【中1数学・文字と式】文字式を実際に作る練習をしよう!

ご覧いただきありがとうございます、学習塾ONEDAYです。
前回は「代入と式の値」というお話をしていきましたね。まだ前回の記事を読んでいない方は、ぜひ下のリンクから読んでみてください!

▼前回の記事はこちら
【中1数学・文字と式】文字式に数を代入して式の値を出そう!|学習塾ONEDAY
https://note.com/onedaycram_2022/n/na0fed8fe060b

さて、今回は実際の問題を使って、文字式を立てて代入する流れを皆さんに体感していただきます。

練習問題

次の問題を実際に解いていきましょう。まずは。制限時間4分間でやってみてください。

あるガソリンスタンドでは、ガソリンの値段は1Lにつき150円です。
(1)太郎さんはこのガソリンを x (L) 入れました。このときガソリンの代金を文字式で表しなさい。
(2)このガソリンスタンドで30Lのガソリンを入れたとき、代金はいくらですか。

次に、太郎さんはこのガソリンスタンドでガソリンを30L入れてから自宅のある東京を出発し、自動車で500km離れた大阪まで行くことにしました。大阪についた太郎さんが残ったガソリンの量を確認すると、残りのガソリンは5Lでした。
(3)ガソリン1Lで進むことができる道のりの長さを指して燃費といいます。このとき、太郎さんが運転した車の燃費を求めなさい。
(4)東京から d (km) 進んだときに太郎さんの車に残っているガソリンの量を文字式で表しなさい。
(5)太郎さんは東京から大阪に向かう途中でひつまぶしを食べるために名古屋に立ち寄りました。名古屋から大阪までは100km離れています。このとき、車に残っているガソリンの量を求めなさい。



文字式づくりの復習

では早速解説をしていきたいと思います。まず始めに(1)と(2)です。

あるガソリンスタンドでは、ガソリンの値段は1Lにつき150円です。
(1)太郎さんはこのガソリンを x (L) 入れました。このときガソリンの代金を文字式で表しなさい。
(2)このガソリンスタンドで30Lのガソリンを入れたとき、代金はいくらですか。

この2つはこれまでやってきたオーソドックスなタイプの文字式づくりでしたね。

(1)ガソリンが2Lなら値段も2倍、ガソリンが3倍なら値段も3倍……となることから、150円にガソリンの量をかけることで値段が出ますね。よって

$${ 150 × x (円)}$$

が正解です。

(2)今回の問題ではガソリンの量が30Lとわかっていますから、(1)で求めた式に$${x=30}$$ を代入して、

$${ 150 × 30 = 4500(円)}$$

が正解です。


比べる単位は2種類に絞るべし!

次に(3)ですが、ここから一気に難しくなったように感じた人も多いのではないでしょうか?

ただ、難しいと感じるものは「なぜ難しいのか」という理由が必ず存在します。逆に言えば難しいと感じる原因がはっきりすれば、それを取り払うことで今までやってきた問題と同じように考えることができるはずです。なので、まずはこの問題を難しくしている原因をはっきりさせましょう

ではまた少し時間をとるので、自分なりに難しくなった理由を考えてみましょう。わからない人は過去の記事と今回の問題文を見比べるといいです。


どうでしょうか、なにか思いつきましたか?
思いついたアイデアはノートにでもメモしておくと、自分だけの勉強ノートができあがっていきますよ。


では難しくなった点をお話しします。
もちろん問題文が長くなったとか、問題数が増えたというのもありますが、一番大きな変化は3つめの単位が出てくることです。

(1)と(2)で出てきたのは以下の2つでしたね。

  • ガソリンの量(単位:L)……(2)だと30 L

  • ガソリンの値段(単位:円)……(2)だと4500 円

ここで(3)の前の文章に注目すると、「東京を出発し、自動車で500km離れた大阪まで行く」と書いてあります。つまり、東京ー大阪間の道のり(500 km) という新しい量が出てきたことになります。

ただ、問題をよく読むと、(3)から先ではガソリンの値段(単位:円)は一切出てこないことも同時にわかるはずです。言い換えれば、問題文全体では3つの量が出てきていても、実際には道のり(単位:km)とガソリンの量(単位:L)を比べるだけでいいのです。

このように、3つ以上の量が出てきたとしても、まずは2つに絞って比べることが有効なケースはとても多いです。


では解説に戻ります。

(3)ガソリン1Lで進むことができる道のりの長さを指して燃費といいます。このとき、太郎さんが運転した車の燃費を求めなさい。

東京から大阪までの500kmの道のりを進むために使ったガソリンの量を考えてみましょう。東京を出発するときは30Lあったガソリンが、大阪に着いたときに確認すると5Lまで減っていたのですから、使ったガソリンは

$${30 - 5 = 25 (L) }$$

となるわけです。つまり、ガソリン25Lで500kmの道のりを進むので、ガソリン1Lで進むことができる道のりは

$${ 500 km ÷ 25 L = 20 km/L }$$

と求められ、燃費は20 (km/L) が正解となります。


(4)東京から d (km) 進んだときに太郎さんの車に残っているガソリンの量を文字式で表しなさい。

なにやら難しそうですが、こういうときはいきなり文字式を作ろうとせず、まずは言葉で状況を整理してみましょう。今きかれているのは残っているガソリンの量ですが、「残りの量=はじめの量ー使った量」ですよね。
そして、はじめの量は30Lとわかっていますから、使った量さえわかれば答えも出せそうです。

では使った量はどのように表せるでしょうか?
上の表を見てください。使った量が1Lのとき、2Lのとき……でそれぞれ進んだ距離を計算すると、使った量の20倍が進んだ距離になっていますね。逆に進んだ距離から使ったガソリンの量を求めたければ、進んだ距離を20で割ればいいとわかります。
したがって、進んだ距離がd (km) のとき、使ったガソリンは$${\frac{d}{20}}$$ (L) となりますね。

以上を踏まえると、もとめたい文字式は

$${30 - \frac{d}{20}}$$

となります。


(5)太郎さんは東京から大阪に向かう途中でひつまぶしを食べるために名古屋に立ち寄りました。名古屋から大阪までは100km離れています。このとき、車に残っているガソリンの量を求めなさい。

この問題は(4)で作った文字式にdを代入することで式の値を出すだけですが、ここで注意なのが「代入する値は100ではない」ことです。

(4)で出てきた道のりdは進んだ道のりなので、名古屋ー大阪間が100kmということは東京ー名古屋間は500-100=400kmですね。したがって、代入するのはd=400が正しいので、

$${ 30 - 400÷20 = 10 (L) }$$

が正解となります。


いかがでしょうか。文字式は正直解いた問題数に応じて式を立てる力がついていきます。苦手だと感じる方こそ、まずは「当たって砕けろ!」という気持ちでたくさん問題を解いてみてください。いろいろ試して気づくこともあるはずです。

当塾の公式noteでは引き続き、中高生の勉強に役立つ情報を発信していきます。もしよければフォロー等よろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?