私がウクライナ義勇兵に志願しない理由
元陸上自衛官(現予備自衛官)の著者です。
タイトル画像は若き日の学び舎陸上自衛隊通信学校(久里浜駐屯地)本部
今回は、急激に連絡をもらう事が増えたウクライナ義勇兵に志願に関し、私は志願しないです。という事、その理由について書きたいと思います。
ウクライナ政府が義勇兵を日本語で募集
既に報道で伝えられてご存じの方も多いと思いますが、ウクライナ政府が外国人の義勇兵を募集しています。
https://mainichi.jp/articles/20220301/k00/00m/030/165000c
報道では義勇兵募集に約70人が志願(内50人が元自衛官)との事。
そして、友人知人から「お前行くの?」「志願した?」とメールや電話が届くことに。(現在も継続中)
連絡をくれた友人、知人の連絡理由 一部
・なんか行っちゃうんじゃないか?って思った→ なぜ??
・フィジカルなのcyberなの?→ なぜ義勇兵参加前提なのか謎。
・行かないで!危ないから→ 行きませんのでご安心ください
・一緒に志願しないか?もう志願した?→ なぜ誘う?
・エストニア電子国民なの?だから行くの?→それは関係ないじゃろ。
先に結論:私は義勇兵に志願しません
結論:私は志願しません。そして応募条件を満たす方にも志願について広い視野で考えてほしいと思います。
私はTwitterでウクライナ義勇兵募集を知りました
友人から教えてもらい在日本ウクライナ大使館の義勇兵募集を知りました。
ウクライナ政府の義勇兵募集Twitter文
Звернення до громадян іноземних держав, які прагнуть допомогти Україні уїї боротьбі проти російсько агресії
Подробиці за посиланням
ウクライナを支援したい外国の市民へのアピール
ロシアの侵略との戦いにおいて戦いなさい。
詳細は次のリンクにて
(訳は超ざっくりです)
ウクライナ義勇兵の応募条件
応募条件に挙げられているのが「自衛隊経験」など専門的な訓練経験との事
以前より元自衛官の他国軍入隊や義勇兵出国者はいます。
知ってる限りでは以下のような組織に加わっている元自衛官がいます。
1,カレン民族解放軍(ミャンマー:義勇兵)
2,フランス外人部隊(フランス:正規軍)
3,PMC(Private Military Company:民間軍事会社 多くの国に存在)
私の友人も上記組織に所属するものがいますが、彼らは自らの判断と責任において決断しており、それをどうこう言うつもりはありません。
ただ、日本人として判断・責任を考える際、日本の法律理解は不可欠です。
日本国外で義勇兵として活動する際に関連する日本の法
海外で義勇兵として活動しようとした際には日本の刑法に触れる恐れがあります。
ただし、前項で示したフランス外人部隊はフランスの正規軍なので、軍の正当な作戦において戦い殺人を行った場合、フランスの法律が適用されます。
簡単に言えば、日本人が戦闘行為を目的とした義勇軍に参加しようと予備行為を行った段階で違法性があると言えます。
参考:仏外人部隊の試験は日本語でok(友人談)
今回の義勇兵とは関係ないですが、フランス外人部隊の試験は日本語でも受験できます。(と友人から教えてもらってびっくり!)
給料はざっくり1800ユーロくらい(だいたい23万円ほど)
こういうキャリアもあるって事を義勇兵を考える諸氏に伝えたいです。
リンク:在日本フランス大使館 https://jp.ambafrance.org/article9023
法だけじゃなく、義があるのか?
戦う理由、大儀など言い方は色々だと思いますが、場合によっては人の命を奪い、自らの命を危険にさらす戦闘には自らを律する「義」が必要だと思います。義勇兵の「義勇」を辞書で調べてみました。
・ウクライナがかわいそう。
・侵略するなんて言語道断。
だから戦いに参加する!ではなく、
義勇兵に参加する事でわが国へ与える影響がある事も考えたいです。
もし、日本人がウクライナ義勇兵に参加したら発生しうる影響。
・現在、ロシア国内で暮らす日本人、日系人の立場はどうなる?
・国際的な和平プロセスでの日本政府の活動に悪影響の可能性は?
など。
世界中、平和を望んでいます。
平和を得るための手段として、起きてしまった紛争を終わらせるめの戦闘がある事は理解していますが、手段はそれだけではありません。
私は、ウクライナ義勇兵に志願しません。
もし、志願を考えている元自衛官の方いるとすれば今一度平和について考えていただきたいと思います。
元自衛官の皆さん、職務宣誓を思い出しませんか?
そして、自衛官の職務の宣誓を思い出しませんか?(覚えているでしょ)
国民の負託にこたえるために訓練したのです。
大事な事なのでもう一度
私たちが小銃を扱ったり、手りゅう弾の投擲を経験したり、戦闘訓練や演習を経験したのは「わが国の平和と独立を守るため」ですよね。
これら服務の宣誓は元自衛官の多くが暗唱できると思います。(私も覚えててびっくり)。お近くの元自衛官にお試しくださいませ。
まとめ
私がウクライナ義勇兵に志願しない事とその理由をつらつらと書いてみました。決して義勇兵を募る事が悪いとか、参加する人を否定するつもりは全くありません。
心配して連絡くれた皆さん、ありがとうございます。
最後に
ウクライナ情勢の報道を見て、決して遠い国の事と考えないでほしいです。
地球は一つ。世界各国さまざまな線でつながっています。
世界のバランス、極東地域のバランスなどを考えて平和について考えてみませんか?
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