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過去原稿のアーカイヴ

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順次、過去に雑誌や新聞、ライナーノーツなどに寄せた原稿をアップしていきます。原稿データが残っている90年代半ば以降のものが対象になります。明らかな事実誤認やミスタイプ、勘違い等以… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

ミッシェル・ガン・エレファント『“THEE MOVIE”-LAST HEAVEN 031011』

ミッシェル・ガン・エレファント『“THEE MOVIE”-LAST HEAVEN 031011』

ミッシェルガンエレファントの解散ライヴの映画『“THEE MOVIE”-LAST HEAVEN 031011』を、東京池袋・新文芸坐のスタンディング&発声可能上映で鑑賞。

 公開時に関係者にいろいろ取材して、パンフの原稿も書いた。大画面で見るのはその時の試写以来だ。大きな画面で20年前の彼らの姿を見るのはとても感慨深かったが、映像以上にグッと来たのが音響で、オノセイゲンがこの作品に合わせ会場の音

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よく知らない人のためのビートルズ入門

 さきごろ、岸野雄一さんがこんなことをツイートされてました。

 なるほど、そういうこともあるかもな、という感じ。

 ビートルズなんて誰でも知ってる常識中の常識だと思って、自称音楽通はどんどん奥の細道に入り込み、やれ未発表テイクがどうのマトリクス・ナンバーがどうのとか、細かいトリビア話に入れ込んでしまい、これから音楽を聴こうという若い人への基本的な啓蒙や情報がおざなりにされている現状があるのかも

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[追悼 PANTA] PANTA & HAL『1980x』ライナーノート(2004年)

[追悼 PANTA] PANTA & HAL『1980x』ライナーノート(2004年)

 PANTA & HAL 『1980X』2004年再発盤のライナーを再掲する。当時、当然ご本人もチェックのため読んでいるはずだが、それに関する感想はお聞きしたことがない。パンタさんご本人には何度も取材したが、自分の仕事としてはこれが一番印象に残っている。文末に、2018年11月におこなわれた<『マラッカ』『1980x』再現ライヴ「PANTA & HAL EXTENDED」>を見た時にFaceboo

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仲野茂(アナーキー)インタビュー 「歳とってだた衰えていくだけだったら死んだほうがましだ。歳とってどんどんパワーアップしなきゃ生きている意味がねえ」

映画『GOLDFISH』でも注目を集めるアナーキー(現・亜無亜危異)のヴォーカリスト、仲野茂のインタビューである。2006年に集大成ボックスセット『内祝』がリリースされた時のもので、アナーキーの歴史を順を追って訊く内容となっている。掲載は『DOLL』誌である。

 今も昔も変わらぬ、仲野の率直でストレートな話しぶりが痛快かつ抜群に面白い。仲野には何度か取材しているが、どんな質問もまっすぐ受け止めて

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[追悼トム・ヴァーレイン] 『Songs and Other Things』ライナーノーツ

[追悼トム・ヴァーレイン] 『Songs and Other Things』ライナーノーツ

 2023年1月28日、トム・ヴァーレインが亡くなった。享年73歳。
 私はトム・ヴァーレインの最後のソロ・アルバム『Songs and Other Things』(2006)のライナーノーツを書いている。インストゥルメンタル・アルバム『Around』と同時発売で、こちらはヴォーカル入りの歌ものアルバムだった。彼にとって14年ぶりのソロ・アルバムで、リリースはシカゴのポスト・ロック系インディ[スリ

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.20 JOJO広重インタビュー:最初期非常階段を語る

[過去原稿アーカイヴ]Vol.20 JOJO広重インタビュー:最初期非常階段を語る

 非常階段のJOJO広重のインタビューである。2013年6月にテイチク・レコードから発売されたボックス・セット『極悪の教典・完全盤』のライナーノーツ用におこなわれたものだ。非常階段の最初期音源を集めたコンピレーションだが、品切れになって久しく、今のところ再プレスの予定もない。せめてインタビューだけでも再公開できないかと広重氏に打診したところ快諾いただいたので、当時の原文のまま掲載する。非常階段結成

