Aokigahara

資本主義の残りカスを搔き集める それは文学だったり哲学だったり

Aokigahara

資本主義の残りカスを搔き集める それは文学だったり哲学だったり

最近の記事

<自殺するほどマジでやっている>マーク・フィッシャーと鬱病

鬱病患者というものは、つねにあるひとつのことに自信をもっているものである。つまり、じぶんにはなんの幻想もない、ということに。 (わが人生の幽霊たち――うつ病、憑在論、失われた未来) マーク・フィッシャーはイギリスの若者が政治に無関心であることについて、それは「再帰的無能感」の問題である、と述べている。「再帰的無能感」それは無関心でもなく、冷笑主義でもなく、事態に対してなす術のないことに対する「了解」のことだ。 2009年に出版され

    • 華倫変という漫画家と100日後に死ぬ光うさぎ

      苦しみってのはただ噛みしめるように なれていくしかないのかな・・・ これは『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』という漫画の中のとあるセリフ。作中、岡山三奈という人物が述べる「唯一の本音」とされている言葉である。そしてこのセリフは28歳でこの世を去ったこの漫画の作者である華倫変の本質そのものであるように思える。 『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』には『忘れる』『あぜ道』『下校中』『木々』『ねむる部屋』『コギャル 危ない放課後』『酒とばらの日々』『とにかく現世はくだらなす

    <自殺するほどマジでやっている>マーク・フィッシャーと鬱病