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映画『演者』公開7日目

映画『演者』ケイズシネマ 最終日
2023年3月31日(金)18:35~ 新宿 K'sシネマ
舞台挨拶 小野寺さん誕生日
登壇:藤井菜魚子、小野寺隆一
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新宿に向かうだけで急激に寂しさを感じ始める。
もうあと2回しかないと思うと居ても立っても居られない。
なんか面白いことでも考えようなんて。

編成の方と煙草を燻らせながら少し話す。
昭和館の頃から知り尽くしている映画の生き字引のような方。
なんとも言えない寂しさと共に。

中野圭がスカジャンで到着する。
スカジャンナイトってなんだ?ってその答えは僕たちのいつものイベントだっていうただそれだけのこと。
22年間も毎週毎週日曜日に稽古をしてきて。
春と秋にはスカジャンの日、冬には革ジャンの日。
なんとなくそういう日がいつの間にかできた。
来週、スカジャンデーね。の一言で何人もスカジャンを着てくる。
実際、意味なんか何もないのだけれどそんな「いつもの」感じで舞台挨拶をしてもいいかもなと思ったということだ。

当たり前のようにスカジャン姿の織田も現れる。
予定にはないけど飛び込みで。
三人の控室はなんとも相変わらずの空気感で話す。
いつ以来なのかもわからないけれど、何一つ変わっていない。
そのいつもの感じのままで話すことも決めずに舞台挨拶をした。
撮影現場の話やら、昔の話やら、クスクス笑いながら。
みんな、いいおじさんだけど、多分、本人的にはそんなことも思っていない。

今日もたくさんの皆様に出会えた。
後輩の高橋はなんかいつもの僕たちに会ったのに満腹らしくて目が濡れていて気持ち悪かった。なんなんだ。
驚いたことに本当に平日に入って木曜まで日々動員数が増えていた。
口コミやリピーター、当日券。
あと一カ月やったら最終日は満席だぜなんてうそぶいた。

三人で呑む。いつ以来だ?なんて言いながら。
重ねた年月もある。会えなかった日々もある。呑めなかった日も。
アルコールは一瞬で昔に戻す。
圭君と織田さんは、誇りを持っている。
僕は映画『演者』で二人の誇りを守れたんだなと感じた。
それがとても嬉しかった。

帰り道、一人になった瞬間から猛烈な寂しさが襲ってくる。
0時を回って、僕は50代に突入したらしい。
やっと脂が乗った年齢になったぜ。
思えばどこに行ってもガキ扱いされてきたからさ。
まぁ、よくよく見たらガキなのかもしれないけれどさ。

公開できない映画の方が多い。それはわかっている。
だからこうして皆様に会えることが幸せなことだとわかっている。
それでもあまりにもあっという間過ぎて。
もう最終日だなんてことが信じられない。
ケイズシネマさんへ充分な恩返しは出来ているのか?
見逃してしまう人はどれぐらい存在している?
まだ会えていない人もたくさんいるじゃないか。
映画が好きな皆様に上映情報は届いているの?
考え始めると脳の中がシュワシュワ音を立ててくる。
腹が立ったり、落ち込んだり、泣けてきたり。忙しい。

僕たちは無力だ。無名だしさ。
一週間限定なのも仕方がないのかもしれない。
だから毎日お客様が増えていくだけでも誇りに思えばいい。
それはわかっているけれど。
それでも僕の心の声はここからだと叫ぶ。

コロナ禍で落ち込んだミニシアターの動員。
ケイズシネマさんでは少しずつ回復しているという。
それでも夜間は戻ってきていないそうだ。
皆、すっかりまっすぐに家に帰るようになっているという。
でも金曜の夜だぜ。そりゃ期末だし予定もあるかもしれない。
新宿のあっちのアレに行くのかもしれない。
でもさ、でもさ。でもさ。映画『演者』は最後の日なんだよ。

予約状況を確認した。
3席しか予約が入っていなかった。
朝、起きたら少しだけでも増えているだろうか?
ミラクルは起きるだろうか?
わからないけれどさ。
でも僕は口コミを信じる。
皆様の応援こそが最大の力なのだと信じぬく。

予約でも。当日飛び込みでも。
もし時間が作れたら、ぜひ会いに来てください。
映画『演者』という作品は、たくさんの方がそれぞれ違った感想をあげてくださるような映画です。
つまり誰が観ても、その人にとっての映画になる、そんな作品です。
ご友人と一緒に観れば、たくさん作品についての解釈だけで会話できる作品です。
フェイクニュースとか、ウソだらけのこの世界で「ほんとう」を探す作品です。

どうかどうか。
「ほんとう」を見つけに来てください。
お待ちしております!!

映画『演者』

企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル

「ほんとう」はどちらなんですか?

2023年3月25日(土)~31日(金)
※各日程 18:35から上映
K'sシネマ (東京・新宿)

2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)
各回10時から上映
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)

出演
藤井菜魚子/河原幸子/広田あきほ
中野圭/織田稚成/金子透
安藤聖/樋口真衣
大多和麦/西本早輝/小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟 録音 高島良太
題字 豊田利晃 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希 制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

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投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。