【雑談】行くべきか行かざるべきか

射手は岐路に立たされてると感じています。
竹弓のメンテナンスを弓師とお店に任せるのか、射手もメンテナンスを行えるように勉強するのか、2択のどちらかであると。

今でも昔ほどはお店での竹弓のメンテナンスができなくなってきている実情があります。
販売はできても、火入れができない、矯正ができない、変な形に調整してしまうなど、いろいろ話が入ってきます。
調整はできる、といっても弓師のもとでしっかりと張り込んだ状態の弓しか扱えないレベルのお店もあります。
裏反りが高くないので張るのも楽、形も変わりにくい。弓師も裏反りを高くしすぎるとお店で扱えなくなるのが分かってるのか、あまり高くしなくなってるとか。
カーボン内蔵竹弓の存在もメンテナンスが難しくない、というのもこのような状況に拍車をかけてると感じます。
弓具店の人も高齢化が進んでくると裏反りが高い弓を張ることが大変になってきます。
やはり竹弓にはある程度の裏反りが必要ですが、それを行うと調整できないお店や射手が増えてきてます。お店が先か、射手が先か、弓師が先か、結論はでないでしょう。

そうなってくると、お店の人や射手のレベルアップが必要になってきます。

お店が裏反りのある竹弓を扱えるようになると、お店の管理技術があがる
→弓師の管理時間が減る
→竹弓の生産数アップ or 質があがる

いっぽうで、お店の管理時間が増える
→お店に負担がかかる
→購入後は射手がメンテナンスをしっかり行う
→お店の負担が射手に移行する
→射手の技術があがる

弓師が村取りにかける時間が増えたり、
お店が竹弓を気にする時間が増えたり、
射手が矯正する技術を身に着けたりと、
本来の役割分担に戻すことが竹弓文化の維持に必要なことではないでしょうか?
竹弓が打たれて、竹弓を引くことが竹弓文化というのであれば、それは間違ってると感じます。

ここまでは前置きとなります。
現実問題として、例えば矯正技術(特に火入れや村取り)を習得するためには弓師の元へと勉強にいかなければなりません。
(いきなり手持ちの弓で行うにはハードルが高いですからね。)

しかし、弓師の元にこぞって勉強に行ったのでは、本来の仕事が妨げられてしまいます。数時間では足りません。
数人で勉強に行って、1日弓師の時間を拘束したとすると、その1日でできた作業が翌日以降に繰り越されてしまいます。
お店とだけやり取りをする弓師はおります。射手と直接触れ合える弓師もおります。後者は特に竹弓の生産数が多くありません。
生産数が少ない中で仕事の時間を割いてしまうと、さらに生産数が少なくなってしまいます。本末転倒です。

勉強をしなければ、今以上のスキルアップを行うことはできませんので、やはり技術の衰退を止めることはできません。これも憂慮するべき事態です。

本当に困りました。八方塞がり感が強いです。
勉強にいけば弓師の時間を奪い、竹弓生産数が減る。
勉強しなければ竹弓を扱い文化が衰退する。

弓右衛門も時間があれば極力勉強に行きたいと思っております
各地の弓師の考え方をお聞きし、技術を吸収したいです。
でも自分ひとりのために弓師の時間と竹弓を待ってる射手の時間を奪うと思うと、気軽に行くことも申し訳ないです。
(お仕事を手伝える程の腕があるなら、別かもしれませんが。)

諦めかけてる中でも希望はあります。
自分で技術を高めて、それを技術を広めていくことです。

基礎を勉強して、自分で実践して技術を高めて、それを広めていく。
どんなことにも言えることですね。

弓師の元で基本を勉強(村取りで弦通りを矯正できる理由、成りのバランスを変えるやり方、火入れをする温度など)をひと通り聞いた後に、
自分の弓や古い弓を使っていろんな癖の矯正方法を経験してレベルアップ。
さらには、周囲の人の竹弓(許可を貰った場合のみ)で行うか、自分の弓の成果を見せることで、弓が良くなることを実感してもらう。
竹弓の可能性と自分の技術の可能性を見せたら、噂が噂を呼び、矯正技術に興味がある人が増えてくれるかもしれません。
自分でやってみたい、という人がいれば是非教えてあげてほしいです。

ちょっとずつですが、こうやって技術を復活させていくことができると今後の竹弓文化は安心できるかと思います。

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