ランニングシューズメーカー別ミッドソールの私感メモ

ランニングが好きです。
ぜんぜん遅いですし、足も悪いです。だからこそ靴のせいにして色々試しました。

ランニングはじめたばかりの頃、とにかくシューズメーカーが多いこと、さらにシューズごとに搭載されたテクノロジーが多すぎることでかなりシューズ選びに迷いました。

自己流だったりネットだったり、店員さんに聞いて色々調べて試して本当に良かったです。

自分が、これが良いと思えるシューズに出会えるまで体験して覚えたことを、いちおうメモしておきます。

ここにメモするのは、ランニングシューズのミッドソール素材、ナイキだったら「エア」が入っている部分の、靴底のスポンジのことのみです。ミッドソール部分の素材に違いがあることや、各社個性的なミッドソール素材を作っていることをなんとなく分かる人なら読んで意味がわかると思います。全く分からない人にも分かるように書けるきめ細やかな配慮ができません。すいません。

基本的には自分のためで、この感覚が他の方にも当てはまるかは分かりません。エンタメとしてなら読んでください。宣伝目的では無いのでリンクなどは貼りません。また、わかりやすくするような★数での評価やランキングもしません。

1,アシックス フライトフォーム

現状自分が一番気に入っています。比較的固い割にクッションがよく、万能感があります。またへたりにくくて長持ちします。
フライトフォームのあとにブラストやプロペルなどおまけが付く素材もありますが、あまり違いはわかりません。
それより、(当たり前だけど)厚みでかなり感覚が変わります。
エヴォライド2の中厚底のフライトフォームは全体的にバランスが良くて最高でした。エヴォライドスピードの厚底フライトフォームブラストはちょっと柔らかすぎますが、クッションは抜群です。マジックスピードのカーボンプレート+フライトフォームブラスト+はカーボンの反発と柔らかさのバランスが素晴らしいです(カーボンシューズとしてはマイルドすぎるくらい)。
トレーニング〜レーシングまで幅広く使える万能素材で大好きです。

2.ニューバランス フューエルセル

3番目くらいに気に入っています。フューエルセルにも色々あるのですが、フューエルセルリベルというモデルのソールは「歩けない」レベルでグニャグニャです。なのに走るとポンポンはねて面白いくらいテンポよく走れます。フューエルセルプロペルというモデルではそれほどグニャグニャにはならずに安定感もありましたが、やはり歩きにくいです。耐久性はどうかな?というとわかりません。自分が使ったニューバランスのシューズはアッパーが数百kmで破れることが続き、ソールがへたるまで使えていません。軽量化と耐久性のバランスなど、ニューバランスなりの考えがあるのでしょう。ニューバランスのシューズはラインナップこそ少ないのですが、いろいろピーキーで選ぶのが難しい印象です。その代わりニッチなシューズの存在や、値引きが凄いのもありがたいです。

3.ニューバランス フレッシュフォーム

フレッシュフォーム自体はアディダスブーストのフォーム革命以前から出ているとても息の長い高品質ソールです。ウォーキング〜トレーニングまで色々なシューズに使われていて、モデルによって硬さがかなりバラバラです。上位モデルのトレーニングシューズに使われるフレッシュフォームは指で押し込めるほど柔らかく、走りやすいのですが歩きにくいです。ウォーキング用のフレッシュフォームはそこそこ硬いですが、それでも一般的なEVAやPUよりは柔らかいです。蛇革のような特徴的なプレスをされていて見た目もハデです。アレンジによって耐久性も変わると思いますが、長持ちする素材です。

4.アディダス ブースト

アディダスが一時代を築いた伝説的な素材です。ファッションで一斉を風靡したナイキエアマックスはメダリストたちにとっては無縁のシューズでしたが、ブーストを使ったシューズを履いた選手がマラソンで世界新記録を樹立し、かつ争奪戦になるほどファッションの世界でも大成功を収めました。ブーストは反発とクッションという両立不可能と思われた特性を兼ね備えた万能なシューズで、革命としか言いようのない履き心地でした。ブースト自体にはモデルごとのブレは少ないのですが、どうしてもグニャグニャした素材なので、シャンクプレートやライトストライク等他素材との組み合わせで安定感が出て走りやすいと思います。優れた素材ながら、過去の話ですがファッション向けに流行りすぎて価格が下がりにくいことと、比較的重いこと、へたりにくい素材ではあるものの、発泡スチロールそのもの成形から破損、破断が多いことが弱点です。

