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【ブラッド・エルドレッド】飛距離ならMLBでも10本の指に入ると言われた大砲は広島の地に降り立つとフォア・ザ・チーム精神で球団初のリーグ3連覇に貢献 飾らない性格と全力プレーで広島中から愛された助っ人

おはようございます。
日本で戦うために、海を渡ってきた
愛すべき助っ人たち。

今回は、ブラッド・エルドレッドを
取り上げていきます。

https://www.youtube.com/watch?v=LiHIlNk2gDw

1980年、アメリカ合衆国フロリダ州に
生まれた本名ブラッドリー・ロス・エルドレッドは
幼い頃からずば抜けて体が大きく
プロのアスリートになりたいという夢を抱いて
野球のほか、バスケットボールや
アメリカンフットボールに汗を流していました。

フロリダ国際大学を卒業した2002年、
MLBドラフト6巡目で
ピッツバーグ・パイレーツから指名を受けると
2005年7月22日のコロラド・ロッキーズ戦に
4番ファーストで先発出場して
メジャーデビューを飾った大砲は
55試合で12本のアーチを描きましたが
2006年は怪我に泣き、
桑田真澄とチームメイトになった2007年も
1割台の打率に沈んだ事から
シカゴ・ホワイトソックスに移籍します。

3Aでは35本塁打、100打点と気を吐きましたが
打率は2割4分4厘と安定感を欠いた事から
その後はマイナーチームを転々としながら
一軍と二軍を行ったり来たりしていた
2012年のシーズン途中、
思いがけないオファーが届きました。

3打席連続本塁打を放つなど活躍を見せていた
ニック・スタビノアが走塁中に膝を負傷し
長期離脱を余儀なくされた事から
代わりの大砲を探していた広島東洋カープは
デトロイトタイガースの3Aで
24本塁打を放ちながらも
プリンス・フィルダーや
ミゲル・カブレラといったスーパースターと
ポジションが重なり、マイナーで
くすぶっていた31歳の若者に
白羽の矢を立てて交渉を開始すると
身長196センチ、体重126キロの助っ人は
海を渡って来たのです。

7月から一軍に合流し、65試合の出場ながら
推定飛距離150メートルの照明設備直撃弾を放つなど
チーム2位の11本塁打を記録した助っ人は
貴重な長距離砲として、翌2013年も期待されましたが
開幕早々、読売ジャイアンツの菅野投手から
デッドボールを受けて右手首を骨折、ようやく復帰した
6月に今度は大谷翔平からデッドボールを受けるなど
ケガに見舞われるシーズンとなりました。

途中加入のキラやバリントンに
ミコライオといった他の助っ人が活躍を見せる中、
外国人枠の関係で契約延長は微妙なラインでしたが
野村監督の強い要望で残留したエルドレッドは
「ケニーのアドバイスのおかげさ」と
指揮官への感謝を口にした2014年、伝説となるのです。

3月、4月だけで8本塁打、23打点、
打率3割7分3厘と開幕ダッシュに
成功するとファン投票で
オールスターゲームに選出された第1戦で
本塁打含む3安打4打点の活躍でMVPに選出され
打撃不振に陥った後半戦も野村監督から
「力が入りすぎている、
相手は君を怖がっているんだ、
自信を持て」と通訳を介さずに英語で
アドバイスを受けた事から復調、
最終的に37本のアーチを描いて
本塁打王に輝きました。

エルドレッドの妻シンディさんの
誕生日にケーキを贈るなど
恩師と慕われた野村謙二郎は
「去年、球団から解雇を考えているのでどう思うと
聞かれたから、また新しい外国人を獲って
日本の野球に混乱するくらいなら
3年目の彼に期待したほうがいいんじゃないか
って伝えたんだ。
野球に真摯に取り組む姿勢や
人間性も分かっていたし
結果が出て本当に良かったよ」と喜んだのです。

