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神々の住む土地、ギリシャ(6) メテオラ・帰国 (Meteora, 2014.8)

※この旅日記は2014年夏のものです

旅行時期:2014.8
同行者:友人
テーマ:美しい景色を堪能する、猫と戯れる
Day1(Fri.) 前日夜NRT発→サントリーニ島フィラ着
Day2(Sat.) サントリーニ島(イア)
Day3(Sun.) サントリーニ島(フィラ)
Day4(Mon.) サントリーニ島→アテネ
Day5(Tue.) アテネ
■Day6(Wed.) メテオラ
■Day7(Thu.) アテネ→NRT着

6日目、快晴。今日はメテオラ修道院を巡る日だ。

メテオラという地名は、「空中に浮いている」という意味のギリシャ語、「メテオロス」という言葉に由来するそうだ。地名のとおり、細くて狭い岩山の上に建てられた修道院が多数存在し、現在活動中なのは6つの修道院だという。
これらの修道院群は、その特異な自然景観とあわせて、1988年に複合遺産として世界遺産に登録されている。

以下、メテオラの歴史を要約。

・長い年月をかけて形成されたメテオラの険しい地形は、俗世との関わりを経って祈りと瞑想に生きるギリシャ正教の修道士にとって理想の環境とされたそうで、9世紀の時点ではすでに奇岩の裂け目や洞窟に修道士(単独で修行する隠遁士)が住み着いていた

・14世紀半ばにそれまで東ローマ帝国で修道院活動の中心だったアトス山がセルビア王国に支配され、戦乱を逃れた修道士がメテオラに住み着いて修道院共同体が形成されていった

・14世紀末にメテオラのある地区はオスマン帝国の支配を受けることになったが、帝国は修道院に一定の保護を与え活動を保証したため、修道院活動が継続された

・1881年、ロシア・トルコ戦争の後にギリシャ王国領に編入。近代国家の中での修道院活動は続いたが、昨今観光地化が進み、世俗を避ける修道士にとっては活動に不向きになり、より閉鎖的なアトス山に移住する修道士が増えている

・20世紀に入り、二つの修道院が女子修道院に改組されて現在に至っている

メテオラにはどうしても行きたかったので、アテネに滞在する時間を削ってでもメテオラ周遊を組み込んだ。

アテネからメテオラへ

眺望が見事と聞くので、晴れるといいな・・・と願っていたのだが、無事に快晴。

朝の光を浴びながら駅を目指す。

ホテル最寄りのアクロポリ駅からアテネ駅に向かい、8:27アテネ発の電車に乗り込む。

終点のカランバカ駅がメテオラ最寄り駅だとのことで、カランバカ行きの電車に乗ればOK。迷いにくくて便利。
アテネからメテオラまでは電車で約5時間。320km程度(東京〜高山間くらい)というなかなかの距離だ。

メテオラは、バスツアーに参加するかタクシーをチャーターしないと見て回れないらしく、今回は旅行代理店経由でタクシーをチャーターしていた。運転手のジョージさんに会えますように、と祈りながら乗車した。

車内販売などはなく、アテネ駅でサンドイッチを調達して食べた。

あまりに可愛い子がいたので望遠で撮ってしまった

この電車、きちんとカランバカに向かっているか不安だったのでGoogle Mapで進行方向をチェックしていた(イギリスで乗った電車の行き先がいつの間にか変わっていて目的地に辿り着かなかった経験があるので)。
進行方向としては正しいのだが、途中停車したまま動かなくなった。30分、1時間、1時間半と経過していく・・焦る我々。ジョージさんに連絡する手段はない(今思えば現地でSIMカードを買って、事前に聞いていた彼の電話番号にSMSを送ればよかった)。

ヒヤヒヤしていると、なんとか電車が発車。結局何が原因かはわからなかった。
予定よりも2時間近く遅れてのカランバカ駅到着となった。

到着したはいいが、これでタクシーの運転手が帰ってしまっていたら我々はどうすれば・・。不安を抱えながら改札を通ると、そこには我々の名前を掲げた男性が。ジョージさん!!!待っててくれてありがとう。

