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満月の夜に次の闇夜のことを綴る

満月の夜。
南の地に来た台風の千切れ雲が漂っているのだろうか。
綿菓子のような雲が月に照らされて絵で描いたように見える。
月の光と空の闇が極端なコントラストを見せている。

約15日間で月は少しずつ欠けていく。
まん丸い出口が少しずつ閉じていく。
あの穴の向こうには光り輝く未来が待っているのかもしれないのに。

闇夜がやって来たらあの千切れ雲も見えなくなってしまうよ。
墨で塗りつぶしたような夜は怖いよ。
稜線だって見えなくなって世界が曖昧になっていく。

曖昧になった世界では空想が全てだ。
想像力は拡がってあの夜空に大きなスクリーンを広げるだろう。
そのスクリーンに光る物語は全てが自由だ。
空を飛び、宇宙をさまよい、体が裏返り、嘘が明らかになる。
星をかじりながら、龍に乗って、煙草をくわえてる。
ケラケラ笑いながら、涙を流すかもしれない。

次の闇夜。
9月18日の0時。
夢の続きを始める。

「演者」を映画化するためのクラウドファンディング。
「セブンガールズ」でやったことをもう一度やり直す。
あの時だって自分一人だけだった。
今度はもっと強く自らの意思を反映させられる形で。
相変わらずそんなこと不可能だろう?ということに挑戦する。
出来そうなことはやらない。
出来そうなことをやっていいのは僕じゃない。

きっと数字だけでみれば人数も金額も及ばないことはわかっている。
更に規模を小さくしなくてはならない状況でどれだけのことが出来るか。
まだ何も見えない。
だからこそ闇夜に始めるべきだ。

闇夜のまたの名を新月と呼ぶ。
リフレインはリセットされて、再び月は満ちていく。

「セブンガールズ」の企画段階で言われた言葉をもう一度思い出す。
「熱意だけでは何も出来ないですよ」という言葉を。
そんなことはわかっている。
熱意だけではないのだ。
だが熱意がなくては出来ないことがあるのだ。

墨で塗りつぶしたような夜は怖いよ。
不安ばかりが頭をかすめている。

けれど約束を忘れたことなんか一秒もない。
何も見えない闇の中で約束だけが光ってる。
届くだろうか?
届くだろうか?

満月の夜に。
次の闇夜のことを綴る。

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。