見出し画像

#11 Uberドライバー Gun Soo

「Jokguって知っていますか?韓国で人気の、サッカーとバレーボールを合わせたようなスポーツ。週に3回やってるんですよ。ちょうどその帰りのところでね。君を拾えてよかった。行き先は家の方向だし。
アメリカへは元々、修士号をとりにきました。学費4000ドル払って、手元に700ドルしかなかった。24年も前になりますね。勉強より仕事ばかりしてた。おかげで今も英語力はこの通り、酷いレベルですよ。
本当は母国の韓国で大学助手になる予定だったんですが、IMF通貨危機って、ご存知?韓国経済が突然ひっくり返りました。仕事がないと、帰国する金もなかったので、仕方なくそのままアメリカに残ることにしたんです。
バーガーショップの店舗清掃からキャリアをスタートしまして。民家の改築を手伝ったら、これだと思ったんです。自分の民家解体・改築ビジネスをスタートして、なんとかここまできました。休みなんてなかったです。埃もたくさん吸って、身体には良くないですよね。
でも、おかげさまで家族も持ててね。一人娘も大きくなりました。最近大学を出て、海外ウェディングのプロデュースの職につきまして。よく外国に出張しているのが誇らしいですよ。
昔、小さい頃の娘に言われたことがありましてね。「パパ、私アメリカの生活は好きだけど、毎日毎日こんなにパパが働かなければいけないなら、この国はおかしいとも思うの」
私はこう考えます。人間は誰でも、自分の子が、自分の代よりも、ほんの少しでもOne more stage higherに導くことがミッションだと。
韓国ですか?戻りたいかどうか、微妙なところですね。もう58歳なので、変化することが怖くなっているのかもしれません。実家は田舎の小さな村なんですよ。でも、もしかしたらそこで子供達に英語を教えるのも、悪くないかもしれませんね。」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?