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初日 ”とにかく食べる” 福岡から東京まで車を運ぶ旅#2

 朝7時起床。渋々起きて熱いシャワーを浴びて目を覚ます。

 前日は水道橋博士を運転手として夜の生放送に送迎していた。深夜0時をだいぶ過ぎたころ帰宅して準備を整える。そこで気が付く。

 「財布と新しく買った大きめリュックがない!?」
 自分のオフィスに忘れてきた。なんというミスだ。明日の朝では間に合わない。仕方なくパジャマに上着を羽織ってオフィスへ向かう。

 無事オフィスから財布とリュックを回収し、帰宅したのが4時。

 目が冴えて眠れないがどうにか寝入って、すぐに起床時間となる。旅の支度を完了させて妻に駅まで送ってもらう。娘もついてきてくれた。

 「パパはどこに行くの?お仕事?」と聞く娘。

 「お仕事なんだ。ごめんね4日もいなくて」と答える私。

 「どうせ遊びでしょ」と指摘する妻。

 私は仕事のつもりだ。ネタになるしこうして記事も書ける。この旅の経験は私の商売道具になるのだ(と本気で信じている)。

 しかし、私はお笑い芸人の活動をしていることを妻には伝えていない。稼げてない以上、無駄な心配をさせたくないからだ。なので、「福岡に車を取りに行く」というのは妻にとって私の趣味でしかないと思われても仕方がないのである。

 品川までグリーン車に乗る。少しでも疲れを取っておきたかった。気が付いたら品川手前。危うく寝過ごすところだった。京急に乗り換えて羽田空港へ。品川の構内で車の売主さんに渡すバームクーヘンを購入。お土産と言えばバームクーヘン。異論は認めない。こともない。

 いつもは車で羽田空港に向かうが、今回は電車。なんせ車で帰ってくるのだから、空港に車を置いておくわけにはいかない。いつもは山手トンネルの渋滞でやきもきしながら2時間の余裕をもって空港に向かっているが、今回は1時間もかからないし、定刻で到着する。こりゃ今後もなるべく電車で行った方がいいかな、と思う。

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 羽田についてチェックインカウンターを探す。しまった、真逆に出てしまった。羽田空港第1ターミナルを端から端に歩く。もうへとへとである。おかげで、プレミアムラウンジでオレンジジュースをがぶ飲みする計画が崩れる。

 飛行機に乗り込みスマホを機内モードにして阿佐ヶ谷ヤング洋品店の記事を書く。書き終えて機内wifiで投稿。束の間の売れっ子感を楽しみながら爆睡。気が付けば福岡に着陸寸前。時刻は11時過ぎ。

 空港から地下鉄で赤坂駅へ。昼間は割と道が混んでいるので、博多の中心街に行くなら地下鉄が便利だ。

 待ち合わせ場所は有名な料亭の「稚加榮(ちかえ)」だ。到着すると、ちょうど順番待ちが終わり着席したところだった。待っていたのは売主さん、仲介者さん、そして旅のお供ハンクちゃんだ。ハンクちゃんは事前に到着し諸手続きを済ませてくれていた。さすが仕事ができる。

 稚加榮さんは特にランチが人気のお店で、リーズナブルにボリューム満点のお料理がいただける。味はもちろん料亭クオリティなので文句なしだ。店内にはいけすがたくさんあり、気分が上がる。

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 売主さんが食事をごちそうしてくれた上にお土産までたくさんいただいてしまった。申し訳ない限りである。

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 ということで、旅が始まった。まずはドンキへ向かう。自撮り棒を買わなければ。おじさん二人旅なので、当然そんな気の利いたアイテムは持っていない。どうにか2本入手して高速へ。そこで雨が降ってきた。もう、出発に合わせたようにだ。せっかくのオープンカーではあるが、屋根は閉じたままで出発。

