【弓道教歌】遠矢前(2)

遠矢前の2回目です。
今回も解釈が難しいものが出てくるんでしょうか。
1回目はこちらからご覧いただけます。



1021 竹林

勝手をば 高く右かた 引かけて
のびにて先を おしあてゝ射よ

(歌意)
勝手を高く右の肩に引掛けて、延びるに従って押手の拳を高く射遣(いや)る所に当てる様にして射よ、との意。

(感想)
もしかして、現代の射をイメージしてるから混乱するのかもしれないです。
無菓子の射術では大きく引いていない、という前提であれば、妻手を肩に担ぐように引いて、弓手を高くすれば遠くに飛ばせると。
甲冑もあったので、兜に干渉しない引き方だったのかもしれませんね。


1022 大和

勝手をば 能かけとめて 肘を詰め
弓手は角見 身骨一心

(歌意)
勝手を約束の所まで引納め、肩根を便りに能く懸留めて、肘を後ろの雁金骨の下へ詰める心持ちで詰め、矢筋を能く的につけて動かさず、矢束は角見とて上筋強く押切り、身骨一心とて押手、勝手、胴皮骨一致して全身少しの緩みなく詰めて射よ、との意味である。これは遠矢の掛口等を歌ったものである。

(感想)
妻手をガッチリはめて、弓手でドーン斗押しきる!って思いました。
妻手で伸び合いをするのではなく、止まって狙って押し切る。そんな歌じゃないでしょうか?


1023 竹林、大和

きをひ吹く おくれの風に 射掛なば
先は競(きそい)に のる積(つもり)しれ

(歌意)
矢は風より早いものであるから、遅れ風に乗せて射かけると、矢は前に吹いて行った風に乗るものである。故にその積りを能く知って射よ、との意味である。前の風が一町程も行ったと思う頃に射放つのがよい、との意。

(感想)
風を読んで引くなんて無理!
風の影響を受けない強さの弓か矢を使えばいいのよ!!(パワーこそ全て的な)


1024 竹林

くる身さすみ みはなしほそ矢 かけは唯
弦計(つるはかり)なを えきう善力

(歌意)
遠矢などにて、根羽なし細矢を射る時は、弦計りの懸様を用い、恵休善力の心持がよい、との意味である。
くる身とは、足間を狭く一所に備え、勝手の脇腹へ引立てる様にし、物見をしめて詰め、胴を陸に定める事。
さす身とは息に構いなく、身の骨肉皮へ息を張込むこと。
根羽なし細矢は、羽は短く狭く、根は木の根或は竹を継いで節を根とする繰矢、指矢の如きもの。
弦計は懸に力を加えぬ雨露利の放れ。
恵休善力とは、恵指(拇指)を反らせ、休指(人差指)は休め、善指(中指)は力を入れて懸けよ、との意味である。

(感想)
全然分からない。
足踏み狭く、大きく引くはなんとなく理解できます。取懸けも今の引き方と同じやり方ですね。
弓具面が謎です。遠的用の矢のことだと思っておけばいいですか?
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1025 道雪

五町より 上に大飛 するいては
人が望ば 時をきらふな

(歌意)
五町より先までも大いに矢を飛ばすような射手は、何時でも人の望みに応じて射るのがよい、との意。

(感想)
五町ですって。とんでもない飛距離ですね。弓も強くて、技術も十分なことが想像できます。
他の人が希望するならば、いつでもその業を披露してあげて、という意味でいいでしょうか?
お手本になって、広めましょう!という教えだと思っておきます。(合ってる?)


1026 大和

つくばひて 遠射(とおい)するには かしこまり
腰をよくすへ 足の間に

(歌意)
踞(つくば)いて、遠矢を射るには、両足の膝を寄せて膝頭を地に付け、足先を爪立てゝ、腰を足の間によく据えて射よ、との意。

(感想)
はい、また来ました、わからない射法。(勉強不足ですみません。)
よく見る踞射は右膝を立ててますので、それとは違いますね。このやり方だと腰が来てないので、遠矢には不向きな気がします。

急に思い出しました。学生時代に部活動に伝わっていた変な伝統がありました。男子は右膝?を立てて、女子は両膝を床につけて、ちょっとだけ膝頭を離してました。たぶんそんなイメージだと思います。
遠的は足踏みを狭くすると教えられるので、踞射で遠的するとしたら、膝頭を狭くするのでしょうね。


1027 日置流射学

胴のきて 妻手よりはなつ 強矢妻(つよやづま)
弓手ののびは むね肩ぞしる

(歌意)
遠矢の歌である。胴は右の方に退いて、妻手より張合掛り放つは強矢妻である。そして左手の方の延びは胴と肩に知らせて延ぶ、という意味である。


(感想)
退き胴になって、妻手側をしっかり張って、弓手から離れを出しましょう、でいいですか?
遠的やりたくなってきました。
そういえば、皆さんの遠的の射法はどうしてますか?腰を切ってますか?


以上、遠矢前の2回目でした。
いろんな意見を聞かせてくださいませm(_ _)m

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