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Amazon Prime Videoで「水は海に向かって流れる」観た

やっぱり広瀬すずが好きですね。

というわけで観ました。
田島列島先生の大傑作、「水は海に向かって流れる」の実写版。

原作既読組は納得じゃないですかね。
多分読んでない人にはあんまり刺さんないんじゃないかと。

原作だと作風もあって榊さんの美人度がいまいち分りづらいですが、
(作風ですよ、作風)
そこはもう広瀬すずが演じることによって「孤高のいつも不機嫌そうなちょっと近寄りがたい美人」
が完璧に再現されていますね。
ビジネスカジュアルの広瀬すずも私服の広瀬すずも部屋着の広瀬すずも全部いい。
この記事のヘッダー画像はポトラッチ丼を作る広瀬すず。
ひとつだけ文句をつけるとするならば、「ポトラッチ丼」って自分で言っちゃダメですね。
あれは揶揄なので。陰口で言われてこそ引き立つ名称なので。

余談ですが、やたらと広瀬すずの料理シーンが出てくる本作。
広瀬すずがエプロンをして髪を縛る所作はもう最高オブ最高なんですが、
多分ワケがあって、
怒りを鎮めたいときに料理はいいです。
多少なりともキッチンに立つようになって改めて思いました。
料理の時は料理以外のことを考えると失敗するので、ほかのことに気を取られている暇がないからです。
以上余談終わり。

直達くんも「どこにでもいそうな高校生」の感じがいいですね。
田島先生は「どこにでもいそうな普通の男子」を描くのが本当にうまいし、
「その感じ」を見事に実写にしてます。

内容についてはやっぱり主人公二人が抱えているものがそれなりに重くて、
原作は田島先生の洒脱なセリフ回しとライトな登場人物造形のおかげでポップ&ファニーな雰囲気に仕上がってたわけなんですが、
やっぱり実写にしちゃうと重さの方が前に出てきちゃうよね。
あと年の差が気になっちゃう。実写になっちゃうと途端に「そんなわけねぇだろ」感というか。生々しさというか。

生々しさで言うと周りの大人たちもそうで、
人間って大人になって自我を通そうとすると結構ハタ迷惑な人間になるんだなぁ、ってこれは実写の方がよりリアルに感じましたかね。

ただ、この作品はタイトルがすべて言いたいことを表現し切っていると思っていて、
「世の中自分の力ではどうにもならないことも山ほどあるけれど、そんなことも怒りも悲しみも時に笑顔も全部飲み込んで、
何事もなかったか"のように"今日も水は(川は)海に向かって流れる」
このテーマは映画にもちゃんと引き継がれていました。

川べりのシーンが多いのは隠喩というか。

「ケイコ 目を澄ませて」の件でも書きましたが、

川がね、好きなんですよ。

だからですかね。
ラストは原作とは少し違いますが、妥当な終わらせ方でしょう。
原作と同じラストにしちゃうと「そんなわけねぇだろ」感が増しちゃう感じするので。

主題歌がスピッツなのもいいですね、甘酸っぱさ2割増し。

あと直達くんのクラスメートで秘密を共有しちゃう楓ちゃん役の當間あみさん。
カルピスのCMの子ですね。
めちゃくちゃかわいいですね。
いや、マジで。
直達君と二人のシーンは多分どうしても原作通りに入れたかったんだろうけど(作中屈指の名台詞が飛び出るので)、
とってつけた感じになっちゃったのが残念。
彼女のせいじゃありません。
お詫びにカルピスのCMをどうぞ。

抜群の透明感。

広瀬すずファン、當間あみファン、原作ファンは観て損はないかと。
原作未読組は読んでから観るか、観てから読むかして欲しい。
じゃないと細かいセリフ回しとか雰囲気が伝わんないと思う。
結構トリッキーな設定が淡々と進んでいく内容ではあるので。

見逃してそのままにしちゃってるんだけど「子供はわかってあげない」も観ないとなー。

★★★☆☆

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