 福岡の高速道路は都市高速って呼ぶみたいだ。呉服町という入り口から乗って、北九州方面を目指す。

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 高速は適度に空いていたが、雨なのでゆっくりと進む。しかしALPINA謹製の3.3L直列6気筒エンジンは滑らかに、かつパワフルに回る。トルクの出方が実に気持ちが良い。回転数の上昇に対してとてもナチュラルにトルクが増していく。回転フィールも精緻でシルキー。アクセル操作に対するレスポンスもたまらない。5速ATもマニュアル操作でシフトダウンすると瞬時に反応してくれるので楽しい。

 雨の高速をALPINAエンジンの感触を確かめながら進むと、もう北九州だ。最初の途中下車を試みる。まずは門司で降りてみよう。

 ほぼ事前知識はないが、なんとなく港町な感じというのは知っている。北九州地域はかつて炭鉱で栄えたっぽい話を聞いた気もする。あとは暴力団の抗争でおなじみな気も。

 とりあえず高速をおりて海沿いにある門司駅へ向かってみる。門司駅とその向かいにある三井倶楽部は実にシャレオツな建物であった。

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 門司駅のスタバもめちゃかっこいい。さっそく写真を撮りまくる。

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 そしてとりあえず本日の目的地は広島ということにして出発。門司を後にした。関門海峡を渡るの、めちゃテンション上がる。広島は夕方到着見込みなので夕食は広島で食べようということになった。

 夜のうちに次の目的地であり、この旅唯一のアポイントをとっている倉敷市に近づこうかという意見もあったが、ハンクちゃんが

 「最近年取ったせいか夜の道が見えにくい。雨も降ってるし、無理せず広島に泊まろう」

 という、恐ろしく筋の通ったことを言う。反論の余地なし。さっそくスマホで広島の宿泊地を探す。

 googleで検索してたら、Agodaというアプリをみつけた。なんとも安い金額でよさげなホテルが予約できる。ただ、怪しい。あまりに安すぎる。と思ってネットで調べたらちゃんとしていた。私が無知だっただけだ。

 というわけで、相鉄フレッサに宿をとり夕食へ。

 飲食店が密集する流川というエリアへ向かう。飲食店と風俗店が同居する独特の雰囲気があるエリア。しかもビジネスホテルや観光ホテルもある。

 とりあえずお好み焼き(広島風というとよろしくないらしい)を食べつつ、ビールをゴクリ。しかし、美味しいよねえ。鉄板でソースが焦げた香りがたまんないよねえ。ソースが凝縮されてカリカリの甘い焦げ跡みたいになったやつをヘラでこそいで食べると、ワクワクするよねえ。

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 ついついハシゴしてしまう。変わったものを飲みたくて「キンミヤ梅割り」というのを注文した。

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 サワーとかの欄に書いてあったので、完全に油断していた。この飲み物は、焼酎を梅酒で割ったもの。つまり、焼酎オンザ焼酎。アルコール度数的には「割れて」いないのだ。

 しかし、キンミヤ焼酎の口当たりの良さが梅酒でさらにまろやかになっていて、スルスルとのどを通っていく。焼酎ストレートであることが嘘のようだ。もう薄めの水割りのように飲める。

 そして、唐突に足にきた。トイレに立ったが、まあフラフラなのである。どうにか席に戻ったところでこれだ。

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 生ガキにイクラとウニとトビコが乗った、宝石箱。完全なる宝石箱だ。

 これを一息でチュルリンと口に入れる。磯の香とうま味が躍る。全盛期のTMネットワーク宇都宮さんのように踊る。

 もうベロンベロンである。しかし私はくじけない。通りがかりに目をつけておいたうどん屋さんに突入する。

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 シンプルにネギと卵と醤油タレを絡めたうどん。超美味しい。チュルリンコとお腹に収まる。

 そしてホテルに戻って就寝。明日は早起きして倉敷へ向かう。この旅で唯一のアポイントがあるのだ。22時過ぎ。部屋に戻るなりベッドに直行。気が付いたら4時だった。念のためツイッターを開く。案の定、水道橋博士は起きていた。1月から運転手になって、初めて博士と同じ時間に起床したが、こんなに静かな時間から仕事をしていたのだと改めて思う。

 さあ、今日もたっぷり移動だ。がんばろうぜ。

皆さまの支えがあってのわたくしでございます。ぜひとも積極果敢なサポートをよろしくお願いします。