【弓道教歌】初心者に対する教え方★

今回は”初心者に対する教え方”になります。
コレは興味津々、先達はどのような教え方の教訓を遺していったのでしょうか?
それでは云ってみましょう!


20 大和

童(わらべ)には 矢業(やわざ)強みも ならぬもの
先(まず)弓法と 射礼教へよ

(歌意)
子供には矢業を望むことは無理であり、先ず弓の引きかたの概略と射礼を教えるのがよい。このことは単に子供の場合だけでなく、初心者の場合も同様である。

(感想)
子供や初心者に教えるのは技術ではなくて、大まかな引き方と射礼ですか。
最初に技術云々を教えないのは理解できます。まずは体を作ることが優先でしょうから。大きく引いて、大きく離す。これは引き方にあたるでしょう。
射礼、つまりは体配も含んでいますね。最初は的に中てることを楽しんでもらって、そこから射礼を教えていくのが現代には合ってる気がします。
これって、的中に捉われてはいけない、ということでしょうね。


21 大和

童(わらんべ)に 弓を教る 始には
帯と衣紋に 心付(こころつく)べし

(歌意)
幼い子供に弓を教える場合は、先ず帯と衣紋即ち着物の着方や帯の締め方、袴のはき方などから教え、射法は極めて簡単且つ基本的なことを重点的に教え、むつかしいことを教えてはならない。礼儀作法から始めるのがよい。

(感想)
まさかの衣服の着付け方からですか。気分があがりますよね。カッコいいですし。それで続けてくれるならアリです。
ここでも礼儀作法からですか。
時代を考えると、道場よりも青空でやっていそうですよね。青空だと弓矢をもって「わーい」って子供だけでやっちゃうこともあるかもしれないです。
そう考えると、まずは礼儀作法から教えて、無闇に引かせない、というやり方もありなのかもしれませんね。


22 竹林

うしろより かいなをとらへ 射さするは
をさない人に 指南する法

(歌意)
射手の後から腕をとって射させるのは、幼い者を指導する方法である、との意。
射手の前から弦を取って引かせる方法は、本多利実扇がよく行われた方法であると云われ、以降この方法で弦をとるようになったと考えられるが、それ以前にも大和流によると流祖森川香山師により初まると云う。

(感想)
後ろから教えるのってどうやってやるんでしょうか?幼い子を後ろから教える意味とは、、謎です。
さて、一般的な射手の前からの指導。弦を取って引かせる、とありますね。自分の行ってる教え方は弦をとってるような、とってないような。


23 大和

後より かいなをとらへ 射さするは
幼稚の人に 指南する法

(歌意)
同上


24 大和

歩射(かちゆみ)を 始て稽古 する人は
竹張弓で 身形直せよ

(歌意)
始めて歩射を射習う人は、竹張弓の様な極めて弱い弓で身形姿勢を直して十分に射よ、との意。歩射は騎射の対、歩立にて射ること。
竹張弓は二寸廻り位の丸竹を弓の長さに切って弦を張る。篠張の事。

(感想)
竹張弓ですか、、、芯材を使っていない弓なんでしょうね。どこまでの強さになるかわからないですけども、弱いとのことで。
弱い弓で姿勢を直すことってできるんでしょうか?強い弓だと五胴の癖が出やすい、ということを戒めてるのでしょうか?
今度やってみますね。


25 本多

最初には 七道の曲尺(かね) 悉(ことごと)く
解き聞かせつゝ 手まねさすべし

(歌意)
初心者を指導するには、初めに七道の法則をよく説明して理解させた上で、次に弓矢を持たずに(素手で)それを手まねで行わせるのがよい。

(感想)
徒手練習は時として有効です。たしかに初心者教室でも徒手を行っていますね。初心者に限らず、いくつになっても弓がないところだと徒手練習をやりたくなります。
で、七道ってなんですか?って思ったら、五味七道のうちの七道のことでしたね。響きだけ思い出しました。
肝心の内容については、本多流の射法でした。(八節の残心が無いバージョンのイメージ)。
つまり、射法八節の法則を教えてから、徒手練習をさせましょう、といことですね。



以上、”初心者に対する教え方”についてでした。
皆さんの感じたことを是非コメントしていってください。


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