものは耳が聞こえにくい3日間の不便さと1500円+ステンレスの耳かき110円の1610円也

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