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「写真と実物にはギャップが存在するものである」~奄美大島ボランティア①~


はじめに


「町おこし ボランティア」

経営者や起業家のドキュメンタリー番組のガイアの夜明けというテレビ番組をみていたり、学生時代に様々な社長にであってきて、自分の想いから仕事をする起業家がかっこいいと思っていた。

金持ちになりたいというより、町おこしや子ども貧困などの問題を解決している起業家にあこがれた。

子どもの貧困ボランティアをやっていたのもあり、次は町おこしをやりたく、そのようにググった。


数ある中で奄美大島で10日間10人で共同生活し、農業ボランティアをするというものが目に留まり、応募した。
参加費用が4万+航空券代であったが、奄美大島ってきいたことがあるし、温かい地域で、島に行ったことがなかったのでそこ一択だった。


行く前までに奄美大島で彼が知っていたことは以下である

・なんか有名な島

以上。


鹿児島であることすら知らなかったが、彼は応募した。

彼の意思決定に金額、場所などそんなものは関係ない。

ワクワクしたらやる。


出発前




奄美大島のボランティアに参加する前に書類を記入しなければいけなかった。
このボランティア口頭での説明はもちろん、説明会はなく全部LINEで完結する仕組みだった。

行くまでの書類には何度も"当日は緊張はするとは思いますが〜”だったり”新しい人、10日も知らない環境で疲れてしまいますが〜"のようなことが記載されていた。



そんなわけあるか。


当時、ベンチャー企業の内定、ビジネスコンテスト優勝、自分の集めたメンバー十数人で卒業式をやるなど調子にのっていた彼は正直そう思った。


大学4年やってきて新しい人に出会うことにまったく恐れがなかった、といったら嘘になるが、

自分のエネルギーを出し切れば彼自身どんな人に対しても貢献できるだろうという自信があった。


空港到着


指定集合時間よりはやくつき、空港のジョイフルで食事をとった。空港から周りを見た感じ、飲食店らしいものがほんとになく、こんな何もなさそうな田舎ははじめてだなと感じた。

こういった地域の人は若者に何をもとめているのか、そもそも何に価値を感じるのかとふと思ったのを覚えている。

何もない、人も少ない地域だからこそ
元気とトーク力でいかに現地の人を楽しませられるかが大事だろうなと考えていた。


予定では11人のうち自分をふくめて4人が最初に到着する。
写真を見る感じ、大人しそうな女のコ(Sちゃん)、アクティブで何度もこの類のボランティア経験多い女のコ(Mっちい)、プライドが高そうな愛知の野郎(薫くん)がくるらしい。
どんな人がこようとも彼はトークで楽しませようと思っていた。女性をたてつつも、プライドが高そうな薫という男は立てなければいけない。

そんなふるまいのシミュレーションを考えていたら、集合場所にSちゃんがきた。

「はじめまして、ヤマトンです!愛知出身ですよね!?自分もです!」

自分から話しかけること、人は共通点を見つけることで人に安心感を与え、仲良くなれることを彼は知っていた。

そして、笑顔とやや高いトーンの声で接することでも安心感を与えることができた。

これらは約4年間働かせてもらったホテルで学んだことだ。



今回の持ち物にサンダルと記載があったのだが、彼自身の「スリッパもってないんよね~」と真剣に言い間違いしたことでSちゃんは笑ってくれた。


どうやら順調なスタートのようだ。


そのあとMっちいがきて、彼自身が思っていたよりパワフルにガンガンやるアクティブ系じゃなくおとなしい感じだったことに驚いた。

何回も参加した人がこういう人ならば今回はアクティブキャラでいこうかと彼は考えていた。


「ECOFF(ボランティア活動の名前)の方ですか?」




きた。



プライド高そうな男の人が到着し声をかけてきた。

思っていたよりも優しそうな声だったが、自分は騙されない。しばらくはこの男をたてるムーブでしばらくは様子をみよう。

「○○大って国立じゃないですか?凄いですね!」
「あの写真(プロフィール写真)海外のやつですか?いろんなところいっているのですね!」

このようにして相手をたてつつも、何かしらNGに触れないように言葉を選んだ。



しばらくすると今回10日間農家ボランティアをするさいのお世話人の楠田さんがきた。

農家さんというのもあって、めちゃ日焼けしてて体がでかい。なんかオーラある。


彼はすぐに怒らせたらアカン人だと察した。



楠田さん夫婦で空港に車で迎えに来ていただき、車で宿に移動する。
そのときボランティア学生は男女2人ずつなので、自然と自分はプライド高そうな薫と、怒らせたらアカン楠田さんと3人に車で移動した。

会話をとぎらせないかつ、プライドや逆鱗に触れない言葉を選んでいると宿についた。

宿到着


11人が10日間過ごす宿。海まで徒歩1分。

彼はこの宿をみたときとてもワクワクした。


この10日間、11人で共同生活をすること自体おもしろいし、たくさんトラブルがおこるのだろうと思うとすでにワクワクした。

経験豊富なMっちいに聞けば、ずっと一緒にいるから一人でいたい人にとってはつらいときもあるのだとか。


彼はひとりでいるよりもみんなでいるほうが好きで、シェアハウスなどにあこがれていたくらいだ。


だからこそ、今回の11人の中で一人でいたい人がいたとき、そっとしておいたほうがその人のためになるのだろうとMっちいからの言葉で学んだ。


ただ、輪に入りたくても入れないから一人でいる人も出てくると予想される。
そこは感度高く保ちつつ、入りやすい雰囲気、そして入った後のペース調整をうまくやろうとは考えていた。


この時点で彼自身の手で雰囲気づくりをよくしようと考えていたのかもしれない。自分がつくるんだ、と。

ついた4人で、残り7人がくるまで時間があるので海にいった。


歩いて1分。毎朝散歩してた。



とても綺麗だし、波の音は落ち着く。
4人で話をしながら海をあるいていたが、ここでプライド高そうな薫が衝撃のことを言う

「俺さ、昨日奄美到着して、ゲイバーで飲んでたんよね~。記憶ないけど昨日レンタカーで借りた車で車中泊して、ぼーっとしてからあの集合場所いった。二日酔いなんだよね~」


ああ、ミスった。





奴はプライド高そうな男ではなく、そっち系だったのか。。。。





とは言えプライド高そうな人でなく、優しくてよくみたらイケてる顔のした男だったので、安心した。
この時点でSちゃん、Mっちい、そっち系の薫3人ともおとなしそうな人だと確信した。自分はアクティブで雰囲気づくりのポジションでいこうともおもった。


散歩から宿に帰り、談笑していると外から砂利道を走る車の音がした。


どうやら残りのメンバーが到着したらしい。

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