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2023年→2024年のカスタマーサクセス展望

openpage代表取締役/実践カスタマーサクセス著者の藤島です。お久しぶりのnoteでのカスタマーサクセス発信です。今年の振り返りと来年の予測です。

2023年のカスタマーサクセスはカオスだった

今年のカスタマーサクセスは、なんというかちょっとカオスでした。混沌としています。
そもそも、2022年以前のカスタマーサクセス自体も、情報としてはボリューミーでキャッチアップするのが大変でした。

その状態でSaaSの不況がやってきたのです。資金調達のニュースが減って、SaaSベンチャー全体の勢いが落ちた1年が2023年でした。

不況になると、コストを抑えて売上を上げる、利益を出す圧力が企業にかかります。
カスタマーサクセスにおいては、営業的な要素の強いNRR(売上継続率)を追うトレンドは強まりました。特にアメリカのSaaS企業は厳しく、売上を出せないカスタマーサクセスは筆頭のリストラ候補となっていました。「カスタマーサクセスの終わり」といった発信も数多く行われました。

チャーンを防ぐためのカスタマーサクセスを考えるだけでも大変なのに、また更に営業的なことも考えないといけないのか!となっているわけです。

カスタマーサクセスのデジタル化は◯(まる)

プラスのニュースとしては、カスタマーサクセスに関するツールベンダーの機能開発が進んできたので、カスタマーサクセスの負担を下げるデジタル化はやりやすくなりました。
openpageが仲の良いテックタッチ様はSaaSのカスタマーサクセス向けでもかなりグロースしています。
実際にopenpageでもテックタッチ様の製品を導入してみたのですが、びっくりするほど使いやすいです。SaaS向けに展開してくれて良かった〜と弊社チームも喜んでいます。

また、弊社openpage自身もカスタマーサクセスのデジタル化を進めるツールとしてはかなり売れました。
今年は、オプティマインド様、ベタープレイス様、OKAN様、AI CROSS様、CINC様、エンペイ様、Findy様といった企業様にご導入を頂きました。NDA上、ここに書ききれない大手企業様も複数ご導入が進んでいます。
openpageと取引をしている各社様は、バリバリ仕事ができる優秀なカスタマーサクセス部門の皆様ばかり。今後はどのようにカスタマーサクセスをデジタル化していくかの情報発信は増えていくことでしょう。

ネクスト・カスタマーサクセスの動き

ただ、やっぱりカスタマーサクセス自体がカオスだなと思います。ただでさえキャッチアップが大変な中で、更に話題が先に進んでるのです。個人のキャリアや組織のあり方は選択肢が増え、より混沌としています。
SmartHRの稲船さんはカスタマーサクセス責任者からSMB事業全体の企画とイネーブルメントに異動されました。

山田ひさのりさんは、カスタマーサクセス活動の顧客育成業務は自社じゃなくてもできる、BPO化を話題に出されていました。

IVRyでカスタマーサクセスの立ち上げをされている山田さんは、カスタマーサクセス組織の生産性を課題として、この記事は多くのシェアがされました。

そして、私ことopenpage藤島は、今年は営業DXの展示会に出まくっておりました。カスタマーサクセス用途からセールステック用途にプロダクト機能を大幅拡張させ、営業を頑張る道に気持ちを入れ替えました。

カスタマーサクセスのキラキラは幻だった?

これは世相の変化を表していて、営業強化が必要で、コストを下げないといけないという厳しい企業環境が表れています。
米国最大のスタートアップ会計事務所であるpilotは、カスタマーサクセスがもっともレイオフ(リストラ)された職種であるという厳しいデータを発表しました。

これは決して他人事ではなく、カスタマーサクセスという職種には経営として厳しい目線で見られています。
かつて、カスタマーサクセスはどこかキラキラして、顧客貢献度の強い優しいキャリアのように見えました。
ただ実態として、今SaaSベンチャーの各社はそんなキラキラさせる余裕はない状態で、コストを下げて売上を上げてくれと思っており、米国では最もリストラされた職種となってしまいました。

カスタマーサクセスのキラキラさは、SaaSバブルが見せた幻で、今年はその夢が覚め始めた1年だったと思います。
いや、おそらく、日本の会社の経営においては、急にそんな魔を刺すようなことは言えないので、思うところありつつも黙殺してる経営層も多いのではないでしょうか。その意味でも、カオスと言うしかありません。
Gainsightも、代表のニックメータさんがあたふたしている印象です。今年はいろいろ、耐える1年だったと思います。

2024年は大手も参入し、より進んだカスタマーサクセスのベストプラクティスが生まれる

ただ、悲観的なことばかり考えても仕方ありません。
カスタマーサクセス自体にあった元々の魅力が失われた訳ではないのです。
ポジティブなニュースは、日本のSaaSベンダー各社のカスタマーサクセスは基本的な取り組みはすでの進んでおり、2024年はより進んだ施策や組織になるのは間違いないことです。より筋肉質なカスタマーサクセスのベストプラクティスがまだまだ発信されていくでしょう。
また、大手企業もカスタマーサクセスには着目しており、インサイドセールスと同様にこれから本格始動していきます。大手企業へカスタマーサクセスの職種で転職する人も増えていくと思います。
そして、SaaS不況はあったものの、実態としての新規取引は拡大しているベンチャー企業も多く、カスタマーサクセスとしての需要は今後も高まり続けるのは間違いないです。

テクノロジードリブンなカスタマーサクセスの普及

あとは、カスタマーサクセスの火をより大きくしようと、ベンダー同士もかなり仲良くなりました。笑
openpageは、テックタッチ様、Gainsight様、commmune様それぞれと仲良くなりましたので来年は連携強化していきます。
よりテクノロジードリブンなカスタマーサクセス発信が増えていくことでしょう。
またカスタマーサクセス支援会社にはopenpageのツールを無償で提供し、業界の火を灯さないようなアライアンスも2024年に行うつもりです。
そして、openpage単体としては、売上を上げてコストを下げる筋肉質なカスタマーサクセスを再現することに来年も向き合って事業開発をして参ります。