2DK 追記



追記.永野雪乃
あいる君に愛されたかった。少しだけ愛されて嬉しかった。長い接吻をして時間が経つのが早かった。「知ってる?キスをしてる時は地球の自転がはやいんだよ。」
「そんなことないじゃないですかって言おうとしたけど、そうかもしれませんね。」
あいるくんはそう言った。

あいるくんは私に文乃の話も奈々ちゃんの話もしなかった。するのが嫌だったのかもしれない。知られたくなかったのかもしれない。あいるくんは私のことを大切な人と言った。だから奈々ちゃんの埋め合わせにはしたくないと。

あいるくんの家を出てから1人で生活するようになった。人がいない生活は辛かった。誰におはようを言って誰に只今を伝えるのか。おやすみと言い合える人がいない。

あいるくんはよく酔った時に
「雪乃さんと奈々は似てます。」
なんて言っていた。わたしを重ねてみてる?て行ったら否定してたけど、やっぱり何処か重ねて見てたんじゃない?知らないけど。

あいるくんのことが好きだった。何故か分からないけど気づいたら惹かれていて、依存してた。
あぁ、辛いな。やっぱり私じゃダメだったか。

私は今も幸せを掴めてません。

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