5.アディダス ライトストライク

ブーストが目立ちすぎて相対的に地味な素材ですが、現在のアディダスのフラッグシップです。素材としては特徴がないように思えますが、バランスが良く使いやすい素材です。軽くて反発するタイプの素材ですが、厚くするとクッションもあります。実売数千円のトレーニングシューズから十万円近いレーシングシューズまで使われていて、万能な素材です。

6.ナイキ リアクト

ナイキのトレーニングシューズの中では万能な素材です。ナイキはミッドソール素材の種類が多く、どれも質が良いです。自分はクシュロンというリアクトよりかなり安いシューズに使われる素材がとても好きですが、それの上位版のようなイメージです。柔らかくて跳ねるので、怪我防止とトレーニングの両取りができますし、リアクトはかなりへたりにくい素材です。また、タウンユースとしても使いやすく歩きやすいのも特徴です。ナイキのトレーニング用としては最たる万能戦士ですが、飛び抜けた特徴は無いので価格を抑えてクシュロン搭載のシューズでも良い気がします。


7.ナイキ ズームX

ナイキのフラッグシップレーシング用の素材でしたが、最近トレーニング用にも搭載されるようになりました。非常にピーキーで、レーシング以外の走り方では使いにくいです。ゆっくりジョギングしたり、歩行には向いていません。テンポよく走らないとブレまくります。しかし一度リズムが揃うととにかく前に進みます。ところで、リサイクル素材のズームXは名前は同じなのですが素材の特性はかなり控えめになっていて、環境に配慮はしたいのですが恩恵を受けるならリサイクル素材以外を選んだほうがよいと思います。基本的にレーシング用なので寿命が短いようです。

8.ナイキ ズームエア
ミッドソール素材ではなく、付属品です。ナイキ・エアマックスのように空気袋がどかっと入ったソールは、すでに役目を終えていてシリアススポーツの場ではほぼ見ません。もともとエアマックスブーム当時もスポーツの場でマックスエアは一部のバスケットボールシューズを除いてあまり存在感はありませんでした。一方、極薄のエアユニットによる反発力を狙ったズームエアは開発当初からずっと第一線で活躍するテクノロジーで、箱根駅伝はじめ長距離界で厚底旋風を起こしたナイキの高価格帯のランニングシューズにもズームエアは欠かせません。一万円を切る比較的安いシューズにも搭載されていて、特に前足の下のズームエアははっきり足で効果がわかるほど跳ねます(実際はエアが反発しているのではなくファイバーが反発していますが)。フォームよりずっとへたりにくいという利点もあります。

9.オンクラウド

onのチクワみたいなソールです。ナイキのマックスエアが完全に形骸化しているのにもかかわらず、オンのソールはとても個性的な走り心地です。実際に足が浮いているので、接地感がほぼないのに蹴った感じはダイレクトで不思議です。耐久性はどうなのか気になります。アシックスフライトフォームの次に気に入っています。

10.ホカオネオネ クリフトン

ホカオネオネは短期間しか履かなかったのであまりレビューできません。ソールは「コンプレッションEVA」とだけ記載があります。他メーカーも基本的にはEVAやpuをアレンジしているだけという面もあるので、かっこいい名前がついていなくても工夫していないわけではありません。とても柔らかくて怪我はしなそうです。自分が履いたころのホカオネオネは誰もが認めるほど耐久性は求めていなくて、アウトソールは削れ、アッパーにはすぐ穴が開きました。今は改善されていることでしょう。

11.一般 EVAやPU
アシックス等なら、安いシューズに使われているEVAやPU素材であっても派手な名前がついていなくてもとても品質がいいです。フォーム素材の開発はここ10年くらいでとてつもなく進化したそうで、怪我防止、スピードアップともに価格の足かせはかなり減っているようです。


いちおう、使ったシューズの中で思い出したことをメモしました。ランニングシューズの進化は余りにも著しく、基本的には(大手なら)どんな靴を買っても手痛い失敗はないかと思います。しかし、絶対に「履いてから買う」ことは必須です。つまり、ネットの情報だけで買わないほうがいいです。自分は実際、ミッドソール素材はわりとどうでもよくて、とにかくアッパーのフィット感が全てです。ミッドソールは走れればなんでもアリですが、アッパーがほんの少し合わないと凄いストレスです。走ることすらイヤになります。とにかく、まずはお店で履きまくってみて、ぴったりきたシューズを買うのが一番です。当たり前なことを失礼しました。

もし読んでくれた方がいましたらありがとうございます。


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