見出し画像

【オンライン署名】米軍による有害廃棄物の野外処理の中止を求めるグアム住民

米軍がグアムで行っている弾薬など有害廃棄物の野外処理は、深刻な環境汚染を招く恐れがあるとして、グアムの住民団体がその中止を求めてオンライン署名を集めている。

署名の発信団体「Prutehi Litekyan: Save Ritidian (リテクザンを守れ)」は、グアム島北部のタラギビーチでの野外焼却・野外爆発(OB/OD)を止めるよう米軍に訴え、さまざまな活動を精力的に展開中だ。



以下、誰でも署名できるオンライン署名のリンクと日本語訳:

Stop the US Air Force Plans to Blow up Bombs and Pollute Air, Land, and Water in Guam

米空軍はグアムの大気、陸地、水を汚染する爆弾爆破計画を中止せよ
発信者:リテクザンを守れ(PLSR) 宛先:グアム知事

 空軍は、タラギビーチでの有害廃棄物の野外焼却・野外爆発による文化的・環境的影響を評価せず、環境的により望ましい廃棄の代替技術を検討しなかったため、米国の連邦法に違反した。
 タラギビーチで計画されている野外焼却とは、ふたのない大きな金属容器に弾薬など有害廃棄物を入れ、ディーゼル燃料を注いで燃やすもの。野外爆発は、弾薬やロケット弾などを砂浜にじかに置いて爆破するもの。この野外焼却・野外爆発(OB/OD)は、RDX、HMX、TNT、過塩素酸塩、ダイオキシン/フランなどの有害化学物質や不発弾を周辺の土地、大気、海洋に直接放出する。
 「プルテヒ・リテクザン(=リテクザンを守れ)」は、環境法律団体アースジャスティスを代理人として連邦裁判所に提訴した。太平洋から200フィート(約60メートル)も離れていないグアム北部のタラギビーチで、毎年約35,000ポンド(約15,900キロ)もの爆弾など有害廃棄物を野外焼却・爆破する米空軍の計画は、環境政策法(NEPA)に違反している。
 空軍は、OB/ODが文化や環境に重大な影響を与える可能性や、環境影響の少ない廃棄処理の代替手段を考慮することなく、アンダーセン空軍基地でOB/ODを行うための有害廃棄物管理施設の許可を申請した。これはNEPAに違反するものだ。
 空軍がOB/OD実施を計画している場所は、第二次世界大戦後に米軍が接収した先祖伝来の土地であり、先住民チャモロの家族は奪われた土地の返還を求めている。OB/OD実施によって、この地域が不発弾や有毒化学物質で永久に汚染され、元所有者への土地返還が不可能となる恐れがある。
 アンダーセン空軍基地での弾薬等有害廃棄物のOB/ODは1982年に始まったが、OBは過去20年間行われていない。周辺環境に重大な被害を与える可能性があるにも関わらず、空軍はOB/OD実施にあたって法律で義務付けられた環境レビューを一度も行っていない。OB/ODの実施場所は太平洋(約180フィート/55メートル先)とジャングル(80フィート/25メートル先)に挟まれ、浅い不圧帯水層の上部に位置している。
 OB/ODは、グアムの住民の80%以上に飲料水を供給している帯水層を汚染する恐れがある。汚染物質が海に流れ込めば、周辺の砂浜や文化価値の高い漁場を日常的に訪れる地元住民が被害を受ける。タラギビーチの砂の上で爆発が起これば、そこに巣を作る絶滅危惧種アオウミガメや、ビーチに頻繁に飛来する渡り鳥に危害が及ぶ恐れがある。
 2019年、全米科学・工学・医学アカデミーは「通常弾の非軍事化の代替案」に関する報告書を発表し、空軍がアンダーセン基地でのOB/ODで処理しようとしている全ての弾薬について「実行可能な代替技術が存在する」と結論を下した。さらに、OB/ODと比較して、代替技術はすべて「排出量が少なく、環境と公衆衛生への影響が小さい」と結論付けた。
 米国環境保護庁、グアム環境保護庁、グアム知事に対し、グアムでのOB/ODは許されないと訴えなければならない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?