見出し画像

Interview : Creamcan. in July 2021.

ロックというカルチャーが体現する価値観は時代によって変わりまた新たな視点へと広がっているように見えます。反体制であったり内省的であったり開放的であったり。多様な在り方の中から自分の心境を鏡のように映し出すバンドや曲とライフスタイルに出会えた時の感動と衝撃は、人生の方向を指し示すくらいの力があると筆者は思います。


Nirvanaのハート・シェイプド・ボックスの下に記したフックのワンライン。

Hey
Wait
I got a new complaint

この曲を好きな方。まだ聴いていない方。和歌山のギターボーカル&ドラムの2ピースロックバンド"Creamcan."はご存じでしょうか。

叫び歌うリリックの内容は悪夢にうなされている状況だったり後悔に途方に暮れている光景だったりと鬱々とした詩情が漂います。が、血管がちぎれるような爆音のギターリフとビートで圧倒するロックサウンドや実験精神溢れるレコーディングワークからは音楽に没頭する退廃的なカタルシスというよりも、創作を続け楽しく暮らしを歩むためのピュアでポジティブなエネルギーが満ちています。

混乱極まる社会の中で、好きなことにまっすぐな二人からいただいた音楽愛溢れるテキストをどうぞ!

▽初めまして。新宿ナインスパイスの佐藤です。本日はよろしくお願いいたします。来る7/23、新宿ナインスパイスでのリリースパーティーとても楽しみにしています!まず初めにそれぞれの自己紹介をお願いします。

ギターボーカルの竹中寛知(たけなかともち:写真右・以下、竹中)です。

画像1

ドラムの飯塚千明(いいづかちあき:写真左・以下、飯塚)です。よろしくお願いします!

▽Creamcan.はギターボーカルとドラムの2ピースバンドということもあり、お二人ともがフロントマンとしての強烈な存在感を放っていると感じています。また楽器や歌のプレイスタイル・ギターリフやドラムのフレージングについても、フラストレーションを爆発させるような荒々しさと耳にこびりつくキラーフレーズという共通した個性をお持ちだと感じました。

こんなにも同じ方向のアティテュードをもったメンバーがバンドを組んでいるということは、大げさかもしれませんが運命的な出会いだなと思います。お二人が知り合われたいきさつを教えて頂きたいです。

竹中:
高校の同期として出会いました。その学校が舞台芸術を勉強できる専門学校みたいなかんじで、音響やイベント運営の勉強をしていく中で親しくなりました。16歳くらいの時から作曲をしだして、音楽の授業で千明ちゃんがドラムを叩いてるのを見て、とにかくキックの威力が凄まじかったので一緒にオリジナルの曲をやってもらおうと思いバンドに誘いました。前身のバンドはギター・ドラム・ベース・パーカッションのインストゥルメンタルで、卒業後にギターとドラムの2ピースとなりCreamcan.になりました。

▽みなさんのレコーディング作品は2ピースという最小編成でありながらギターを何本も重ねたり色んな楽器を使ったり音響処理が凝っていたりと、とても緻密にアレンジワークが施されていて聴いていてとても楽しいです。バンドを始める前からなにか他の楽器も経験されているのかなと感じたのですが、お二人がギター・ドラムに興味を持ち演奏するようになったのはどういったきっかけがあったのでしょうか?

竹中:
僕は14歳の時になんとなくNirvanaのAll Apologiesを弾けるようになりたくて、妹のアコースティックギターを借りて練習し始めたのが1番最初です。それから中古でレスポールタイプのギターを買って、ひたすら好きな曲をコピーしていました。Nirvanaの影響だと思います。

飯塚:
曲のミックスに注目していただけてすごく嬉しいです。楽器に関しては私は幼い頃からエレクトーンを習っていました。中学校位からバンドをしてみたくてギターを買ったのですが、高校の授業で初めてドラムを触って、バスドラムとスネアの爆発的な生音に衝撃を受けてこれだ!!!ってなってギターは二の次になってしまいました笑

