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1.02 Weekly Report Vol.580

1.DELTAの目線 ~オリックス優勝。吉田正尚退団はいかにして克服されたのか~ 

先発はレベルアップ。ただ躍進の要因は野手にあり

9月20日、オリックスが2位ロッテとの直接対決で勝利し、パ・リーグ3連覇を達成した。今季は吉田正尚が退団しチームの軸を失う中、見事に力を維持しての優勝であった。得失点差は2021年の51、昨季の32を大きく上回る92。維持どころかさらに上積みを見せたシーズンだったようだ。なぜオリックスは上積みを作れたのか、データで確認していきたい。

まず投手陣から見ていこう。オリックスは今季も極めて失点の少ないチームだった。1試合平均失点は2.88点。パ・リーグで2番目に少ない西武が3.30点であることから、図抜けた失点の少なさだったことがわかる。

そしてやはりその主要因は投手陣である。奪三振、与四球、被本塁打の3要素から投手を評価する指標FIPの平均を100として相対化した指標FIP-で見ると、今季のオリックスは86。これはパ・リーグの平均的な投手陣に比べ、86%しか失点しない投球を見せていたということだ。2021年の93、昨季の88からさらにグレードアップを見せている。

FIPとは
https://1point02.jp/op/gnav/glossary/gls_explanation.aspx?ecd=205&eid=20060

特に大きな向上を見せたのが先発陣である。先発のFIP-は2021年の88、2022年の86から79にまで低下した。これは2014年からの10シーズンの間においてNPBで最も優れた値だ。異常値といってもいいほどの低さである。昨季の時点で十分優れていたが、そこにさらにエースクラスの山下舜平大、平均を上回るレベルの東晃平を加えることでさらなるクオリティを発揮した。

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