「グランパスと自分」の話だから、ちょっと長くなる。
名古屋で育ったので、地元のJリーグチームとして小さい頃から認識はしていた。
ただ、野球少年だったのであまり興味はなかった。
地元のチームだから、という理由でなんとなく結果だけ気にしていた。
初めてリーグ優勝した年も熱心に試合を観たりはしていなかった。

興味を持つきっかけは残留争いだった。
にわかファンとして、リーグ優勝や天皇杯優勝の経験があるのは知っていた。
だけどそんなに強いチームのイメージはなかったので、当時の自分にとっては「オリジナル10として降格経験なし」の方に心の拠り所があった気がする。

2016年終盤、残留争いの磐田戦を豊田スタジアムに観に行った。
たしか、勝ちがほしい状況で引き分けた。調べればちゃんとわかるけど面倒なので記憶を頼りに書く。
シモビッチがPKを決めていた気がする。
最終節までもつれたけど、おそらく皆さんがご存知のとおり、グランパスは降格した。

翌年J2を観に行くほどの熱はまだなかった。今となれば行っておけば良かったな、とは思う。
けどその機会は二度と訪れなくていいとも思う。

ハマったのは2018年。
観戦には3回行って、3回とも覚えている。

1回目は予定していたわけではなく、ふらっと観に行った。
当時お付き合いしていた人と予定のないデートをしていて、ドライブ中に思いつきで観戦することになった。
前半0-2で、残念だね、みたいな話をしながら観ていた。
後半になって、ジョーがハットトリックを決めて3-2で勝った。
観に来て良かったな、途中で帰らなくて良かったな、と思った。

2回目は昔からグランパスが好きな友達が観戦に誘ってくれた。ゴール裏だった。
チャントは一曲も知らなかったし、シャツも持っていなかったから少し怖かった。
友達がオーマンのシャツを貸してくれた。
なぜオーマン？と思いながらもありがたく着た。
話が逸れるけど、中日の李炳圭(イ・ビョンギュ)が大好きだった友達なので、助っ人外国人を見る目が変だったのかもしれない(読んでいたらごめんよ)。
初めてのゴール裏はすごく楽しかった。
歌詞を間違えながら大声でチャントを歌った。
試合はたぶん4-1くらいで勝ったと思う。
またゴール裏でこの熱を感じたいと思った。

3回目、すっかりサッカー観戦にハマったので、今度は自分が人を誘うことにした。
最終節だからと理由をつけて会社の同期を誘って、瑞穂スタジアムの湘南戦を観に行った。
流石にゴール裏には誘えなかったから、C自由席で観戦した。
グランパスが好きな人は知っていると思うけど、凄い展開だった。
試合終了直後の沈んだ雰囲気から、グラデーションのように歓声が広がっていった景色は今でも忘れない。
同期の目も憚らずに泣いた。泣いて、笑った。
湘南の選手たちにも力いっぱい拍手した。
グランパスの選手にはさらにその倍の力で拍手した。

こうしてサッカー観戦にドハマりして、2019年から2021年くらいまではひたすらスタジアムに通った。
ゴール裏で声が枯れるくらい叫んで、次の日の仕事に影響が出たりもした。
仕事の部署異動の関係であまり行けなくなって、一時期ほどの熱はなくなったけど、今でも年に何回かは豊田スタジアムへ行く。
たぶんこれからもそんなテンションで応援を続ける。
熱を持って応援していた時期も楽しかったし、今の応援スタイルもこれはこれで楽しい。
この辺はまた別の機会に書こうかな。

あと、グランパスで今ホットな話題というと、前田直輝の移籍のことかな、と思うので少し書く。
思い入れのある、好きな選手だったのでショックはあるけど、仕方ないのかな、と言う気持ちが強い。
あまり怒りとかがないのは、事情が推察できるからかもしれないし、自分の熱が一時期ほどのレベルにないからかもしれない。
行き先が行き先なので、今後も応援とまではいかないけど。
豊スタでゴールをよく決めてくれたし、この記事の写真にも使ったルヴァンカップ優勝にも貢献してくれた。
思うところは人それぞれだろうけど、自分がいちばん熱を入れて応援していた時期に活躍してくれた選手の一人だから、感謝の気持ちで送り出したい。