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11月18日よりユーロスペースにて本公開決定

再上映に向けて

ふだんニュースの話なんかしない人がポロリと「あの自衛隊のヘリの墜落はほんとうに事故なのかな?」と僕に言った。たまたま電車の中で「首相襲撃には黒幕がいると思うんだよね」という声が聞こえてきた。地球の裏側のニュースだってリアルタイムで手の平に飛んでくる時代になったのに、誰もがいつの間にか報道すら疑い始めている。パンデミックの中、ウイルスの由来やワクチンの報道にさらされつづけた僕たちは何がほんとうで何がうそなのかわからなくなっているのか。

SNSには陰謀論が溢れて、口コミサイトではステマを探し、大手新聞がフェイクニュースに踊らされて、芸能人が不倫を否定すれば嘘だ嘘だとヒステリックに喚きたてる。うそばかりの世界で、生きていることの実感はどこにあるのだろう。

「ほんとう」とはなんなのだろう。

いつか見た心象風景。心の中の景色なのに、それはまるでほんとうにあったかのように懐かしい思い出になっている。いつか読んだ小説や、いつか観た映画や、いつかみた絵画はフィクションだったはずだ。
だから僕は「ほんとう」を探す映画を製作した。

先行上映で届いたたくさんの声はそれぞれがまったく違う感想で、鑑賞してくださった皆様が自分のこととしての言葉を届けてくれたことが嬉しかった。それはきっと「ほんとう」を自分の中で体感する何かだったのだと思う。
その声が今回の再上映に繋がったと感じています。「ほんとう」は届く。その実感の日々が今から待ち遠しいです。

2023年7月 小野寺隆一


映画『演者』ビジュアル

映画『演者』
企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル
題字 豊田利晃

「嘘ばかりの世界」だ
  「ほんとう」はどこにある

【上映館】
・2023年11月18日(土)より
ユーロスペース(東京・渋谷)
@eurospace_official

出演
藤井菜魚子 河原幸子 広田あきほ
中野圭 織田稚成 金子透
安藤聖 樋口真衣
大多和麦 西本早輝 小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟
録音 高島良太 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希
制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

◆終映(特別限定先行上映)◆
2023年4月15日(土)16日(日)
・各回夕方より上映 ※限定2日間
シアターセブン(大阪・十三)
・2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)
各回10時から上映 ※限定3日間
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)
・2023年3月25日(土)~31日(金)
K'sシネマ (東京・新宿)

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。