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生物季節調査員になりました

生物季節調査をはじめることになりました。
今まで野原や、森の中、海辺を歩いてきて野草を見るのが無性に好きでした。鳥の声を聴く、春に樹木が芽吹く秋に落葉する、季節を見ることがどうしようもなく好きだったけれどこれが仕事になったらいいなといつも感じていました。

生物季節観測とは こちら

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季節観測には種目があります。椿の開花、赤とんぼの初見、モズの初鳴きなどです。
植物はある程度知っているけれど野鳥の識別には自信がなかったので、さっそく野鳥図鑑を借りてきました。
今の図鑑は音声付きで、野鳥の声を聞きながら覚えることができます。

桜の開花に備えて新春のお正月からどきどきし、寒緋桜がつぼみをつければ喜んで、河津桜、江戸彼岸、染井吉野、八重桜の関山や一葉が咲いた、鬱金は今年も黄緑から桃色へ変わってきたなぁと
十月に田園いっぱいに赤とんぼが飛ぶのを見て「赤とんぼを研究している人はここに来たらいいのになぁ」と空を仰いで立ち尽くす
葉のなくなったイチョウは初夏になると小さな小さな葉っぱが生えてきて、ついに盛秋の到来、こんな季節になったんだなぁと黄色に紅葉した木を見上げて嬉しくなる

気象庁が廃止を決定した植物や生物の観測が市民参加型で存続されると知って、わたしならできる!と閃いた。先方から返信があってぜひ参加してくださいとのことでした。

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その日のうちに最寄りの図書館及び近隣の図書館に野鳥や樹木の識別に有用な本がどれくらいあるか蔵書を確認しました。必要な本をおおよそ選んで、的を絞って借りに行きます。
でも結局借りるのは、ネット上の蔵書検索で良さそうだとあたりをつけた本より、棚で見つけたもっと見やすくて心をそそる本です。
実際に見て、手にとってみないと自分に必要な好きな本はわからないのだなぁと思います。

気になることを調べ尽くして、まとめて、取りこぼしがないように網羅する性質が活かされる時が来ます。
この性質でだいぶ時間を失ってきたので、研究職と聞くと「わたしにもできるのになぁ」と嘆いていました。(ちなみにわたしにもできるのになぁと思うものは他にも詩人、随筆家、イタリア語絵本の翻訳家があります。めでたいことです。)

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心の病の治療法を読むと、いつも〈体を動かして治癒してください〉と書いてある。それを読む度、外に出たいなぁと渇望する。
子供の頃は外に出るのがとにかく好きだった、
本当は家の中にずっといたくないんだよな。動き出せなくて泣き明かす日々は十年経って過ぎ去って、やっと、不安なく外へ出れる日が来る

あてもなく歩くのではなく生物季節観測という理由がある。その外に出る理由があることが、わたしにとっては嬉しいのです。

乗れなくなった電車に乗る理由があるとしたら、それは何度考えても音楽、ライブをするため遠方へ赴くことでした。でも、心の不安を治療して、安心を得て、安全基地になりえる人を持って初めて叶うことだった。
生物季節観測はひとりで行ける。今日できる。
今日から、はじめられるんです。

自然にしていた活動が人のためになると思ったら嬉しくなります。
腕章をつけて、野原を歩いてノートにメモを取る姿。
クワの実がなる場所を探して、小学校で「この辺りでクワの実がなるところわかるひとー?」と手を挙げて子供たちに教えてもらう姿、
何をしているんですか?と声をかけられて生物季節観測をしているんですと得意げに答える姿、
ありありと見えてきます。
持って生まれた人に好かれるというすばらしい性質を、二度と傷つかないように隠して人前に出ないように引き篭もるのではなく、生かしたかった。
恵まれた性質があるならひとりで泣き暮らすんじゃなく生かしたかったんです。

その日が来るのかなと、淡い期待で勇んでいます。

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