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高田馬場のチキンフォー【今日のおいしい小野木目線 Vol.2】

女優の小野木里奈が日常で出会ったおいしいものを紹介する、連載『今日のおいしい小野木目線』。今日は高田馬場のベトナム料理店〈Banh Mi Ngon Ngon〉を紹介する。

この土地の生まれではないが訪れるたびに地元感漂う街、高田馬場。都心と近いのに仰々しい高層ビルがたくさんあるわけでもなく、ほっとするにぎやかさがある。
私は10年以上担当していただいている美容室が高田馬場にあるので定期的にこの街に訪れる。ここは日本の学生だけでなく外国人学生も多いので多国籍料理屋さんがちらほら並んでいる。

私が思う日本人に親しみやすい外国食のひとつがベトナム料理だ。その中でも私はフォーが好きなのである。フォーとはライスヌードルで、チキンなどのお出汁で作ったスープと一緒に野菜や肉の具材と一緒に食べる。いわば、バインミーと並ぶベトナム料理のB級グルメだ。限られた時間でパパっと食べられるのも嬉しい。今日は高田馬場に訪れたら高確率で私が立ち寄るベトナム料理店〈Banh Mi Ngon Ngon〉を紹介する。

入口に入ると食券を機械で買って店員さんに渡し、席で待つスタイル。チキンフォーは850円(税込)。
店内は赤い壁と黄緑の壁に囲まれており、人口植物の蔦が天井から伸びている。テーブルは黄緑色。この日本に馴染みのない奇抜なインテリアがちょっぴり異国感を感じるのだ。
席はカウンター5席と2名がけのテーブルが3つの小さなお店。食べたら長居せずにパッと出ていく雰囲気。とはいっても、急かされるような空気でもない。日本に住む外国人学生が食べに来ることも多く、本場の味を求めてこのお店へ来るようだ。

できたてのフォーは湯気がモクモク立ちこめる

少し待っているとあつあつのチキンフォーが運ばれてきた。湯気がモクモクと立ち上がり、窓から差し込む陽の光に照らされて一層湯気の白さが増す。
この鶏出汁に混ざったナンプラーならではの独特な香りがたまらない!お魚の濃いエキスを発酵させて旨味を凝縮させたしょっぱい香りといえばいいだろうか。
私はいつもこの香りを存分に楽しんだ後、まずスープをすする。刻まれたパクチーと一緒にスープが口に流れ込むと、パクチーの苦味と爽やかさをまとってさらに香りが豊かになる。ライスヌードルのフォーはちゅるんっとしていて小麦粉麺のようなコシはなく、口の中で優しくほどけてしまうのだ。味変でレモンを搾ってさわやかスープに変身させることもできる。

たっぷりのスープに絡めて食べるのがたまらない

今日も美容院で髪の毛を素敵に仕上げていただき、さらにこのフォーでお腹も美味しく仕上げる。ふと店内を見渡すと、店員さんもお客さんと同じように座ってまかないフォーを食べている。外国人学生が母国の言葉で会話しながら食事を楽しんでいる姿も見える。カチカチしていないこのお店の雰囲気が忙しい都心の緊張感をゆるめてくれる。さて、また1ヶ月後のランチはここだな。



〈Banh Mi Ngon Ngon〉
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4丁目17−15 秦ビル 1F
03-6279-3083
定休日:なし


【筆者プロフィール】
小野木里奈女優、コラムニスト。東京都出身。
幼い頃から小説、漫画、アニメ、旅行が好き。美術館にも定期的に通っており、アートに触れることも好き。女優として活躍の場を広げるために何か自分にしかないものを取り入れたいと思い、18歳でボクシングのプロテストに合格、21歳で大型自動二輪免許を取得。現在は、バイク専門webサイト『バイクのニュース』にてコラム『小野木里奈の○○○○○日和』を毎週連載している。このnoteでは、本人自身が日々感じたことや日常を自由に、そして素直に綴る。

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