背中から伝わる君のぬくもり
息子は寝るとき、必ず体をくっつけて眠る。
体を寄せるだけでは飽き足らず、私の枕を半分使い、私の布団にもぐって寝入る。
まるで、付き合いたての恋人のように。
一方で、私は自分のテリトリーに誰かが入ると眠れなくなる体質だ。新婚当時から、夫とはベッドを別にしているほど。
本当は自分のスペースで寝たいけど、息子には関係ない。
マイペースに息子はぐいぐいと自分の体を押しつけてくる。
そのため、私はいつも壁に追いやられる。
向かい合って寝ると息子がふざけるので、私は壁向きに寝るのが定番。息子は反対側を向き、お互いの背中をピタっとくっつけあうのが、私たちの暗黙の了解だ。
そろそろ寝たかな?
向きを変えると、まだ寝ていない息子と目が合い、おしゃべりが再開することもある。
それでも、体温に安心するのか、いつの間にか寝息が聞こえてくることがほとんどである。
今日は支援センターに行くため、息子は幼稚園をお休みした。
センターに行く日を「がっこうにいく」と息子は表現する。
ママパパと行ける
ストライダーで行ける
好きなおもちゃで遊べる
先生が一緒に遊んでくれる
その他にも、息子なりの良さを感じているのでしょう。
「きょうは、がっこう?」
と毎日、確かめてくる。どうやら幼稚園より好きらしい。
支援センターでの息子は、のびのびと自由に過ごしている。
出会う先生ごとに「こんにちは!」と挨拶するし、閉まっている扉を開けて先生を探し出し、声をかけるほど。
人見知りしないし、物覚えがいい彼にとって、ココはきっと安心できる場所なのだろう。
同じクラスに通う子と波長が合うのか、よく追いかけっこしていて驚かされる。
幼稚園の参観日では、だいたい1人で絵本を読んでいることが多い。だから、お友達と一緒に遊んでいる姿を見るのは新鮮だし、何より嬉しいのである。
刺激的な支援センターで全力で遊んできたから、昼寝をしてほしいのが本音。けれど、家に帰った息子はマイペースに遊ぶのに夢中で、なかなか寝てくれない。
今日も同様だった。
午後2時をすぎてもトミカを離さなかったので、私も一緒に寝室に行った。
眠くないと寝室から飛び出してしまうけど、さすがに出ていかないのは眠い証拠。
きっとすぐに寝るから、あの仕事をここまで進めて…
脳内でプランを考えていたら、いつの間にか寝落ちしていた。ここのところ睡眠不足だったし、何より息子の体温に解れたのだろう。
息子は私の枕半分を使って、寝息を立てていた。
寝顔をじっと眺めていたら、「いつまでお昼寝をするのだろう」と想像がわき立つ。
4月から年中になる息子。
休日も、だんだんと昼寝しない日が増えてきている。
幼稚園に入るまでは、とにかく午前中に目いっぱい遊ばせて、昼寝をさせるのが最大のミッションだった。
娘と息子が同時に寝る1〜2時間が、唯一の自由時間であり、それが楽しみだったのを思い出す。
なかなか寝てくれないとイライラしたし、早く起き出してくると自由時間の終了に凹んだもんだ。
でも、そんな息子もどんどん大きくなってる。
「さぁ、お昼寝しようか!」と寝室に促すタイムリミットが近づいている。
子どもが大きくなるのは嬉しいけれど、どんどん自分の手から離れる寂しさが急に襲ってきた。なんだかセンチメンタルな気分。
きっと背中の体温があまりにも温かくて、名残惜しくなったのだ。
もしかしたら疲れもあって、気持ちもおセンチになったのかな?
気持ちを切り替えて、ギアを入れ直す。
さて、寝てるうちに執筆を進めなきゃ!
ベッドから起き上がり、息子に私の布団をかけてあげる。天使の寝顔に後ろ髪をひかれながら、仕事机に座る。
執筆し始めて30分後。
寝室からドタドタと走る息子の足音が聞こえる。
え?もう、起きてきた⁈
時計を見ると、昼寝して1時間しか経ってない。いつもは2時間寝るのに、なぜ今日に限って……。
まだまだこちらでコントロールできない子育ては続きそうだ。
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