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かなり知られていないVOCALOID文化

「音楽はジャンルで聴く」という方は多いと思うけれど「VOCALOIDを聴く」というのは少し特殊だなぁ。

まず初めに言っておきたいのは、ぼくはJ-POPも洋楽もVOCALOIDも特定のジャンルも、それらを批判するつもりは全くない。純粋な音楽好きである。またこの記事は問題提起でもなんでもない。結論は最後に置いてきた。

選別される音楽たち

J-POPというのはひとくくりかな?広義で言えば「日本で生まれた音楽」となるのだろうか。厳密に調べれば、あるいは有識者が語ればもっと狭義になるかもしれない。

ただ、曖昧ではありそう。また、作者が「これはJ-POPだ」と言えばそれは誰がなんと言おうとJ-POPである、とぼくは認識している。生みの親で全ての権利を持っているのは作者なのだから、そこに口を出すのはナンセンスだ、とぼくは思う。関係者など絡むと話は変わってくるが。と、これは余談。

「VOCALOID」というジャンルは、あるようで、ない?

VOCALOIDを使った楽曲はほぼ毎日リリースされている。サブスクやCDとなると限られるかもしれないが、ニコニコ動画、YouTubeなどへの投稿数は凄まじいものだ。

そして、いわゆる「ジャンル」がとても幅広く、縮図だ。ロック、ポップ、ジャズ、HIPHOP、EDM…全てぐらい、網羅してるのではないだろうか。

ここにおもしろい意味での矛盾を感じる。

サブスク配信などで公式情報を入力する際は「VOCALOID」という選択肢がないのだ。そのため、作者は「ロック」「ヒップホップ」などのジャンルを任意で選択する必要がある。

もちろん、それが悪いことではない。ただ、もし「VOCALOID」というジャンルがその選択肢に入っていたら…おそらくそこを選択するのではないだろうか。いや、迷うな。難しいけれど。でも間違いなく「迷う」という段階には入る。

ハードリスナーでさえ認知していない文化

ここで少し伝えたいことがある。ぼくはずっとバンドやクラブで、現場で演奏してきた。その頃にお世話になった人たちと先日会ってきて、今自分がボカロPとして活動していることを伝え、曲を聴いてもらった。

とても高評価を頂いて、これからリアルでもボカロを使って何かしたり、ボカロ以外でもビートメイカー活動を再開しようと思っている。

高評価を頂いたのは、単純に曲の良し悪しだけはなく、ボカロに対する驚きもあったようだ。

その方たちは、かなり顔の広いイベンター、DJたち。そして音楽をこよなく愛している人たち。古きも良きも吸収し、日々新しい音を取り入れて、自らも発信している。趣味を超えているし、本業の方も多数。

そんな人たちでさえ「VOCALOIDは初音ミクの高音」のイメージで止まっていた。これだけVOCALOID(広義。他の合成音声も含む)が肉声に近づいている現状を知らないのだ。いや、知らないのではない、クリエイターとしては「届けれていない」のほうが適切な表現かもしれない。

※「初音ミクの高音」へのディスではない。その方たちも嫌味で言っているわけではない。

そしてこの人たちは、音楽に対しての偏見は全くない。アイドルをプロデュースしたり、次の日にはクラシックな音楽をDJプレイしたりする人たちだ。そのような人たちにでさえ、VOCALOIDの文化は届いていない。その方々の実績などを書くと身バレするので省略。

ジャンルレスビートでボカロを使う理由のひとつ

もちろん、世界中の人に聴かせることは不可能だ。でも、ニコニコ動画やYouTubeでの大盛り上がりは、音楽オタク、プロにも届いていないという現実からも目を背けてはいけない、とぼく個人の音楽活動では感じた(繰り返す、超個人的意見)

ぼくは、ボカロもジャンルも、全部取っ払いたいと思っている。これの良し悪しのジャッジはぼく自身でするので、来年には変わっているかもしれないけれど、ここしばらくはそんなことを考えている。

(ちなみに「全部取っ払いたい」というのも「自分の音楽では」だ。人様の考えや世界を動かすなんてことはできないし、そんなことする意味はない。あくまでも個人の制作に対するスタンス。そして"今は"その時期だ、ということも付け加える)

無理強いなく音楽を届けるにはどうすれば良いか

身近な人にボカロ曲を届けることって、とても大切なんじゃないかなと思う。サブスク配信をしているのも、その活動の一環だ。音楽をどのプラットフォームで聴くか…それこそ人によるから、どんな環境でも聴けるように整備しておきたい。そうなるとCD…いや、これはもう少し先。

世の中には、聴く音楽が溢れている。世界中でリリースされる新曲、まだ知らない過去の曲、友達の曲、身近な人の曲、おすすめされた曲、偶然流れてきた気に入った音など。音楽を作って動画サイトに投稿するだけでは届かない。とんでもなく大きな「ボカコレ」という"イベント"でさえ、最前線で音楽を掘ってる人たちに届いていない、という現実を目の当たりにした。

もちろん、音楽の好みは人それぞれだ。だから「VOCALOID最高!今きてるから絶対聴いて!」というセールスは"ぼくには"できない。

地道な活動でカルチャーを広めたい

ただ「VOCALOID」「ニコニコ動画」という文化、とてもおもしろいということだけは、せめて受け入れてくれそうな、先日会った方々には伝えていきたいなと思う。

今の時代、サブカルがメインに上がってくるスピードがとても速い。それがゆえ、メインカルチャーがとても多く、もはや把握できていないメインカルチャーばかりで、何がサブカルかもわからない。

その中で、VOCALOIDという盛り上がってるシーンがあるということ、そして極上の音楽が埋もれている、いうことを知ってもらいたい。余計なお世話だと思う人もいるかもしれないので、しつこく何度も言うが、個人的な音楽活動に限っての話である! ><

以上、引きこもりDTMerが一歩外へ出るための施策をお読み頂きありがとうございました。

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