打点王は阪神のマウロ・ゴメスに譲ったものの
球団の外国人選手として
リチャード・ランス以来27年ぶりに本塁打王に
輝いた助っ人は
タイトルホルダーとして迎えた2015年、
右膝半月板手術の影響で苦しい
シーズンとなりましたが
復活を賭けた2016年は開幕から
5番レフトを任されて好調を維持すると
9月29日の読売ジャイアンツ戦で
史上279人目となるNPB移籍通算100本塁打を
達成しました。

新たに2年契約を更新した2016年の
日本シリーズで大谷翔平から
ホームランを放ったエルドレッドは
「彼は傑出したピッチャーだね。
どんなにポテンシャルがあっても
投手か野手か選ぶ必要があるけど
そんな常識をひとりで変えて
しまったんだから」と賛辞を送ると
2017年は
シーズン途中まで中日のゲレーロと
本塁打王争いを演じたのです。

主に代打として2年連続のリーグ優勝に
貢献した助っ人は
右足首を骨折していた鈴木誠也を
おんぶしてスタンドのファンに挨拶し
「私がカープに加入した翌年に彼が
入団してきて、このヤングボーイは誰だって
驚いたね。必ずスターになると確信していたよ」と
パパと呼んでくるチームメイトと
喜びを分かち合いました。

日本最終年となった2018年、開幕こそ好調な
スタートを切ったものの、
その後は打率2割前後と低迷し
サビエル・バティスタにレギュラーの座を譲ると
今シーズン限りで退団、
現役続行を希望してアメリカでトレーニングを
続けていましたが
7月31日までにオファーがなかった事から
現役引退を発表したのです。

「趣味の釣りをしながら1年くらいゆっくり
休みたいね」と語っていた助っ人は
外国人選手では
異例となる引退セレモニーが行なわれると
「皆さんに御礼を伝えて野球人生が終われるなんて
夢のようです。4人の子供たちを育てながら
愛する野球を広島の地で7年もプレーできこと、
誇りに思います。本当に
ありがとうございました」と感謝を述べて
場内を一周、6度宙に舞いました。

2019年から広島球団の駐米スカウトに
就任した助っ人は
「最も重視しているのは
野球に対するアプローチだよ。
前の打席の課題を意識して立っているのか
とかね。
ネクストバッターズサークルでの仕草も
注視しているよ」
とエルドレッド二世の発掘にまい進してます。

大柄な体格を生かした長打力が武器の
パワーヒッターは
フォア・ザ・チームの高い意識を持ち、
全力疾走や堅実な守備でチームを支えたほか
二軍落ちした際にも決して腐らず練習に取り組むと
積極的に若手に打撃指導を行うなど、
そのひたむきな姿勢で選手からも
ファンからも愛されました。

引退セレモニーに祝福メッセージを送った
サファテから譲り受けたママチャリで
子供を送り迎えし、球場への通勤にも
使用するなど
広島市内の移動に愛用していた「55エルドレッド」と
書かれた自転車は、
チャリティーオークションに出品されると
155万円で落札、
広島大学病院ファミリーハウス運営基金に
寄附されたのです。

丸佳浩(まるよしひろ)から「ほぼ日本人」と言われ
西村通訳が「歴代外国人の中で一番真面目」と
評する助っ人は
「出身高校はPL学園でマエケンは
高校の後輩になります。
出身地は大阪府です」と日本語で冗談を言うほど
チームに溶け込み、
黒田が引退した際にもらったサインボールと
新井の2000本安打を達成した時のサイン入りバットが
我が家の家宝と公言するほど赤ヘルを愛しました。

飛距離ならMLBでも10本指に入ると言われた大砲は
チーム歴代最長7シーズンで133本のアーチを描き、
フォア・ザ・チーム精神で球団初の
リーグ3連覇に貢献、
自然豊かなフロリダ州の出身である事から
カントリーのニックネームで広島市民に愛し
愛されたビッグパパ、ブラッド・エルドレッド

いかがでしたでしょうか?
これからも海を渡り、日本に衝撃を
与えてくれた最強の助っ人たちを
ご紹介していきますので
是非ご登録よろしくお願いいたします。
ご視聴ありがとうございました

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