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安請け合いをしない

できないことをできないと言いました

今日、できないことを断りました。
できないことをできると言うというのは、安請け合いをすることです。
一般的に「安請け合い」というのは、できるかどうか分からないことを引き受ける、先のことを考えずに引き受ける、という意味もあるけれど、今ここで「安請け合い」という言葉を書いてみたら、自分を安売りしない、という意味もあるのかもしれない、と思い始めました。

一つ請けたらまた頼まれてしまう

先日、とあるレポートの一部分を執筆することを頼まれました。
もう締め切りが迫っている状況です。
スケジュール的にもスキル的にもできるのは私しかいないと思い、引き受けました。
しかし、その頼まれごとに目途がついてきた頃、ある欠陥をそのレポートに見つけてしまいました。
それを報告すると、とても軽いノリでその修正まで頼まれてしまいました。
しかし、これを修正するためには、さらに倍以上の時間を要するでしょう。
何より、時間がかかるだけでなく、リサーチから始めなくてはならないのでとても労力の必要な作業です。
そして私には、この作業に取り掛かる前に取組んでいた業務もあり、その進捗も気になっていました。

「他の業務もありますので、これより先はできかねます。」

すぐに私の口からはこの言葉が出ていました。

これもできたからあれもできるんじゃない?

最初に頼まれたときは、確かに私の力量とその業務の負荷が見合うものだったと思います。
それこそ、私を信頼して任せてくれたのでしょう。
しかし、追加での依頼事に関しては、一見私ならできると期待されてのように考えがちですが、「これができたんだからこれもできるだろう」と軽く見積もられているような、このときはそんな感じがしてしまいました。

「安請け合い」の「安」って?

「安請け合い」の「安」という漢字を見て、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
「安易」「安価」「安直」「安売り」「安値」こんな言葉が思い浮かぶのではないでしょうか。
「安易」に「安直」に依頼を請け負うことは、先を見通さずに無責任に引き受けることです。
そして、自分を「安価(安値)」で「安売り」して依頼を引き受けることは、価値の担保をしない、これもまた無責任な行為です。
どちらも、結局その場しのぎでしかなく、思うような、期待されるような結果も出せず、信頼関係も損なう可能性があります。

自分を知ることと、自分がどう思われているのか想像することが必要

安請け合いをしないために気を付けることは、自分の力量、キャパシティを知っておくことです。
責任感や奉仕の精神が強くても、結果が伴わなければ相手に迷惑をかけることになります。
相手に迷惑もかかる上に、十分に成果の出なかった結果の責任を引き受けなければならないこともあるかもしれません。
だからこそ、この依頼に自分が見合っているのかを見極める必要があります。

そして、依頼主がなぜ自分に頼んできたのかも考えてみるといいかもしれません。
本当に結果を期待して任せてくれているのか、それとも断れない人柄を知ってその部分で言ってきているのか…
残念ながらこういうパターンもないとは言いきれないのです。
安請け合いしたところで、それが善意から生まれたものであっても、結果は自分で引き受けることになってしまいます。
チャレンジのためにやる、ということなら、それはそれで構わないのですが、その場合はきちんとその旨を相手に伝えておく必要があるでしょう。

安請け合いをしないのは、自分も相手も大切にするということ

自分の力量を自分で知っておく、これは自分を守るためでもあるし、相手に迷惑をかけないためでもあります。
無理ができる時ならば、信頼に応えるために必死でがんばるゆとりがあるのならば、それは安請け合いではありません。

安請け合いの中で無理をしても、結果が出て来るものではありません。
また、安請け合いの中で無理をするというのは、自分を犠牲にしていることかもしれません。

何かを頼まれたら、一度立ち止まって見てください

役に立ちたい、と思うことは素晴らしいことです。
でもそれがどんな意味でのことなのか、少し立ち止まって考えてみませんか。
できないときはお断りすることも、相手のためになることなのかもしれません。
まるで「安普請」にならないように。

「安普請」とは
安い費用で家を建てること。また、そういう粗雑なつくりの家。

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