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クロちゃんバイバイ

3年位前だったかな
野良猫ちゃんの集まりに黒猫ちゃんが新入り
それから私はその子をクロちゃんと呼ぶようになっていた

クロちゃん、
初めは遠くから様子をじっと見ていたね
なかなか仲間に入れなくて少し距離を置いた場所から仲間に入りたそうに様子を窺ってたね
それを感じ取ってくれた優しいゲジちゃんが声をかけてくれて仲間入りしたクロちゃん
ゲジちゃんは面倒見の良いお姉さんで、クロちゃんはゲジちゃんのことが大好きだったね
木登りが得意なゲジちゃんを羨ましそうに見ていた君の姿がとても可愛かったよ
身体の弱いクロちゃんは木登りも苦手だったのかな
いつも見ているだけでだったね

それから1年後、大好きなゲジちゃんが車の事故で突然お空へ行ってしまった
あの時はご飯食べれなくなってたね
いつまで経ってもゲジちゃんに会えない状況を受け入れるのに時間がかかったんじゃないかな
頑張ったね
本当に頑張った

それから2年
マイペースな毎日を過ごしながら、病気とも勇敢に闘ったね
身体に痛みもあっただろうし、不快感もあったと思う
それなのにクロちゃんは愚痴も言わず、頑張って闘った
凄いよ
偉いよ
カッコいいよ

食べても食べても細いクロちゃんに胸が痛くなった
そろそろお別れの時が近づいている
それでも『ご飯ちょーだいちょーだい』とねだってくれる君はとても可愛いかったよ
頭をゴッチンと付けてくれる君は最高に可愛いかったよ
私の姿を見つけると走って駆け寄ってくれたね
ありがとう、本当にありがとう

もう脚が弱って上手く歩けないのに、精一杯踏ん張って歩いて寄って来てくれるクロちゃんの姿は一生忘れない
あんなに頑張れる人間がいるだろうかと思わされた
人は安易に人に頼り、自力で頑張ることが足りてないのではないかとも感じた
恥ずかしくなった

旅立つ前日、いつもとは違う甘え様に私は戸惑ってしまった
今思えば、彼は『僕、明日天国行っちゃうから、美味しいもの沢山ちょーだい、今ちょーだい』って何度も言ってたんだなと思う
ご飯をいつもの3倍位は食べたかな
それでもまだ足りなくて催促してたね
満足するまであげれば良かったと後悔が残る
あれがクロちゃんが食べることが出来た最後の機会だったから

そして翌日クロちゃんはお空へ旅立った

可愛いクロちゃん、よく頑張ったね
病気辛かったね
本当によく頑張ったよ
偉いよ
かっこいいよ

来世は健康な肉体を貰ってくるんだよ
もう十分病気とは闘ったから、今度は丈夫な身体で幸せな日々を楽しんで欲しいから
もう病気の経験には十分耐えたから、病気は要りません!って神様に言うんだよ
木登りの得意な猫ちゃんにしてくださいってね

クロちゃん
ゲジちゃんとは会えましたか?
きっと迎えに来てくれてるはずだね
大好きなゲジちゃんと一緒なら楽しいね
天国は快適だろうから、ゲジちゃんといっぱい一緒に走り回ったり、木登りしたり、お花の匂いを嗅いだり楽しんでね

クロちゃんに会えて沢山の愛をもらいました
ありがとう
本当にありがとう
大好きだよクロちゃん、ありがとう

クロちゃんはピュアで良い子だったね
引っ込み思案な所もまた可愛かったな
君が泥だらけの姿を見せてくれる時は思わず笑ってしまったね
また会えたら嬉しいよ

まずは疲れただろうから、ゆっくりしてね
そしてまた気が向いたら地球に降りて来て
今度は家猫さんになろうね

クロちゃん
素敵な愛くるしい時間をありがとう
クロちゃんから学んだことを忘れずに頑張るよ
クロちゃんに恥ずかしくない生き方をしないとね!
君の頑張る姿を胸に刻んで、しっかりと大地を踏み締めて生きていきます

お別れは寂しいけれど、また会えたら嬉しいな
可愛いクロちゃん
ありがとう
バイバイまたね

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