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特許から教わる簡単で美味しい炊き込みご飯【特許レシピによる料理⑤】

※ 本記事はパテントサロン「知財系ライトニングトーク #11 拡張オンライン版 2021 冬」向けに再編集したものです。

簡単で美味しい炊き込みご飯

今まではコンソメや麺つゆをいい加減に入れて炊き込みご飯を作っていましたが、特許でも参考にしてもう少し美味しい炊き込みご飯を作ってみようかな?という気になりました。

J-PlatPat や Google画像検索 で特許を探してみたところ、特別な具材や高度なスキルが無くても即日で簡単に真似できる特許レシピが見つかりました。早速試してみます。

特許レシピ:炊き込み御飯の調理方法(特許第3845324号)

今回は 株式会社ハーツ によるレシピ(特許)を参考にします。本特許発明が解決する課題は、炊き込みご飯の素に含まれる味付け汁を考慮して水量を調整することが難しい、という点です。

【従来の技術】
【0003】
・・・・すなわち、通常の白米炊飯時に入れる水量から炊き込み御飯の素の味付け汁の分量だけ差し引いた水量に調整して、この水に味付け汁が加えられた量が丁度水分の適量となるようにすることが炊き込み御飯を美味く調理する際のコツであった。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、味付け汁の量を考慮して水の量を減らすというコツは、炊き込み御飯を調理し慣れたプロの調理人にとっては難しいことではことではないかもしれないが、実際には、米の量に応じて水加減しなければならないばかりでなく、使用する炊き込み御飯の素によって味付け汁の分量が異なるので、一般的な人にとっては決して容易なことではなかった。・・・
特許第3845324号:J-PlatPat リンク, Google Patents リンク

たしかに、少なくとも私にとって水量の調整は容易なことではないです。

では、特許の中身を見ていきます。特許の権利範囲が記載されている【請求項1】を読むだけで、発明内容がすぐに分かります。

【請求項1】
炊飯器の釜内に、米とこの米の量に応じた量の水を入れるとともに、米の上に生の具を入れ、この釜内に張られた水の水面から上部あるいは全体が出た状態の具の上に乾燥味付け材をふりかけ、この状態で釜に蓋をして、釜を加熱して米を炊くとともに具を煮て両者に乾燥味付け材の溶液で味付けすることを特徴とする炊き込み御飯の調理方法。

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特許第3845324号 図1

ふむ。「水面から上部あるいは全体が出た状態の具の上に乾燥味付け材をふりかけ」という点がポイントですね。これによって、味付け材の働きを水面から出た具材に集中させることが可能なようです。

【0025】
【発明の効果】
そして、乾燥味付け材を、釜内に張られた水の水面から上部あるいは全体が出た状態の具の上にふりかけて炊くので、濃度の高い乾燥味付け材の溶液が具に浸透しながら煮込まれることにより具の味付けを米の味付けよりも濃くすることができ、炊き込み御飯の主役となる具の味を味わい易くして、これにより炊き込み御飯の美味しさを増すことができる。

では試してみます。

特許レシピ通りに調理する

まずは人参を。水面から顔を出すために、中央に集めます。

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その後、大根と椎茸も盛ります。うーむ。半分くらいは水面に浸かってしまった。そして当然のごとく人参は隠れてしまった。

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最後に、「乾燥味付け材」をふりかけます。炊き込みご飯用の気の利いた味付け材は持ち合わせていなかったので、粉末のダシとシャンタンをふりかけます。

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どの程度ふりかければいいのかわからずなので、量はなんとなくで。炊き上がりはこちら。

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できました。具材を水面から出して乾燥味付け材をふりかけるだけなので、簡単でいいですね。特別な手間をかけずに特許発明を体験できます。

肝心のお味の方は.....まぁ美味しいです。しかし例によって、これが発明の効果によって美味しいのかは少々不明です。次は発明を意識せず、水の中にダシやシャンタンを同程度入れて炊き込んでみます。

皆様も是非お試しください。

Uchida I 知財ライター Twitter:https://twitter.com/estoppel88

#特許レシピ #特許料理 #炊き込みご飯

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