【弓道教歌】射抜物★

今回は射抜物になります。
2つだけ紹介します。


1099 大和

射抜物 習の上の 習には
    むざと射ぬこそ 習なりけり

(歌意)
射抜物を行なう場合は、十分に心得た自信のある弓矢で射よ、との意味である。

(弓右衛門の感想)
教歌集の順番からすると、ここでの射抜物は堅物射抜きのことだと思われます。
堅物を射抜く場合、角見の効き具合や自己の技量に合致した最も貫徹力のある弓を使うのが良さそうですね。

弓右衛門は28mでフライパンを狙ったことがあります。穴が空きましたが、貫通はしませんでした。
これをもっと近い距離からやっていればどうなっていたかは気になります。
堅物射抜はかなり近い距離から兜や鎧を狙ってる光景が浮かびます。


1100 大和

射抜物 薬の有と 伝へしは
    唯偽りの 言の葉ぞかし

(歌意)
射抜物によく貫けるように鏃に塗る薬があると云い伝えられているが、これは嘘の言葉であるとの意である。この薬は秘伝であり、薬はないと云って、ただひたすらに稽古させんがために詠んだ歌ともとれる。

(弓右衛門の感想)
成果に近道なし。薬を塗れば貫きやすくなる、なんてことはありえないから、ズルはするな、という教訓ですね。
仮になんの効果もない薬を塗って、プラシーボ効果で実力以上の成果を得ることはできるのでしょうか?
例えば、油を塗れば刺さった瞬間の摩擦力がちょっとだけ弱くなる、とか。

そういえば、合成弓や矢に謎の加工を施して、的中率アップや矢飛びアップの宣伝がありましたね。
本当に効果があるのか、教歌に通ずるものがあるのか、気になります。


以上、射抜物についてでした。
皆さんの感じたことを是非コメントしていってください。

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