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.18 Public Image Limited『Metal Box』ライナーノーツ(2011)

[過去原稿アーカイヴ]Vol.18 Public Image Limited『Metal Box』ライナーノーツ(2011)

 ジョン・ライドンのPILが1979年に発表したセカンド・アルバム『Metal Box』2011年にリマスター再発された時に書いたライナーノーツ。

(『パブリック・イメージ』ライナーより続く)

 残念ながら僕は歴史の本の中には生きていない。僕はその次に来る新しい章を書こうとしているんだ。前のページは見ない。
 ──ジョン・ライドン(1980)

 パブリック・イメージ・リミテッド(PiL)のセ

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.17 Public Image Limited 『Public Image (First Issue)』ライナーノーツ(2011)

[過去原稿アーカイヴ]Vol.17 Public Image Limited 『Public Image (First Issue)』ライナーノーツ(2011)

 ジョン・ライドンのPILが1978年に発表したファースト・アルバム『Public Image (First Issue)』2011年にリマスター再発された時に書いたライナーノーツ。

 残念ながら僕は歴史の本の中には生きていない。僕はその次に来る新しい章を書こうとしているんだ。前のページは見ない。
 ──ジョン・ライドン(1980)

 パブリック・イメージ・リミテッド(PiL)のファースト・ア

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.16 蓮沼執太インタビュー:蓮沼執太、影響を受けたアルバムを語る(2021年)

 ソニーが運営していた高音質ハイレゾ配信サービス「mora qualitas」の扱い楽曲の中から、蓮沼執太のバックグラウンドを作ってきたアルバム10枚を選んでもらい、解説してもらうというインタビュー。2021年2月掲載。その後「mora qualitas」のサービスが終了してしまい、インタビューも読めなくなってしまったので、本人の了解を得て再掲する。彼が熱心に聞いてきたであろうアンダーグラウンドな

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.15 ラジカセとハイエンド・オーディオ、どっちの音がいい?(2001)

 ちょっと面白い記事を発掘した。今から約20年前に共同通信社のオーディオ専門誌『オーディオベーシック』(現在は廃刊)に掲載された、私とライター・広瀬陽一の対談。どういう内容かというと、ラジカセ、ボーズのシステムコンポ、デノン+JBLの総額50万ぐらいの中級コンポ、ジェフロウランド+B&Wの総額300万円ぐらいのハイエンド・オーディオという価格帯の異なる4種のオーディオセットで、いろいろなソースを聴

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.14 ルー・リードとジョン・ケイル ーー『ソングス・フォー・ドレラ』を巡ってーー(2013)(2022/8/25追記)

[過去原稿アーカイヴ]Vol.14 ルー・リードとジョン・ケイル ーー『ソングス・フォー・ドレラ』を巡ってーー(2013)(2022/8/25追記)

 なんとオリジナル発売からずっとDVD化されていなかったのはマスターが紛失していたからだそうで、このたびマスターが発見され、4Kレストアされて劇場公開まで決まった。いい機会なので、私が2013年に書いた記事を再掲します。

 今後過去原稿を続々アップしていきます。マガジン「過去原稿アーカイヴ」に登録をどうぞ。
https://note.com/onojima/m/m1f1bcef5c6a3

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.13 スーサイド(1996)

[過去原稿アーカイヴ]Vol.13 スーサイド(1996)

『DIG』誌のパンク特集に寄稿したスーサイドのコラム。確か1996年の掲載だったと思う。

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 スーサイドは確か80年代後半に一度だけ来日したことがあるが、ぼくはそれを見ていない。ぼくが見たのは79年春ニューヨークの小さなクラブ

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[過去原稿アーカイヴ]Vol.12 ジョン・スペンサー・インタビュー(1996年)

[過去原稿アーカイヴ]Vol.12 ジョン・スペンサー・インタビュー(1996年)

 ジョン・スペンサー1996年のインタビュー。アルバム『Now I Got Worry』のリリース時のもの。掲載は『ミュージック・ライフ』誌。

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君はジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの新譜を聴いたか?

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