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歯がゆい日

元旦の午後、妻と一緒に妻の実家へと向かうために常磐道を進んでいた午後、緊急放送が入ってきた。能登半島で大きな地震が起きて大津波警報が出ているという。
鳴り止まないラジオのアラーム、緊迫した声のアナウンサー…。否が応でも13年前の東日本大震災を思い出してしまった。
私の実家は仙台市内の山の方にあったため、津波の被害は免れたものの、何週間もライフラインが止まってしまい、不自由な生活を余儀なくされた。
少しずつ日常生活が戻っていく中、様々な方からの支援や温かいメッセージが大きな力になった。

あのとき助けて下さった方のように、自分も困っている人の力になりたい!と思うものの、私は災害の専門家でもなければ、芸能人でもないため、いきなり大きなことを成し遂げることは難しい。

震災当時のことを思い出してみると、被災地を思う温かなメッセージや特番なども力になったが、その合間に聞こえてくるクスッと笑えるバラエティ番組や、いつもの放送などを見ていると、なんとも言えない安心感が生まれたことを覚えている。

「ああ、壊れていない世界が、まだあるんだなあ」

そんなことを思った気がした。

今は特別な行動を起こすことが難しかったとしても、社会の一員として変わらない日常を過ごしていくことも、困っている誰かの力になるのではないかと思うことにした。
状況が変わってくれば、勤め人として、ミュージシャンとして、宮城県民として何ができることがあるかもしれない。そのときに行動を起こせるよう、準備だけは進めていきたい。

能登半島地震で被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。

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