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温泉に関する資格の定義と研修受講 — 温泉療法医は温泉に関して万能ではない


医師免許が必要な温泉療法医の研修

ここしばらく、インターネットに溢れている温泉の口コミやブログなどをリサーチしていました。

温泉療法医は医師免許が必要な認定医の資格です。
上位には専門医があります。

どの温泉療法医の先生も確実に他に専門分野をお持ちになっています。
日本温泉気候物理医学会は日本でも古い医学会のうちの一つですが、正直、趣味的要素も強いという異色の学会といえると思います。

もちろん、専従されている温泉療法のエキスパートの医師も多く所属しています。
https://www.onki.jp/doctor/about/
温泉療法医とは

ただ、一つ言えることは、万能ではないということです…。
他の温泉関連の資格をお持ちの方々の方が専門的な部分があります。

たとえば、泉質や分析表に関する内容に関する知識や研究が医師は他の資格保有者よりも知識が豊富でないかも、と感じることがよくあります。

それは、今までの経緯と理由があります。

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泉質に関する研究や分析書を発行する研究者の先生は薬剤師の先生だったのです…。

医学会に発表する論文を作成するにはエビデンスを提出するのがあまりにも難しく、成果発表や収益につながらない、他の専門分野の医学者からも認められないので淘汰されていったという経緯があります。

泉質について評価され、議論されている活発な温泉ファンのみなさんの投稿を拝見するたびに、落日・日本の温泉医学研究の衰退を憂う日々です。(自分は参加していないのですけど)

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これが、私が研修を受けた時のテキストです。1)

古いのですが…、2日目の最初にある、甘露寺泰雄先生が、日本全国の泉質を研究し、分析書をかなり発行されたことは温泉療法医の中では有名なお話です。

現在もご存命な様子で何よりで、当時もかなりご高齢だったのですが、知識が豊富で、喋りまくる、パワフルなすごいお爺さん先生だった記憶があります。

温泉に関する著書も多数です。

昔は生で拝見できた第一人者もすでにご高齢になり、新しい学会の研究報告として一般的に受ける内容としてはすでに古くなり、情報が少なくなっている、ということです。

研究者内の需要と供給の問題で、民間・日本全体の温泉の需要の話からすると、これからも必要な分野なのですが、医師はそこまでこの分野に強くないというのが現実です。

ただし、最初に研修があり、そこでは講習を受けています。

あとは、独学です。

定期的に送られてくる機関誌で最新の情報がないか確認して知識を新しくし、更新時期には研修も受けます。2)

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同じ温泉地に行っても、人によって感じ方が違う中でも、決定的に、誰もが同じように体感する、同じ気持ちになる部分もあり、口コミやコメントは重要で、なによりも、各訪問先の温泉の現地で役に立ちます。

最近は温泉ソムリエの資格保有者の方々のコミュニティをTwitterで拝見し、即時性のある大量の情報に圧巻されています。

温泉医学とはまた別の気持ちなのですが、何か有益な情報をご提供するヒントをいただいている気がして、感謝して拝見しています。秘境温泉の動画など、とても貴重ですよね。
中には優れたレポートもあります。

同じ資格保有者の講習会では、参加者同士で交流を深め、SNSやブログでは温泉の投稿を通じて、仲良くなり、一緒に温泉に出かけたりされているようです。

一般社団法人日本温泉気候物理医学会規則集
12. 温泉療法医会会則
第1章 総則
(目的)
第2条 本会は, 温泉療法医(以下療法医と略す)の知識の向上に必要な情報交換, 研究, 親睦および国際交流を通じ, 温泉療法の発展を図り, ~(割愛), 広く社会へ貢献することを目的とする.

温泉療法医の会則にも情報交換・国際交流と明記されています。ご参考までに。

先人の知恵と既存の組織 — 何が必要か考えた。

官民両方からの攻め方があるとして、トップダウンは弱体化しつつも存在し、ボトムアップ、ボトムとは今や言えない、粒ぞろいの光る意見を発信するアカウントを支持する民意やインターネットの無数の匿名の意見から何を吸い上げることができるのか。