でもギターも大好きなので、細々と自分の好きなエフェクターを集めて家で鳴らしたりしています。

画像2

僕はCreamcan.の楽曲で特に"Dissolved"が好きです(3rdフルアルバム "MOUNTAINY"収録)。哀しくて途方に暮れるような雰囲気が漂うバラードで、冒頭で歌われるラインの「There is no reason for me to be here」を聴くともう昔には戻れないんだよなーと切ない感情が湧いてきます。

他のノイジーでシャウトする爆発的な楽曲にもやはり詩情が溢れていて歌詞カードを読みながら聴くのが楽しいです。このような作品を生み出すお二人にインスピレーションを与えたものがとても気になっています。お好きなバンドやアートについてそれぞれ紹介いただけますと嬉しいです(笑)

竹中:
一番に影響を受けたアーティストはBeckです。母がBeckの大ファンで、小さい時からずっと聴かせてもらってたのが大きいです。1つのジャンルに囚われずに色んな音楽をバラバラにしてミックスし新しい曲を作るCreamcan.のスタイルもBeckを意識しています。

去年リリースした”Mountainy”の楽曲はノイズやドローン、アンビエント等の前衛的な音楽に強くインスピレーションを受けています。今年の6月にリリースしたミニアルバム”Obscure But Loud, I’m Beyond Description”ではドラムンベース、ブレイクビーツを取り入れたりしてみてます。

▼ミニアルバム収録曲 : Suits▼

飯塚:
私はBlurやRadioheadが好きで、The Cardigans や Russian Red も大好きです。よく自分が気に入った曲を見つけた時はすぐにともち君に共有します。お互いの好みのサウンドや曲調がなんとなくわかるのでおすすめを探して聴かせあったりして、それが次に作る曲のイメージを揃えていくためのミーティング的なのになったりするときも、ある気がします。

私個人が今ハマっているバンドはCrumbPeach Pitで、 好きな漫画は平庫ワカ先生の「マイブロークンマリコ」と、こうの史代先生の「この世界の片隅に」で、好きなイラストレーターさんは「Little Thunder」さんです。

▽僕はお二人のホームである和歌山にはまだ訪れたことがないのですが、大阪や京都には観光や友人に会いにいったり自分が所属するバンドでライブをしに行ったりと関西のバンドシーンにはすごく刺激を受けていて大好きな土地です。和歌山のライブハウスやバンドについてぜひご紹介頂きたいです。

竹中:
Live Space Momentsという和歌山市内にあるライブハウスがCreamcan.のホームグラウンド的な場所です。パワフルながらも原音重視でアコースティックな鳴りが綺麗なライブハウスで、録音や企画イベント、PV撮影でもお世話になっています。音がいいです。

バンドではDRAW INTO DISORDERという3ピースがいます。

かなりヘヴィーなオルタナティヴ・ロックをするバンドで、ギャンギャン鳴るギターに哀愁のあるメロディーが乗ったりして、泥臭いある意味和歌山っぽい感じだと思います。

和歌山は大阪や京都ほどバンドが多くないので、県外で知り合ったバンドを和歌山に呼んで企画ライブをしたりすることが多いです。シーンみたいなものは多分無いのでちょっと寂しいですが、和歌山行きたいと言ってくれる県外のバンドがたくさんいるので、それは嬉しいです。

201004難波14-2

▽今日のインタビューを読んでいただいた方にぜひ7/23のリリースパーティーに足を運んでいただけたらなと思います。最後に読者の皆様にメッセージをお願いいたします。

竹中:
ありがとうございました。よければ観に来てください。

飯塚:
たくさんの人にCreamcan.を知っていただけると嬉しいです!

東京の皆様7/23にお会いできるの楽しみにしています!ライブ精一杯がんばります!

画像4

▼SHOW INFORMATION

▼Mountainy

▼Obscure But Loud, I’m Beyond Description

▼Twitter

▼instagram

▼HP


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?