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横瀬に行こうよっていうアレ

どれだよ




横瀬。横の瀬。ありきたりな地名。これだけ聞いても「どこだよそれ」となる人が大半だろう。てなわけで地図を投下。


横瀬町は埼玉県北西部、秩父市のお隣に位置する。面積は50㎢に満たない小さな町で、人口は7600人ほど。武甲山から産出される石灰石が産業の要。西武線の特急に乗れば池袋駅から約70分で行ける。ほどよい距離感。

秩父の手前ということもありスルーされがちな横瀬だが、非常に雰囲気が良い場所だということを伝えたい。そんな思いから、構成も全く考えずにこの記事を書き始めている。どうか最後までお付き合いください。



都内から横瀬へ向かうには、一般的には西武線を使うことになる。横瀬駅は特急も停車するが、往路はぜひ普通列車で。


飯能〜西武秩父の山岳区間で使用される車両は、旅情を掻き立てるボックスシートがずらりと並ぶ。東武鉄道6050系亡き今、関東近郊で最も味わい深い車両だと思う。


窓辺の小さなテーブルに飲み物を置けば、途端にそこは一人旅の空間として完成される。秩父の山々を眺めながら、ボックスシートを独占して列車に揺られる。何とも贅沢。


もちろんボックスシートというのは仲間内での旅行にも最適。トランプを広げ大富豪を目指すのもまた一興。階段革命による勝利の瞬間。


飯能から列車に揺られること40分強。到着した横瀬駅はログハウス調の駅舎。横瀬町の玄関に相応しい立派な造り。


これが自分の中での横瀬のイメージ。群馬や長野の辺りで酷道として名高い国道299号線が町内を通り、交通量はかなり多い。後ろには三菱のセメント工場。あちこちに目立つ武甲温泉の看板。


町の至る所から見えるセメント工場と武甲山。石灰石の採掘が盛んで山肌が露出している。横瀬町とは切っても切れない街のシンボル。さながら横瀬富士、といったところだろうか。


コンパクトながら重厚感がある横瀬町役場。この道をそのまま進むと横瀬駅に至る。LED化されていない信号が良い雰囲気を醸し出している。


ヒラギノ体ではないフォントが時代を感じさせる青看板。秩父市までは僅か1km。ロードサイドを除いてとにかく店が数ない横瀬、大都会秩父との繋がりは非常に強い。


何の変哲もない水路。だがそれが良い。


JAがあるというのが街の中心であるということを誇示している。ちなみに横瀬町では15時になると防災無線でラジオ体操を流しているので、訪れた際にはぜひ体を動かしていただきたい。


歩道橋が出来ても尚残る信号。学校の前という位置が、教育の為という在り方を暗示している。たまに見かける交通弱者という言い回しも面白い。


音を遮るものが無いので列車の音はよく響く。普段は黄色い西武線もここではお上品に白く染まっている。


西武ご自慢の特急Laviewも銀色が映える。無機質なようで、光の反射が美しい。都会にも田舎にも似合うとは恐れ入った。


唐突に現れるコンテナ。よく見てみると苫小牧駅常備の文字が。


何の変哲もない水路。だがそれが良い。2回目。


町の名前を冠す横瀬川は、この先長瀞の手前で荒川に合流する。川のせせらぎが心地良い。


寺坂棚田は町内の数少ない観光スポット。東京の近くでこれだけ立派な棚田も珍しい。背景には相変わらず武甲山。


ひたすら長閑な時間。東屋に腰掛けて景色を眺める。散々馬鹿にしている埼玉にも、こんなに素晴らしい場所がある。


武甲温泉は横瀬町の数少ない娯楽施設。武甲山の山麓で湧出するアルカリ性単純硫黄泉を使っている。ごくごく一般的な泉質。駅前からシャトルバスが運行されており利便性が高い。


中は割と広く、休憩スペースや食堂、ゲームコーナーなどそれなりに充実している。どこか少し懐かしい気分。by 平成17年生まれ


秩父名物のカツ丼。想像以上に量が多い。


湯上がりの黒酢は非常にキマる。こういうちょっとしたサービスが嬉しい。


燃えろ、ゴミ。


日帰り入浴は基本800円だが、横瀬駅前の自販機で割引券が売られている。忘れずに買いたい。


さて、横瀬上級者(?)には武甲温泉ではない別の温泉をお勧めしたい。こちらは駅から徒歩30分。送迎サービスは存在しないためひたすら歩くほか無いが、途中で棚田を見られるのが良い。


丸山鉱泉旅館。温泉ではなく鉱泉という扱いで、日帰り入浴900円。少々割高でサービスも必要最低限だが、それでも行く価値は十二分にある。


11月2日から玄関が移動したらしい。前より少し奥に移ったようだ。理由は分からない。


浴場へ向かう通路。この渡り廊下が非常にエモい。お湯に入る前から気分が高まる。


外から見るとこんな感じ。いいね。


武甲温泉と違って人が少ないので遠慮なく写真を撮りまくっている。古さは拭えないが館内は綺麗に保たれている。


浴室はこんな感じ。手前の薬湯がここの名物。露天風呂もあるね。総じてぬるめ。


あ〜良いお湯でござんした〜。すっかり日が暮れてしまった。ここから駅までまた30分歩くわけだが、棚田の上からまた見下ろす景色が良いんだな。


セメント工場は盛んに煙を上げ、手前の棚田との対比が美しい。17時には夕焼け小焼けのチャイムが流れる。ステレオタイプと言ってしまえばそれまでだが、趣深い。いとあはれなり。



夜の横瀬駅は昼間とはまた違った印象。


帰りは優雅に特急で。池袋まで旅の思い出に浸るひととき。



……だいぶ好き勝手書いてしまった。どう?行きたくなった?

え〜、微妙?じゃあもうちょっと推しポイント紹介するね。



「芦ヶ久保の氷柱」。横瀬駅の隣、芦ヶ久保駅のすぐ近く。例年1月から2月にかけて氷柱が見られる。


綺麗でしょ〜。この時期は特急も臨時停車するし武甲温泉から連絡バスも出ていて便利。



ね?横瀬良いでしょ?行きたいでしょ?

え?お金がかかるって?いやいや、秩父は節約旅行にピッタリなんだよ。


西武の株主優待券。西武線内ならどこまででも自由に使える魔法のきっぷ。でもお高いんでしょう?いえいえ、全然そんなことないです。

池袋〜横瀬は通常片道770円。時期によるものの、株主優待券の相場は300円程度。安〜い!夢グループのおばさんもびっくり。これはね、行くしかないっしょ。行けよ(圧


最後に役に立ちそうなリンク載っけときます。


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