【雑談】竹弓風の合成弓の意味

弓に関して言及すると、弓引きの最終目標はニベ弓を引くことと信じて疑わない弓右衛門です。
100年前は最初から使用する弓はニベ弓でした。ニベ弓とともに射手がレベルアップしていくイメージでしょうか。
今ではグラス弓→カーボン弓→合成接着剤の竹弓→ニベ弓、という順番を経るのが一般的でしょうか。弓がガラッと変わるので、射手のレベルは上がるが、弓のレベルは初期化されるイメージでしょうか。

合成弓から入門することに異論はありません。
最初から竹弓を使っても矯正できる人がいませんから、正しい引き方を覚えるまではグラス弓でいいでしょう。

この記事で着目するのは”竹弓風の合成弓”を選ぶ理由について、弓右衛門の考え方を紹介していきます。

竹弓風の合成弓とは?

見た目だけを竹弓に寄せた合成弓になります。
色を竹弓風にしたり、竹弓に似せて節をつけたり、です。

見た目が気に入ったから
自分に素直な理由で素晴らしいです。
見た目の差別化ができて、モチベーションがあがりますよね。
竹弓を所有してるかのような気持ちになりますし、それで次は竹弓がほしいな〜って思ってくれるなら、その気持ちを維持してほしいです。

色だけを竹弓カラーにする(=節はついてないない)だけなら価格上昇を抑えられます。カラーオーダーは素晴らしい!

竹弓を使うまでのステップアップ

竹弓風の合成弓の紹介のなかに、竹弓を使うまでのステップアップに、という文言があります。意味の無い選択です。
理由は2つです。


節付きは意味がない

竹弓にある節は振動を抑える効果があります。これは事実です。
この節を真似て合成弓につけることに振動を抑える効果は無いと考えています。科学的に分析すれば数値として出るでしょうが、体感できるほどの効果は感じられませんでした。

竹弓には外竹に節が7つ、内竹に節が6つあります。それだけではありません。ヒゴに使われている竹にも節があります。外竹と同じ長さですので7つ*3本芯なら21個です。(単純計算してます。)
30個以上も節がある竹弓と13個しかない合成弓では振動を吸収する力が全然違います。
合成弓は振動を吸収しないグラスファイバーやカーボンファイバーが使われてますので、竹弓レベルにはなりません。

カーボン弓を使っていて、竹弓の前に節付きの合成弓を買うくらいなら、グラス弓を選んだほうが良いです。
節付きのカーボン弓を選ぶならばグラス弓を選んだほうが良いです。
矢飛びを維持したまま振動は抑えたい、それは無理です。
矢を軽くしたり、硬い弦を使ったりすれば矢飛びはあがります。
矢を重くしたり、弦を太くしたりすれば振動は抑えられます。

ステップアップで選ぶなら、安価なグラス弓で手の内を見直したり、弓返り速度になれるほうが賢明だと考えます。
わざわざ高い弓を選んだら、移行まで何年かかりますか?目的を見失わないようにしましょう。

扱いの勉強にはならない

竹弓の扱いの前のステップアップを目的とするなら意味がないです。
合成弓なので形は変わりません。竹弓を視野にいれるレベルの人ならば張り方、射技でも変わりません。
竹弓と合成弓では気にするポイントが全然違います。
竹弓は合成弓+αが求められます。竹弓風の弓は合成弓に分類されるので、竹弓の+αは全く入りません。

また、手の内のため、という目的も意味がないです。
たしかにカーボン弓に比べたら竹弓の弓返り速度は遅いです。カーボン弓の振動を抑えるために握りこんでる手の内を改善したいのであれば、安価なグラス弓で十分です。

ステップアップの弓はどんなのがいい?

しかし、ステップアップ用の弓を用意することを否定はしません。
(節付きや竹弓風は意味がないと考えています。)

4万円前後のグラス弓をオススメします。
初心者用のグラス弓はさすがに弓返り速度が竹弓に劣りがちですが、4万前後のグラス弓は竹弓と同程度です。(弓右衛門調べ)

弓右衛門は弓師が作った竹弓風カーボン弓(芯材に竹を使用)や日本初の合成弓、そのメーカーが作った節付きのカーボン弓などを使用しましたが、
日本初の合成弓を作ったメーカーが手掛けるグラス弓が最も竹弓の感じに近かったです。




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