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キジとシラサギとテントウ虫

自宅から自転車で10分ほどに、田んぼのある公園がある。
田んぼにはすでの水が張られ、一部は田植えが終わったところもあった。
 
日本の農業の原点のようなのどかな、ほのぼのとした風景が広がっている。何を考えているのかシラサギが頭を上げて微動だにしない。
草むらではテントウ虫が密になって会食している。
 
その時だった、「ケーン・・・」とかん高い声が聞こえてきた。
明らかにキジだ。
どこにいるかと目を走らせば、田んぼの畦に悠然とした態度でこちらを見ている。
真っ赤な顔に瑠璃色の首筋、なかなかの美形だ。
 
ふと思い出した。
「キジも鳴かずば撃たれまいに」の文言。
Weblioの解説によると
キジ鳴くことがなかったら猟師に気づかれて撃たれることもないだろうに、という意味の表現転じて無用なことを言わなければよいのに、無用なことを言ったばかり災難被っている、といった意味合いで用いられる言い回し

鉄砲のかわりにカメラを向けてシャッターを切った。
災難にまけず長生きしてくれ・・と祈りながら。
 
山仲間では、キジ撃ちと言えば用を足しに行くことだ。
漁師がキジを撃つときの姿に似ているからだ。
ちなみに女性の方は「お花摘みに行く」という。
その姿はそんなに変わらないと思うが・・・?
 
相変わらず田畑が造成され住宅にかわっていて、自然の姿はだんだんと少なくなっている。
人間の欲望が自然をこわし、最近では人間が人間を破壊するような前近代的な時代になった。
培われてきた人間の知恵はどこに行ったのか・・・

田園風景
水彩画にしてみた
視線があった。「大丈夫、撃ちはしないよ」
会食にはソーシャルディスタンスをとるように。
シラサギがいるのだけど見えるかな?