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「なくして」効率をあげたその先に


 前号、前々号で、業務効率アップのキーワード、なくす。束ねる、 ちらす、の三つについて触れた。とある会社の物流部門では、 システム投資が現段階ではできない中、仕事の流し方を、三つ のキーワードで見つめなおし効率アップにつなげていった話を紹 介した。ホテルや旅館で採用される効率化の方法は「なくす」 だろうか。紙からシステムへ。チェックインの自動化である。  

 お客さまが画面の前にたって指名を入力して部屋の鍵がでてく る。画面の付近には、ホテルや旅館のスタッフがいる。自動化 のようで、使用している私には少し違和感が残るは、私だけだろ うか。お客が慣れるまでの移行期間として、スタッフの方が近く にいるのだろうとは思う。しかし、宿帳への記入をまってなくてい いかわりに、何をするのか。要は、なくした時間で何をするのか が、不明瞭な状態のままでの自動化でなくすになっていないだろ うか。  

 効率化は、大切な業務、より付加価値の高い業務に仕事 を振り分けていくための手段である。とある会社の物流部門は、 単純問い合わせの一括対応、順番対応で、より効率のよい運 び方を考えることや、仕入先との商品改良に取り組む時間を増 やしていくために、単純問い合わせを束ねることで、時間をあけ た。ただの仕入れ担当業務ではなく。物流改良、商品改良業 務にリーチしていくための手段としての効率アップである。  

 チェックインの自動化により、何の時間を増やすのか。私が 指摘しているのが局所的で小さなものなのかもしれない。しかし、 〇〇を増やすために〇〇を減らす。この考え方は、サービス業 ほど、重要になってくるのではないだろうか。とあるコーヒーチェーンが、手動のエスプレッソマシンから全自動のマシンに変えた。 変えることにより、余裕が生まれるのだが、生まれた時間をより お客さまに近づく接客にあてているところもあれば、そうでない店 舗もある。スペイン・バルセロナにある同チェーンでは、私が訪れ た店だけかもしれないが、日本人の私に対して話しかける時間として活用できていたように感じた。  

 とある旅館が翻訳機を導入した。チェックインの業務効率を上 げるためである。しかしスタッフ人たちは、その翻訳機を効率アッ プのためだけに使わなかった。お客さまとの会話を楽しむために、 「どこに行かれるのですか」、「ご家族のお好きな食べ物はなん ですか」などを翻訳機に入力して、お客さまとの会話を楽しんで いる。  

 ホテルや旅館の第一印象はチェックインで決まる。こんなこと は、言われるまでもないことだろう。でも私は気になるのである。 自動化により空いた時間は、どこに振り分けていくことが適切な のか。特に現在、宿泊しているお客さまにとって「泊まる」要 件は重要視しているはずだ。リピートする確立の高いお客さましか いない。  

 業務効率アップのキーワード、なくす、たばねる、ちらす、は、 〇〇を増やしていくためにという目的のもとにさらなる機能を発揮す る。「なくして」効率をあげたその先に、実現していきたい未来像 と合わせて、効率アップの手段に 取り組んでいこう。セントラルキッチ ンのその先に、集中管理のその先 に。業務の自動化のその先に。

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