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双極性障害、という病

庭のミモザの蕾が少しずつ開こうとしているこの季節、私は毎年気分の波に翻弄されている。春は自律神経が乱れやすく、だれでもある程度は気分が沈んだり、安定しないものらしい。

ただ、私の場合はその「気分の波」の上下が人よりも大きい。てっぺんまで上がったかと思ったら、一気にどん底まで落ちる時も珍しくない。そのようなことが、なんのきっかけもなく突然起こる。なにかを楽しんでいても、急に消えたくなったりするので、自分でも戸惑う。昨日まで楽しかったことが突然楽しくなくなる。気力がなくなり、何も手につかなくなる。この症状が、春は特に多くみられる。

私が双極性障害の診断を受けたのは、9年くらい前のこと。もう10年近く、この病気と付き合っていることになる。薬は常に飲んでいるが、基本的には普通の人と同じように働いたり、食事をしたり、遊んだりしている。気分の波も、普段は上でも下でもなく、フラットな状態を保てていると思う。ただ、最初に話したとおり春は毎年気分が波打つことが多く(特に急降下が多いのでやっかい)、静かに暮らして波が落ち着くのを待つべき時期なのだ。少なくとも、去年まではそうやって過ごしてきた。

そんな時期に、今年は「ひとりぐらし」を計画しているものだから、特に心がざわざわしている。気力も続かず、毎朝起きていちばん最初に頭に浮かぶのが「早く一日が終わりますように」なのだから、深刻だ。それでも今動かなければいけない、という思いはずっとある。気力がない時でさえ、その思いは心のどこかに必ず存在していて、私を急かす。おそらく、今年行動を起こさなかったら、もう二度とチャンスはないだろう。両親も年を取るし、犬も年を取る。今の状況が変わってしまったら、家を出ることは難しくなるはずだ。

自分に言い聞かせながら、日々無気力でもひとりぐらしに向け、情報収集を続けている。来月はじめごろには、改めて母とじっくり話をしなければならないだろう。

母との対話。それがおそらく何よりも私の心をざわつかせている原因だろうことは、言うまでもない。

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