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「RevOps」 BtoBのマーケ・セールス・カスタマーサクセスを支える新しい営業企画職

THEMODELの普及とともに生まれるCROとRevOps

・RevOpsとは、主に法人営業プロセスにおけるテクノロジーとデータ化を専門とするような職種だ。
・わかりやすく言えば、(人によっては怒る人もいそうな表現だが)格好つけてテッキーに言った営業企画職だと言える。
・米国では日本で言うところのTHE MODELの全体を見る経営役職のCRO職がある。そのCRO職をサポートするような企画スタッフで、セールスからカスタマーサクセス活動も含めたテクノロジー導入や計数管理を行う。
・RevOpsが生まれた背景はわかりやすくて、THE MODELで語られているような分業の組織構造になると、部署間でかなりサイロ化(分断化)される。
・これが悪い方向に行くとどうなるか。例えばインサイドセールスはマーケのリードの獲得が悪いと疑い出す。フィールドセールスが強引に受注したものをカスタマーサクセスにぶん投げる。セールスがマーケの作ったコンテンツに悪口を言う。などが起こり得る。
・だから、ビジネスプロセスを一貫して見るような人物が必要で、その経営職がCRO、企画職がRevOpsといったイメージだ。だから格好つけて言った営業企画職、といった表現になる。

RevOpsはセールスプロセス全体のデジタル化、データ化、最適化を担う企画スタッフ

・RevOpsが見るのは、セールスパイプライン、受注率、顧客獲得単価、売上総額、契約更新率(解約率)、LTV、NRRといったマーケティングからカスタマーサクセスに至るまでの横断的な数値だ。
・これを見るためのSFA/CRMやBI環境の整備もRevOpsがやる。
・基本的にはビジネス活動の生産性を追う。データから洞察を分析してセールスサイクルや解約率の改善などを行うための策を練る。
・いま、リセッション(不況)の影響で、米国では人数を増やさないで(むしろ減らして)売上を増やせないかという議論が盛んだ。
・だからRevOpsに対してもセールスの自動化ツールやイネーブルメントツールなどを導入して、極論を言えばどんどんセールスをリストラしたいのが経営者の本音になる。

RevOpsによる営業売上の拡大、営業のコスト削減が求められる

・日本では営業企画スタッフや営業DXスタッフのようなポジションがあり、基本の仕事内容はSalesforce導入と運用が求人票に書かれていたりする。しかし、Salesforceやhubspotを組織に導入すればそれでいい、ということはあり得ない。
・そこで得られる営業のデータを活用して営業生産性を具体的に高めなければならない。具体的に売上や受注率を高めなければならないし、営業に発生するコストは下げなければならない。
・米国ではIRにおいて投資家に対してかなり細かな発信による営業活動の透明性や説明責任が求められるようになってきている。株主総会における投資家のコメントもかなりえげつない事もある。
・だから、米国企業だとRevOpsが期待されていて、営業のパイプラインや営業KPIの可視化と分析、予実管理とリソース配分の最適化などの要請がのしかかっている。
・基本は営業の分業スタイルはSaaSから始まったものなので、米国においてもBtoBのSaaSやクラウドベンダーでRevOpsは流行っている。
・日本においても一部のSaaS企業が導入すると思う。ただ上場している一定の時価総額のあるようなSaaS企業でなければ、そもそも営業企画のスタッフは置けないはずなので、日本においても導入するのはトップのSaaSベンダーに限られるだろう。

openpage藤島のRevOpsへの感想

・要は分業でやってると、返って営業生産性が下がったりするので、横断で見る動きもしようという話だ。
・おそらく、日本の企業に在籍する営業企画で優秀なスタッフは、俺はもう近いことやってるぜ、と思う人もいるかもしれない。
・ただ、RevOpsが導入しているツール群は、outreachやGongなど日本の大企業より一歩進んだセールステクノロジーが導入されており、計数管理もより詳細な営業データを有している。
・そのため、まさに海外企業視察などで、最先端のRevOpsがどのようなツールを導入して営業生産性を高めているのか、日本の企業の営業企画や経営企画のスタッフは学習しに行ったほうがいいだろう。
・わざわざ視察をしなくても、海外のSaaSレビューサイトのG2で、セールス関連で口コミの多い製品の機能を見れば、なんとなくどういったセールステックが用いられているかわかるはずだ。
・人材業界の経験から言えば、経営全体の数値や業務プロセスに携われるので、市場価値が高くなるような仕事だと思う。またRevOpsのほうが従来の営業企画スタッフよりも、よりセールステックのテクノロジー活用する印象が強くある。
・もし見れるのであれば、外資系企業の営業の友人などに頼み込んで、営業管理で用いてるツールのダッシュボードなどをチェックすると良いはずだ。