この人がジョージさんではない

タクシーに乗り込み、修道院エリアへ向かう。ジョージさんは途中色々と説明してくれたのだが、内容は忘れた。

私たちは、アギオス・ニコラオス修道院(通称聖ニコラオス修道院)、大メテオロン修道院、ヴァルラアム修道院、聖ステファノス修道院の4つの修道院を見て回った。(帰国後に調べてわかった)

メテオラでは、今でも修道士たちが厳しい戒律を守りながら共同生活を営んでいるそうだ。観光客もほどほどにいたが、その中にもお祈りを唱えながら修道院を目指す老夫婦がいたりと厳かな雰囲気だった。
各修道院までの道のりは、さながら登山、修行のようだった。

聖ニコラオス修道院

小さい修道院だが、ここへ至る坂道はかなりハードだった。修道院の建物は14世紀に建立され、16世紀前半に再建されているそうだ。

ほぼハイキング

ある程度まで上に登ってくると、さっそく見たかった景色が惜しみなく展開されていた。

我々も同じ構図で撮った
聖ニコラオス修道院が見えてきた。まだ道のりは遠い
ひと休みする家族

小一時間歩いてようやく修道院に入る。眺めがいい。

日本人と思われるカップルがいた。みんないい機材持ってる
遠くにロザノー修道院が見える
昔はここから絞首刑にされたこともあったとか。。怖い

降りて駐車場へ戻る途中、この後に向かう大メテオロン修道院が見えた。

ヴァルラアム修道院

タクシーで10分程度移動。大メテオロン修道院よりも少し低い位置にある美しい修道院、ヴァルラアム修道院へ。大メテオロン修道院とは徒歩で行き来できる距離。

この修道院はフレスコ画が印象的だった。

天井画
特等席で気持ちよさそう

岩が眼下に見える。あそこまで下っていって徒歩で大メテオロン修道院へと移動する。

岩のあたりまで降りてきた。

綺麗な猫さんに挨拶しながら大メテオロン修道院へ。

大メテオロン修道院

標高616mに位置するメテオラ最大規模の修道院。修道院群のなかで最も古い建築のようだ。

奇岩の上にどうしてこんな美しい建物が作れたのか・・
読書中の修道士さん

先ほどまでいたヴァルラーム修道院が見える。

我々も通った道。こうみるとすごい・・

ビュースポット(展望台)

大メテオロン修道院を出て聖ステファノス修道院までは車で10分強だが、眺めが良くて写真撮影にぴったりなビュースポットが二ヶ所あるよ、とのことで回ってくれることに。
タクシーを停めてもらって、撮影。ジョージさんは我々の2ショットも撮影してくれた。今思えばジョージさんとも撮ればよかった。

ロザノー修道院
ロザノー修道院(2ヶ所めのスポットから)
アギア・トリアダ修道院

聖ステファノス修道院

修道院巡りのフィナーレ、聖ステファノス修道院へ。女性修道院であるゆえなのか、繊細で優しげな雰囲気の修道院だった。

聖ステファノス修道院

お庭が綺麗だった。

庭にいた子猫がとにかく可愛くて・・。おばさまが上手に撫でており、子猫はとても気持ちよさそうにしていて素晴らしい午後のひとときだった。

絶景よさらば

メテオラは、想像以上に壮大で奇妙で、謎に満ちていた。

タクシーで駅まで戻ってきた。ジョージさんともお別れだ。

駅近くのスーパーで水とクロワッサンを買い、17:30発の電車に乗り、5時間電車に揺られてアテネへと帰った。明日はもう帰国日だ。

陽気

最終日

出発の日の朝。11:00にはホテル前に送迎が来るため、遠出はせずに周りを散策。ホテル近くのカフェでゆっくり旅を振り返ることに。

ホテルからほど近いcubbyholeという名前のカフェに入ったが、すでに閉店している様子。

レモネードを飲みながらしばしボーッとする。旅の思い出を振り返ったり、帰国したらその足でサマソニに向かうので、フライトではゆっくり眠れるといいな・・などと話しをしているうちに出発の時間になった。

余談。後日、このギリシャ旅中に撮影した猫の映像で「世界ネコ歩き」のパロディ動画を作った。

初めて作成した動画だったので、映像の撮影の仕方もめちゃめちゃで編集も力任せだったのだがとても思い出深いものが作れた。この編集が楽しかったので、その後も旅動画を作成するようになっていったのだった。私の動画編集の原点。