脱テン年代宣言〜夢大祭 2020-2021 smile smile smile に関わって〜

 つい最近、友人と「理想」と「現実」の扱い方について、Twitter上で、短めですが意見を交換しました。もしくは帰納的思考、演繹的思考の整理といっても良いかもしれません。思考し行動するとき、「理想」を重視して組み立てる面と「現実」を見ろ! という面とがありますが、私たちはどのようにするのが良いのだろう、というのが大まかなテーマ。
 結論としては、特に派手なものではないけれど、「理想」と「現実」の間に思考や行動が存在し、どちらも等しく重視しなければならないよね、ということでした。
まあ、無難な結論と詰られるかもしれませんが、これはやはり僕と彼との間で一番納得のいくものです。
 その議論の中で、彼が言っていた次のことが、共感できる言葉として印象に残っています。

(「机上の空論」が実践へのアプローチを)まだ伴えていなくても、伴えるようにもがくところまでは、ある種の「投資」をして見守ることが必要だと思う。

 俳句についても僕はこうしたことを考えている時がある(まだうまくまとめられないのでこれに関しては後日文章化します)のですが、僕が時には「もがき」として、時には「投資」として行なっている活動こそ、地域づくりの活動です。

 今ある社会のあり方に問題意識を持ち、意見を発していくことはとにかく重要です。日本国内で言えば、少子化、高齢化により生じる問題をどう乗り越えていくのか。過密過疎の問題はどうするのか。世界共通の問題としては、未だに残っている差別・平等の問題や環境問題、格差についての問題や人権問題。「世界や、もっと言うと実は身近でで起きている問題への無関心」についての問題だってある。こうしたことに関し積極的に自分の意見を発することは、社会を動かす力になると考えます。

 ただ、それだけで終わってしまうことも、やはり違うと思っています。「問題に対する答え」というある種の「理想」を「現実」にできる能力もまた、僕は重要なのではないかなと考えます。

 こうした能力が、現在ある意味「特殊能力」化していると感じています。こうした「問題意識」解決のための僕の手段が「利根沼田夢大学」(以降「夢大」)でした。「夢」をかたちにするという経験と、それに付随する多くの気付きを若者が学べる環境(市民大学)、それが夢大です。発起した僕自身まだまだ「現実にデザインする能力」が備わっているとは思わないし、「僕の団体」ではなく「中高生中心」のいわば「後輩へつないでいく団体」ですので、山あり谷ありでしたが、おかげさまで夢大は初代学長の僕から来年度の3代目までバトンを繋ぐことができています。

 そんな夢大の2020年度最後の事業「夢大祭」が3月14日(日)に行われました。今年度事業として「夢」をかたちにしてきた「まち映画」製作事業の一般初お披露目です。
 「夢大祭」が終わり、僕は今年度の学生スタッフたちがいくつかの収穫を残してくれたなあと感じました。大きな収穫のまず一つは、映画の中でこそあれ、夢大スタッフの中高生が思う「こういう社会・地域でありたい」という夢を作品化し、かたちにできたことです。例えば「SDGsが当たり前に達成されている社会、地域でありたい」ということで、高崎商科大学の前田拓生教授に協力いただき、水資源やジェンダー、パートナーシップなどの目標達成への取り組みを(ほんの小さなことの集まりですが)表現しました。また、藤橋誠監督の素晴らしい脚本により、若者が「夢」に気付き、周囲との協働のなかでそれをかたちにするという様子を表現できました。
 もう一つの大きな収穫は、「祭」や映画、上映会というある種の「机上論」をかたちにする、という学びを学生たちが獲得できたことです。

 「机上論」がかたちになっていくことこそ、「まだ見ぬ未来」がより良くなっていくことになる。僕は高校3年間を費やし、この夢大祭も生で見ることができたことでそのように感じています。たしかに「大きな物語」は無くなったかもしれない。けれど、だからといって「理想」も「現実」も見失う必要はないと思う。新しい社会をデザインしていくこと、そうしようともがくこと。そんな可能性を僕は改めて知覚した気がするのです。そういった意味で、僕は「脱テン年代」の旗手になれれば、と思っています(俳句に関していえば、まだそんな俳句を作れている気はしないけど、「デザイン」により自らの環境が「脱テン年代」化していけば自然とそういう句がつくられる気がしています)。

 今後も機会があるたびに、このnoteで「夢」を見つけかたちにしていく夢大の中高生について、また社会のデザインについても書いていくつもりですので、興味ある方は今後もどうぞよろしくお願いいたします。

 最後に、こうしてnoteで文章を書いているのは、自分の書く能力・考える力の向上を図るためですから、文章上のご指摘や内容についてのご意見は歓迎しております。若気の至りという部分もありますが、何かあります方はなんらかの反響いただければ幸いです。

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