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お袋が膵臓がんの手術後、せん妄になったときに書いた備忘録

※3年前、お袋の膵臓がんの手術後にfacebookに投稿したものです。お袋と自分が体験した癌との戦いはこちらにマガジンにしています。

https://note.com/oosawa/m/me988fc409f09

-----以下、当時の文章-----

お袋が明日退院する。
とはいっても、退院して、今度はリハビリ専門の病院にまた入院するんだけど、正直、手術後のせん妄からの意識障害は良くならないどころか、悪化している部分がある。
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先週までは、説明したら自分が膵臓癌で手術して病院に入院していることは思い出していたんだけど、昨日は説明しても思い出せずにいて、自分がどこにいるかに見当がつかなくなっていた。
相変わらず、夢と幻覚と過去がごっちゃになって、逆に現在起きていることが脳内から次第に消去されていってるんじゃないかって感じてきて、このまま元に戻らないんじゃないかって覚悟も考えたほうがいいのかと思いだしてきた。
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そんな状況だから、病院食もワガママを言って全然食べないし、筋力は落ちる一方だから当然、歩けるわけもなく、寝たきり状態。
手術した部分はもうとっくに良くなっていて、本来だと1ヶ月で歩行も戻って退院のはずが、寝たきりなので家にも帰ることもできず、リハビリのために転院。
1ヶ月前、普通に歩いて会話しながら手術室に入っていったときは、こんなことになるとは思ってもみなく、ただ癌の手術のことだけを考えていた。
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人生なんて、ドア1枚、隔てられただけで大きく変わってしまうことがある。
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1週間か10日で、ある日突然、紙を剥がしたように回復すると言われ1ヶ月。
暴れることはなくなったけど、目を開けながら絶えず夢の中にいる状態が続くようになった。
ほぼ毎日、見舞いに行く度に、普通に戻ってるんじゃないかって期待しながら行くけど、現実にはいない見舞客の話をしだすのを聞いて、ああ今日もダメだったか・・・の繰り返し。
明日、転院することで、何かが変わることを期待したいけど、最悪のケースも想定して、クールにリスク管理を遂行している自分もいる。
歳を取るということは、こういうことなんだと、親が歳を取る事、自分が歳を取る事、両方について納得する。というか、納得しなければ続かない。
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「まだ71歳で、寝たきりはいくらなんでも早いんじゃないか?」と言うと、それはヤバいと一瞬、顔つきが元に戻る。
まだまだ元に戻る可能性はある。
しかし、どこまで戻るのか・・・第2ラウンドが始まる。

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