マーケティング視点も取り入れながら、従来の温泉医学と観光の利点を組み合わせ、何か有益な情報を発信できないか模索し始めた次第です。

大先輩、常日頃から温泉医学に専従し、研究活動を行っている先生方もお名前と成果発表の概要は存じており、新しい情報など、機関誌で確認しています。

以下、日本温泉気候物理医学会関連の温泉研究組織です。

http://www.jph-ri.or.jp/
日本健康開発財団

一般財団法人日本健康開発財団は、温浴施設の開発・普及、総合健診センターの運営など、国民の“健康・生きがいづくり”を基本テーマに、研究調査・健康増進・健診事業に取り組んでいます。

http://www.onsen-msrc.com/
温泉医科学研究所
わたしたちは「温泉・入浴」の医科学的な研究を推進するとともに、産学官のハブ的役割を担うことを目指しています。

http://www.jph-ri.or.jp/research/index.html#shintoji
【環境省】 新・湯治による効果の把握
みんなの新・湯治プロジェクト(環境省の事業を受託しています)

https://j-medical-healthcare.com/
JTBグループでは、『ヘルスツーリズム研究所』『ジャパン・メディカル&ヘルスツーリズムセンター』を設立し、日本国内を始めとした世界の人々に対する健康増進・健康回復に貢献する新たな医療・健康サービスの創造を目指しています。

温泉療法医・医療関係者に関連する資格

以下、正式名称・主催機関名・定義・公式サイト・受験、受講資格・日程(定期的な場合間隔)などを掲載します。

▼温泉入浴指導員
 温泉利用を安全かつ適切に指導できる能力があり、身体測定、生活指導、応急手当てができると判断された方に修了証を発行する。

▼温泉利用指導者
 保険師、管理栄養士、健康運動指導士などの資格を持ち、温泉医学、温熱生理・治療学等の基礎的な知識をベースに指定の温泉を利用した健康増進施設の利用者が適切に利用できるように指導するとともに、医師の指示に基づき温泉療養を目的として施設利用者に対し援助などを行うことができると判断された方に修了証を発行する。

日程:2ヶ月に1回、2日にかけて関西と東京で催行
主催:一般財団法人日本健康開発財団

http://www.jph-ri.or.jp/guide/
温泉入浴指導員・温泉利用指導者 受講のご案内

▼温泉保養士
温泉医学、予防医学に基づき、温泉の持つ保健的機能を引き出す知識、技術を習得し、温泉療法を活用した健康づくりを安全かつ適切にアドバイスできる人材。
受講制限はなし。
※こちらの資格は医師でも取得される方がいるようです。
 「バルネオセラピスト資格取得者からの声」より

日程:年に1回、2020年6月12日(金)~14日(日)
全11課程(講義60分×10課程・実習60分×1課程)
主催:一般社団法人 日本温泉保養士協会(バルネオセラピスト)
   http://www.onsen-hoyoushi.com/

http://www.onsen-hoyoushi.com/guidance_balneo.html#schedule
温泉保養士資格取得講習会案内

http://www.onsen-hoyoushi.com/balneo.html
温泉保養士とは

観光としての温泉に関連する資格


一般的に温泉の資格として知られているものをご紹介致します。

http://onsen-s.com/
温泉ソムリエ
主催:温泉ソムリエ協会

https://www.nihonsupport.org/syumishikaku/onsen/
温泉観光アドバイザー
主催:日本生活環境支援協会

https://www.jpinstructor.org/shikaku/onsen/
サナトリウム健康アドバイザー
主催:日本インストラクター技術協会

http://onsenchiiki.web.fc2.com/RSA7.html
温泉観光士
主催:日本温泉地域学会

https://onsenshi.exblog.jp/
温泉観光実践士
主催:温泉観光実践士養成講座実行委員会

https://www.spa.or.jp/news/seminar/3143/
日本温泉名人認定試験「温泉検定」
主催:一般社団法人日本温泉協会内「温泉検定実行委員会」

http://www.beppumuseum.jp/meister.html
温泉マイスター検定
主催:別府温泉地球博物館

今回、観光関連の温泉資格について調べてみたのですが、面白いですね。

日本温泉名人認定試験は今年が初回の新しい検定のようです!
日本一の難関といわれているのは、別府温泉地球博物館主催の「温泉マイスター検定」。

簡単に取れるものもあるようなので、一度、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

これからも、温泉療法医としての目線で、健康づくりに役立つ様々な温泉医学情報をご紹介していきたいと思います。
セルフメディケーションの時代、ぜひ、日常にお役立ていただけましたら幸いです。

本日はご訪問・ご拝読頂き、誠にありがとうございました。
今後とも、よろしくお願い致します。


1)温泉療法医研修会テキスト 有限責任中間法人日本温泉気候物理医学会 表紙・スケジュール
2)日本温泉気候物理医学会 お知らせ 第5号2019年6月 表紙
3)日本温泉気候物理医学会雑誌 第82巻 第2号 令和元年5月 表紙

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